いわゆる五十肩50代女性Yさん①
主訴:右肩動作痛、日常生活では結帯動作に一番不自由に感じる。
現病歴:2ヶ月前より肩痛
既往歴:L4/L5ヘルニア
所見:脈沈滑(尺弱)、右胸鎖乳突筋にこり、胃に冷え、脛骨外縁力なし、胃下垂、冷え気味、寝付きは悪い
治療:副腎処置(20分)、胃の気処置、(20分)、三陰交、陰陵泉、血海、解渓、内間、郄門、右肩透刺運動鍼
経過:治療後ROMup、Yさんも肩の軽さを感じる。
考察:脈は沈滑であり尺落である。長野式によると沈は「ホルモンの分泌、交感神経の機能低下、全体的な虚」、滑は「寸の滑が強い時は気管支に炎症、痰が出る。寸間尺全て滑の場合は胃腸の粘膜の炎症を表す。」と書いてある。また前浮後沈は「慢性腰痛を訴えるもの、足腰が冷えたり・重い・だるい・痛い等の自覚症状を訴える高齢女性に多い。変形性腰痛症や腰仙、及び仙腸関節の結合組織の硬化、骨盤内部の虚血状態、内臓下垂」、伏脈は「循環代謝機能が低下した状態とある。」これらを踏まえてYさんの所見では胃下垂、ヘルニア、胃の冷え、冷えぎみ、などの症状があることから更年期によるホルモン分泌の変化、胃下垂による虚血状態が疑える。それらを踏まえ、治療穴を選択した。
次回は骨盤虚血処置、扁桃処置、V字椎間処置、下垂処置を加えた治療を予定。