感想その4.「『続篇』の今後の展開」

 「全てを失った『祥子』が、仲間の力を借りて
   全てを、取り戻す話」いわば「夢を賭けた、
『現実へのリベンジ譚』」といえましょうか。
『続篇』への伏線ともいえるシーンが今回の「バンドリMyGO!!!!!」には、ところどころにあります。順を追って気になるシーンを整理してみると、以下のようになります。
 1.『#1』かなりの雨の中、傘をささずに思い詰めた
    険しい表情で、久しぶりにCrychicの皆が待つ練習
    スタジオに向かい皆に自分1人の問題で脱退を宣言    
   する『祥子』。理由『睦』が知ってそうなそぶり。
 2.『#3』で4月学校が始まって間もない時に『燈』
 と『祥子』が偶然出会い、『燈』の歌詞に感動
    、バンド始める事に。またすぐに『そよ』も誘い
 (#9)、幼なじみの『睦』、その後、姉の関係か
 ら、Dr.の『立希』を迎え、『Crychic』結成、初ラ
 イブ大成功したにも関わらず、『祥子』宛にきた
 何らかのSNSを見て、暫く学校と練習を無断で休
 み、1.で記した結果となる。この間、皆まだ制服
 冬服のままで、衣替えしていないことから、『祥
 子の脱退は5月下旬。『燈』も行かなくなったの
 もそのころ。出会ってからバラバラになるまで、
 その間僅か2ヶ月。季節巡って1年後、『燈』は
 入学した同じ学校の隣のクラスに『祥子』の姿を
 確認する。『祥子』は、『燈』に気づいているも
 のの無視を決め込む。昨年よりもやや痩せて、暗
   い表情。
3.『#4』、『#6』で、半ばストーカー的につきまとう『そよ』に困り、話をつけるべく初ライブ会場に
『睦』と共に出向いたが、『燈』の『春日影』の詩
 を聴いて、抑えていた感情が爆発、失敗💦その後
 、『#8』で『初華』に何らかのお願いをし、自分
    の旧宅から何らかの決意をして、飛鳥山公園で、
 冷酷に訣別する。
4.『#12』の終盤、『にゃむち』と高級ホテルのカフェテラスで待ち合わせ、自分が新たに結成したバンドにDr.として、入ってもらうことを要請、最速で
メジャーデビューすると、宣言する。
5.『#13』電話受付のバイトの後、『睦』宅へ行き
 バンドに入るかどうかたずねると「『さき』が
 こわれそうだから、(心配して)入る」と。
 「ご心配は、結構!」立ち上がり、「弱い私は
 死にました!」と決意を語る。
  初ライブ前に、「旧宅」の前に立ち、門越しに
 何らかの決意をして、初ライブ会場に向かう。
  二階席を含めると8000〜10000人は入る某TV局
 の大ホールでほぼ満席の中、初ライブを行
 い、大成功を収める。皆と成功を分かち合うこと      をせず、1人みすぼらしい荒れた自宅に帰る。
  「ただいまっ!くそおやじ!」
 垣間見えた流れの中で、『続篇』の流れを考えるに、いくつか解決すべき課題があります。
 まず、『Crychic』脱退後、翌年4月に『羽丘』に
入るまでの約10ヶ月(6月〜翌年3月末)までのインターバルを『祥子』はどこにいたかです。『#13』で
家が『破産』したことが、わかりますが、引き続き
『月ノ森』にいたとは思えません。辞めるにあたり
かなり嫌な思いもしているはずです。「#6」で、つきまとう『そよ』に話をつけることを「羽沢珈琲店」で、『睦』に語り、『睦』が、「月ノ森にくる?」と言ったときの、「そんなこと、できるわけないっ!」と、理性の固まりである、『祥子』が、怒りをあらわにして、思わず、立ち上がるシーンから、切実にわかります。
 次に、奏でる『楽曲』の大幅な違いです。『#3』で、学校のOGバンド『Morphonica』の演奏に惚れ込んで同じ路線の『楽曲』を奏でるために『Crychic』
結成しました。しかし、ほぼ1年後、2度目に結成
した『Ave Mujica』は、全く異なり、『Roselia』的な『楽曲』となっています。さらに、『祥子』が使用しているキーボードが、『Crychic』の時は、
Roland VR730なのに、『Ave Mujica』の初ライブでは、上位機種Roland FA08とハモンドでした。
Roland FA08と言えば、『Roselia』のキーボード奏者『白金燐子』が、現在使用している機種と同じです。
