感想その3.「奏でられる『音』について」

 『感想その3』は、作品中で、奏でられる『音』について、所感記します。
     『バンドリ』シリーズ、どのシリーズも「人が実際に楽器を弾いて『生音(なまおと)』を奏でる」ことが、特徴ですね。ここ最近の邦楽、洋楽、人工のAI-ボカロ音楽が中心で、機械的な『音』のため、奏者の温かみや心情〜心の叫びが、全く聞こえてきません💦昨日、一昨日と『Roselia』、『MyGO』、『Ave mujica』のライブに参加しましたが、若い世代を中心に、大入満員、人が奏でる『生音』を渇望しているのが、よくわかりました。
 『MyGO!!!!!』で特に目立ったのは、『楽奈』の華麗なるギタテクです。例えば、『#2』初めて登場した時の『音』は『ジミ・ヘンドリックス』、『#7』の『MyGO』初ライブの『碧天伴走』では『ジェフ・ベック』、『#12』の『迷い道』では『ブライアン・メイ』を彷彿とさせる〜恐らく祖母の世代の『音』を祖母、元SPACEのオーナーから学んで、しっかり身についているのが、『楽奈の祖母』と世代的に近い私には、「ギターの殿堂」入りされた方々の『技』が若い世代にしっかり継承されていることに
感心しました。『睦』も『#9』,『#13』自宅での練習風景、『#13』『Ave mujica』初ライブでの演奏から、「おおっ、リッチー・ブラックモアの再来か⁉」とみまごう、かなりハイレベル奏者とお見受けしました。続編で、どんな『生音』を奏でてくれるのか、楽しみです。
 『MyGO!!!!!』で、次に気になったのは、随所に、
クラッシックの名曲が挟まれていて、必ず『祥子』
の存在と「陰のヒロインは『祥子』」と印象付けられた点ですね。『#1』の冒頭の雨の降る空模様と共にショパンの『雨だれ』、『#4』で、苛立つきもちを『祥子』が抑えつつ奏でるベートーヴェンの『月光』、最終回、『#13』で、『Ave mujica』の初ライブという、恐らく、最大の『人生の賭け』の前、失敗が許されず、うまくいくかどうか不安でおしつぶされそうな自分を叱咤激励すべく、学校の音楽室で
激しく奏でるピアノの連打(曲はわかりません)🎹
そんな『場』に、腫れ物触るが如く、避けていた『祥子』に向き合うきもちを伝えにいった『燈』は
まずかったですね💦タイミング悪すぎます💦『燈』
は、今の『祥子』にとって、かつての『弱い優しい祥子』を思い出させる『邪魔な存在』ですから💦
 話を『音』に戻します。ライブシーンは、バンドリシリーズのコアとなる部分、今回、『燈』作詞の
『詩』は、この作品中に起こった出来事と仲間との関係を『燈』なりに解釈したものでしたが、歌詞名が全て『漢文調』なのが、他シリーズと異なり独特でしたね。えてして、『硬い』印象を持ってしまいますが、『詩』自体は、多感な、少しずれた『燈』の10代半ばの感性そのもので、ギャップを感じました。わかりやすい歌詞ですが。『曲とリズム』は、
今の世代には、『生音の斬新さ』が、かなり新鮮に響き、自分の様な60年後半から90年位の『音』の
洗礼を受けている世代には、『懐かしい生音』に
聞き惚れた感がありました。
 特に1番印象に残るライブシーンは、『#7』の初ライブです!先述した『楽奈』のギタテクの凄さを1番実感しましたし、『碧天伴走』の後の『燈』のMCで
『私の詩(うた)は、心の叫びだから❗』普段口数の少ない内気な『燈』だからこそのこの『雄叫び』が聴く者の心を揺さぶると同時に、繊細な心を持つ
『燈』への一抹の危うさを感じます。かつて、同じことを人生最後のライブで、「ライブこそが私の人生さながら!」と、叫んだ、今世、最高の詩姫(うたひめ)『Janis joplin』は、このライブの数ヶ月後、27才で、この世を去っています。『燈』の心の危うさは、『#13』の仲間の打ち上げのときにも『燈』の『一生バンド』していくと誓う姿に、『そよ』も、「一生バンドをしていくということは、危うさを秘めた『燈』と『燈の詩』と一生向きあっていくこと。それがどれだけ危うくメンタル面でやばいこと」かを打ち上げ時に感じていたようですね。『燈』、長生きしてほしいですね。『心の危うさ』では『祥子』もそうですが。
 『#7』の初ライブ、印象に残るMCのラスト、
『楽奈』の伴奏が、急遽『春日影』のOPにかわり、
いきなりのことに、驚いた他のメンバーも、すぐに聴き取って、すぐに演奏してしまうところが秀逸ですね!なんの打ち合わせもせずにですと、必ずトチリがでるはずですから💦
 MyGO版『春日影』の終盤、「照らされた、せかーい、咲き誇る大切なひとー♬暖かさを知った、花は
、ぼくのーためー、きみのーためー、なみだーを、のこーすよー」たたみかけるような『燈』の歌い方と、たたみかけるような単調なリズム、フレーズに
『燈』のおそらく、会場に来ていた『祥子』に対して、この『詩』を通して「さきちゃん、陽のあたる場所に出してくれた僕からなぜ消えたの?戻ってきて、また一緒にやろうよ❗」のメッセージを送り、
本当は、一緒にライブしたいのに、できなくなってしまったことにいたたまれなくなって、『祥子』は
ライブ会場飛び出してしまいます。第三者として
観ている私達にも、ズンと響いてくるなかなかの
『音』です❗
 『#10』も、口下手な『燈』が偶然出会った『初華』からのアドバイスを受けて「詩の1人朗読の『音』」で、仲間を集め、一つにしていくのも、
秀逸です❗『楽曲』が、ストーリー構成から離れず、むしろ、ベースとドラムパートの如く、下支えをしているからこそ、いままでのバンドリにない、
どろどろした中に『人と人との繋がりドラマ』を
しっかり構築されていると感じ入りました。

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