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【ドラマ】ブラッシュアップライフ

私は普段それほどTVドラマを観ないのですが、今クール(23年1〜3月)のTVドラマはそそられるものが多いと感じています。

そんな中でも特に異彩を放っているのが、日本テレビ系列で放送中の『ブラッシュアップライフ』。

https://www.ntv.co.jp/brushup-life/chart/

主演 :  安藤サクラ
脚本 :  バカリズム

◼︎あらすじ(ネタバレあり)
平凡な30代女性近藤麻美(安藤サクラ)のとある一日が淡々と映し出されます。
しかし、彼女はその夜、突然交通事故で死んでしまいます。

目を覚ました死後の世界に現れたのが、死後案内所の係員(バカリズム)。
役所の受付のような卓に事務員然と佇んでいる姿が何だか笑えます。

係員から来世に生まれ変わる生物(人間ではない)について説明を受けた麻美は、あまりのショックから受け入れることができず、窓口で粘ります。

「何とかなりませんかね。」

係員曰く、もう一度同じ人生を歩んで、徳を積めば、人間になることができるかもしれない、とのこと。

意を決して人生をやり直すことにした麻美は、係員が案内した先にある扉を開けて、新たに麻美として産まれるのでした。
◼︎

バカリズムのことは、率直に言えばそれほど好きではありませんでした。
斜に構えているというか、可愛げがない笑いの取り方をする、という印象でした。
しかし、本作を観ていると、その才能を認めずにはいられません。

まず、設定が奇想天外で面白いです。
まるで世にも奇妙な物語の作品のようです。
世にも奇妙な物語はオムニバス番組のため、一作品30分程度ですが、このドラマは10話程度あるでしょうから、長く楽しむことができます。

次に、脚本のアプローチが斬新です。
何気ない会話、ドラマのセリフとしては取り上げる程ではない瑣末なキャッチボールを細かく切り取っています。
さらに、その尺が長いのです。
「このカット、長いな。」と思ったとしても、不思議と苛立ちを感じません。
波打ち際を何気なく眺めるように飽きが来ないのです。

最後に伏線の妙です。
ブラッシュアップ、というだけあり、人生をやり直す訳ですが、初回の人生でピックアップしたとりとめのない会話や設定が生まれ変わった人生で見事に回収されていきます。
ここで、前述したワンカットの長さが活かされます。
見事です。

バカリズムはドラマや映画など脚本の分野でも益々活躍するでしょう。
ポスト三谷幸喜になれるか。(目指していないのかもしれませんが)
そんな期待をしながら、本ドラマを楽しみたいと思います。

今回は現在放送中のドラマ『ブラッシュアップライフ』を取り上げました。
観ていない方は是非チェックしてみて下さいね。

お忙しい中、最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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