結合組織活性化処置とピコリナ

「各関節における硬化した緻密結合組織繊維に特に重点を置いて、その硬化を和らげ組織の持つ機能、すなわち栄養の貯蔵、運搬、細菌や毒素に対する防御及び修復機能を活性化することにある」(長野潔)

結合組織=腱、や靭帯

結合組織活性化処置には結合組織の活性化を図るものであり、もう一つ、腱紡錘の働きを調整する目的がある。


腱紡錘について:
筋と腱との接合部に存在し、筋の伸縮によって、腱紡錘は伸展され興奮する。この信号が脊椎に伝わり、運動組織を介して、筋肉・腱の働きが微調整される。筋紡錘は感覚神経繊維によって脊髄と繋がっており、筋力を発揮した張力の強さを検知する。この繊維は能動的に力を発揮して生じた筋力が変化した時、その変化があまり急激にならないように筋の張力をある程度一定に保つ機能を持っている。つまり、筋肉・腱の働きの過剰状態から平衡に保ち微調整の役割を果たす。

(1)腰仙関節部、椎間関節部、仙腸関節部、股関節部の痛み、緊張、強張り、ひきつれに対する処置

臨床的意義:
 臀部の筋肉の攣縮や緊張、絞扼を緩和し、特に大腿部の屈筋群の循環、代謝を促進しその活性化をもたらす。
 腰部においては脊柱起立筋、広背筋、腰方形筋等の過緊張を暖解し、さらに交感神経過緊張を制御し、副交感神経を賦活させる。従って、腰背部のみならず、肩、上下肢の運動器疾患、気管支狭窄、慢性気管支炎等の呼吸器疾患、胆肝痙攣、便秘、下痢、胃炎、胃潰瘍等の内臓疾患の治療の一環として作用する。


全身治療においてのピコリナ使用:
 現時点では全身治療、つまり気の治療、経絡的治療においてピコリナの出番はないかと考えていた。長野式の結合組織緩和処置においては使えるのではないかと考える。特に脊柱起立筋緩和処置、

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