 セルフ・マネージメントで、経費節減しても、10000人規模のホール、宣伝経費にかなり大掛かりな費用がかかります。たとえ、Sumimiの『初華』と
著名芸能人の娘『睦』の名前だけでは、まだ何の実績もないバンドにそこまで先行投資するスポンサー
があるのか?また、まだ16才くらいの少女に、いかに聡明とはいえ、『ラテン語』の世界と『演劇』を
合わせて、1人で構成するには、無理がある。
 と、言う点から察するに、以下のストーリーを想像してみました。
 『Morphonica』の演奏を聴いて、バンドをしたくなった『祥子』は、春、4月半ば、ハクセンボクの花咲き乱れる中、自殺しそうに見えた1人の少女『燈』
と出会う。自殺しそうは、実は間違いだったのだが
、幼い時に死別した母の面影が『燈』にはあった。
『燈』の詩(うた)の感性に刺激され、『燈』と共にバンドを結成することにした『祥子』は、他のメンバーも集めて『Crychic』を結成、『燈』との初の合作『春日影』を完成、初ライブは大成功をおさめ
、これからもみんなでやっていこうと、明るい兆しが見えていたのだが、父親の事業の失敗と事件にまきこまれて、父親は逮捕、そして、破産、生まれ育った邸宅、ピアノ、そして、母の形見の『ビスクドール』まで、抵当にとられ、学校にもいけなくなり、全てを失った『祥子』は、
「何もかもなくし、さらに『犯罪者の娘』という
 前科までつき、信用をなくした以上、生きていけない!死ぬしかない!最後に唯一私の下に集ってくれた仲間に迷惑が及ばないように、残念ですが『Crychic』やめてから、お母様のところに向かうことにしましょう。」と、決意、また、「ホントの辞める理由は、プライドから、とても言えないので、わざと皆が怒るようなけんか口調で、言い、皆さんに『あんなやつ、ほんと、辞めてくれて、良かった!』と、後腐れないようにしよう!」と、考え、降りしきる土砂降りの雨の中、泣いている顔を見られたくないため、あえて、かさをささずに、練習スタジオに向い個人の問題で、Crychicを辞めると、一方的に言って、スタジオを飛び出し、かつて『燈』と初めて会った橋の欄干から飛び降りて、自殺しようとしたが、『亡母』と、『燈』の悲しそうな顔がまぶたに浮かんで、躊躇してできず、雨の中、ずぶぬれになったまま、佇んでいた。そんな彼女に傘をさしかける人がいた。
   「あなた、今、死のうとしていたの❓」
 声をかけたのは、『湊   友希那』。『友希那』との
 出会いが『祥子』を救うことになった。『祥子』
 の身の上を聴いて、気の毒に思った『友希那』と
 『友希那の父』は、中学卒業するまでは、養護施設から勧められている公立の中学に行き、高校は
特待制度で、3年間費用のかからない『羽丘』へ進学することを勧め、「この世から、逃げようとする、『弱いあなた』は、死んだわ!これからは、『強いあなた』に生まれ変わったつもりで、リベンジしましょう!あなたの新しい門出に!」と、『友希那』は、『父』に目配せ、察した『父』は、アップライトピアノで、伴奏、『祥子』の目前で『Firebird』を熱唱、『友希那』の歌声に感動の余り、涙を流しつつ、先輩の粋なはからいに感激、ゼロからの再出発〜厳しい現実にリベンジする決意を固めた。
 『祥子』は、猛勉の末、『羽丘』に特待生として進学、進学してからは、アルバイトとして、『友希那の父』の友人が経営している会社の電話受付の仕事を紹介してもらい、勉学しながら1人で生活できる時給と『友希那の父』が所有している赤羽駅前のアパートを3年間、無料で貸してもらえることとなり、やっと1年ぶりに人並み最低限の生活を送れるようになった。留置所から文無しの父親が出所して、『祥子』のアパートにやってきたが、朝から酒びたりで寝転がり、愚痴ばかり言う始末💦暴力を振るうことはないが、働こうとせず、『祥子』から、酒代をせびるばかりの情けない姿に、かつて、一人娘として、可愛がり、何でも買ってくれ、いろいろなところに連れていってくれた『父』の面影は、全く無くなり、酒代を拒むと、自分が留守の間に、学校の制服を質に入れてしまう💦そんな変わり果てた父の姿に『くそおやじ!』、悲しく、軽蔑したが、幸い、酒に酔っての暴力を振るうことはなく、金目のものは、全て、父親から隠し、酒代さえ与えれば、害なく、大人しくしているので、放っておくことにした。
