ぐるぐる #シロクマ文芸部

新年明けてからの初記事です。
大変大変遅まきながら、本年もよろしくお願い致します。
自分の気持がどうしてもこちらに向かず、ご挨拶すらできておりませんでしたが、そんな中、三羽 鳥さんよりコメントいただきまして、シロクマ文芸部企画にお誘いいただきました。コメント頂いてからそのコメントに気づいたのが2日後。締め切りまで2時間半前。
急に興味が湧きまして、毎度ながら急な企画参戦でございます。
みんなの俳句大会といい、どうしても私は締切ギリギリ参加となるようです。
小説にて参加となります。
ご興味ありましたらどうぞ。

****************************

本を書く
そう宣言してどれだけの時間が経った事だろう。
私はありとあらゆる出会った人に宣言して回った。
恋人、友人、家族、職場の人、それこそ、タクシーの運転手や、飲み屋で知り合った名前も知らない人にまで。
自己紹介の様に得意気にスタートし、大好きな友人を紹介する様な心持ちで触れ回っていたそれは、いつしか自分を追い込む為の手段となった。
それらは、ジワジワジワジワと形を変えていくもので、明確に変化した事に自身では気付き難い物だとだいぶ経ってから気付いた。もしかしたら、気付きたく無かったからかもしれない。
かつて物語は常に私の中に存在し、湧いて、湧いて、湧いて来るものだったから、いくらでも筆は進み、どこまでも共に進めるものだった。……のに。
今、いや、数ヶ月、言葉が止まったままだ。
そんな状況に戸惑い、焦る。ここから抜け出す方法が分からない。
ぐるぐるぐるぐるシーンは巡るのに。
ぐるぐるぐるぐる言葉は巡るのに。
ぐるぐるぐるぐる思考が邪魔をして。
ぐるぐるぐるぐるなぜ表現をしているのだっけ?とと思う。
ぐるぐるぐるぐる。

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるまわる扇風機を眺める。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるまわる洗濯機を眺める。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるまわる排水口の水を眺める。
回し始めたのは力技でも、回り始めれば慣性の自然の力。
自分の力だけではない。
のかもしれない。

本を書く。
本は書く物ではなくて、紡いだ物をまとめた結果。
物語は自分の物ではなく、物語のもの。
友達の姿をいつの間にか知識でこういう人だとラベリングを増やしていた事に気付いたように、ただ、見て、ただ触れて、それを言葉に置き換える。
そんなリハビリの様にたどたどしく言葉を置いてみる。
ミンミン唸るセミの音の中。
ミンミン唸る私の頭の中が文字となり、ひとつひとつ紡がれる。
ミンミンミンミン

やがてそれらが纏まって本になる。
私のではなく、物語のための一冊が。


****************************


「本を書く」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか? みんなで読み合うお遊び企画です。締切は1/14(日)21:00。記事には「#シロクマ文芸部」をつけてください。他の参加作品1つ以上にコメントするのがご参加条件です。※コメントは過去のお題の作品でもOK!

https://note.com/komaki_kousuke/n/nf6c3a4caac66?sub_rt=share_pw

小説とも言えないような、ささやかな物語。
自分の状態なのかなんなのか。
急遽参加の30分かからずの創作で失礼いたします。
久しぶりの小説の様な言葉のふれあいに嬉しくなりました。

お誘いくださった三羽 鳥さん、企画元の小牧幸助さん(はじめての企画参加となりますっ。よろしくお願い致します)
ありがとうございました!

ちょっと落ち着いてから、参加条件のコメントを残しに回らせて頂きます。

新年1つめ。
こんな形でのご挨拶で失礼いたしました。
元気に生きております。
インク画も、あなたのためのインク画も、必ず表現してまいります。
私のものではなく、インク画のために私が動く。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?