 新しい生活にもようやく慣れたとき、恩人の『友希那』から、連絡があった。
 「あなた、『燐子』の代わりできないかしら❓」
『燐子』がインフルエンザに感染、10日間出停となり、3日連続ライブのキーボード代行を探していたのだった。『祥子』のピアノの腕は、メンバーの『あこ』から、「毎日お昼と夕方に素晴らしいピアノ演奏をする後輩がいる❗」と聴いて知っていた。渡された譜面を見て、『できます❗』、中学時、全日本コンクールで1位を取った時のことが蘇った。
 3日間のライブ、『祥子』は代役を立派にやりきった。後に、『燐子』から、愛用のFA-08とハモンドオルガンを譲り受けるが、自宅に置いておくと、飲んだくれの父が勝手に、自分の制服を酒代欲しさに質に入れられ、慌てて貯めていた自分の貯金で買い戻したことがあり、「せっかく、『燐子』先輩から譲り受けた楽器、質草にされかねない!」と察した『祥子』は、『Circle 』の倉庫に預かってもらうことにした。
 そのライブ会場に、3日間、連続で『友希那の父親』と共に『祥子』の演奏をじっと聞いている初老の身なりのいい女性の姿があった。
 ライブから数日後、『友希那の父親』から、「あなたに会わせたい方がいます。」と連絡があり、待ち合わせて、その方の邸宅に向かうと、何とかつて自分が生まれ育った邸宅だった。主の女性は、『友希那の父親』が、勤める音楽プロモーション会社の株主で某ケーブルテレビの社長も兼務する企業グループの総帥だった。
「あなたが豊川家のご令嬢『豊川祥子』さんね❗」
 かつて、自分が毎日弾いていたピアノ、母の形見のビスクドールがあるあの部屋での面談だった。
 しかし、そのドールは元の服装ではなく、顔の半分以上は、漆黒の仮面でおおわれ、鮮やかなスカーレットレッドの服に、漆黒のリボン、漆黒のフリルスカート、黒の手袋、黒の靴を履いていた。
「あなた、しばらく私のドールになってみない?」
 あまりの変な申し出に一瞬たじろぐ『祥子』💦
しかし、勇気を出して、
「ドールになれば、亡き母の形見のドールとピアノを返してくれますでしょうか❓」
「あなたのお父様へ貸し付けた借金の代わりに皆いただいたの。あなたが私のドールとして、そのうちの一部、1億円稼いだらこの邸宅もあなたにかえすわ。」
『祥子』は決意した。
「わかりました❗本日からあなたのドールになります。そのかわり、お約束は守ってくださいね❗」
「お父様と違って、思い切りがよいわね❗では、
 あなたが中心となって、バンドのメンバー集めて
 ちょうだい。私とあなたのパイプ役兼相談相手に
 私の娘を紹介するわ。娘は、イタリアに留学して
 オペラ、演劇のプロデュースしていたの。ロック
 と、オペラ、演劇の融合した、新しい形態を模索
 、誕生させて、世界に発信したいの❗
         お約束必ず守る『誓い』として、あなたが私
 の『ドール』になるのなら、あなたの『ドール』
 元の服に戻して、お返ししましょう❗気に入って
 いたのだけどね。」
 割り切った『祥子』は、『娘』と組み、表向き、
 『祥子』がセルフプロデュースすることとし、
 「自らもドールだが、後のメンバーは、さらに
 私のドール〜私に残りの人生賭けてもらう〜しか  
 し、本当の目的は、失った名誉、家、形見のドー
 ルとピアノを取り戻すのに、利用する存在〜」を
 探すのに邁進すると共に、
 『イタリアでラテン語を修得したオーナーの娘』 
 にラテン語を習い、バンド名メンバーの名前も、『オーナーの娘』に考えてもらい、バンドの世界観
を「ルネサンス期イタリアベネチアの仮面舞踏会」
と「この世の人間から捨てられ、忘れ去られようとしている『ピグマリオ』のリベンジ!」をモチーフ
として、2人で構成、『オーナー』の許可を得て、
来る7月25日(土)に初ライブが決定した。
 2ヶ月前から、オーナー傘下のプロモーション会社とケーブルTVの宣伝が功を奏し、初ライブはチケット完売、初ライブは、いままでにない、独特の世界観が受けて、大成功を収めた。しかし、まだまだ始まったばかり💦『家』と『ピアノ』を取り戻すため、『祥子』の茨の道がこれから始まる。
 メジャーデビューしたにしろ、自分分の収益は全て、父親の負債『1億』の返済に宛て、生活費と父の酒代は、いままで続けてきた電話受付のバイトでしのぎ、さらに特待生であることもあり、学業にも注力、『ライブ』、『バイト』、『学業』、『家事』
の掛け持ちのため、疲労がたまり、体力が徐々に落ち、病魔におかされつつあった。
 その後かなり強引に1人で仕切ろうとする『祥子』
にメンバーが反発、1番の理解者『初華』が父親の死を表向きの理由にして、脱退、バンドの陰のまとめ役を失い、他のメンバーとの溝と不協和音が増す中、無理に無理を重ねて、『睦』が心配した通り、過労とストレスで、『祥子』は大量の喀血をして、倒れ、意識不明の重体となってしまう。『祥子』の隠していた本当のことが分かったメンバーは、『初華』も戻り、『祥子』の目的を叶えるべく奔走する。オーナーと直談判して、残り8千万円を『初華』が父親から譲られた島を売って5千万円を、さらに残り3千万円を『初華』から相談を受けた『愛音』が『クラウドファウンディング』を提案、『にゃむち』も手伝って、何とか3千万円集め、約束を果たす。
 その間、『祥子』は意識を取り戻し、きつくあたった仲間にわびを入れつつ、復帰に向けて、リバビリに励む日々を送っていた。ようやくほぼ入院前の状態にまで『ピアノの感と腕』が戻りつつあった。
『祥子』は、『燈』を呼び出す。
「以前私に渡そうとした『詩』みせていただける❓」
 『祥子』が入院している病院に『燈』が見舞にきて、無事に約束の期限までに間に合って、家とドールとピアノを取り戻したこと、『祥子の父親』が、酒代欲しさに、金目の物を全て持ってアパートを出て、行方不明になり、捜索中であることを話し、例のノートを差し出すと、ベッドに備え付けてあるFA-08をまだ多少ぎこちない手さばきで、曲を造り、曲のデータを入れたメモリを渡すとともに、
「『燈』、一つお願いがありますの。皆さんに
 伝えていただけます?
 退院したら、お礼のミニコンサートを私の家の
あの部屋でしたい。準備をよろしくお願いいたします🙇あと、『くそオヤジ』あっ、失礼💦『父』の
安否分かり次第、教えてくださいね。」
 「『さきちゃん』分かった。みんなに伝えておくよ❗」『祥子』のベッドの傍らの病室備え付けの
戸棚の上に、家族の写真と共に飾ってある、かつて
『そよ』が、『旧Crychic』のサイトに常時掲載していた、『旧Crychicメンバー』の写真も飾られてあることに、別れ際気づき、『祥子』に、
 「『さきちゃん』も、『Crychic』のこと、忘れずにいてくれたんだね!わたしも『そよちゃん』もだよ!」、バツが悪そうに、頬を赤らめる『祥子』だった。
 3週間後、邸宅の「ホール」と「祥子の」居住スペースを残し、後は、かつての自分の様な境遇に陥り
、住むところや進学に困った高校生に卒業まで、無料で住むことができる施設とし、新たに改装完成した、かつての我が家に退院した『祥子』は戻ってきた。足はまだ不自由で、車椅子だが。手元には、病室に飾っていた、『自分の家族の写真』が入った額と『そよ』が撮影した『旧Crychicのメンバーの写真』が入った額があった。
 「わたしは、帰って来ました❗ただいま❗」
 ホールには、覆面を取った「Ave Mujica」と
 「MyGO!!!!!」のメンバー全員と、オーナー、Roseliaのメンバー、友希那の父親等、お世話になった方々が待っていた。
 「さきりん❗おかえりっ❗」
 みなが「おかえり!」と言う前に「愛音」が先走る💦『祥子』は苦笑いしつつ、
 「『さきりん』はやめてくださる❓」
その後、「Ave Mujica」+「MyGO‼‼!」が一緒になった、本日のためだけに結成された「新Crychic」が新曲を披露、そして、ラスト一曲の「春日影」を『祥子』が取り戻したピアノで、まだ足が不自由な中、『燐子』の助けを借りて、伴奏する中、『燈』がうたう♬
 『ピアノの音』と『燈の詩』が流れる中、ハクウンボクの花が香る季節がまたおとずれようとしていた。
    ・・・・・おわり・・・・・


 
 

   


  


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