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忘れられない記憶は忘れない


毎週日曜夜のバスケ帰りのドライブ。
FM802のラジオから流れてきたのは、
「リスナーからの相談」に答えるDJの声。

途中から聞いたので
詳細はわからないのだけれど、
恋愛か仕事か、
「忘れられない」ことに悩んでいたリスナー。

ラジオDJが悩みながら言った。

「忘れられないほどの経験をしたことを、
 忘れる必要は無いと僕は思う」

「きのうの晩飯も、辛かった過去でさえも、
 人間は忘れるように、できている」

「それなのに、忘れられないほど、
 脳に刻まれるほどの経験をした、
 ということ。それは大切なこと。」

「いいことであってもわるいことであっても。思い出したらいい、って簡単に言えないけど思い出しても、いいんじゃないかな」

「どう、帰結したらいいか、悩むんだけど」

といいながら、迷いながら答えていた。


「帰結しない」ってのがいいなと思った。

きっとリスナーも、結論を求めてないし、
帰結した解決策を欲しいわけではない。

ラジオネームを使い、電波を使い、
不特定多数に届くその声を、届けられたことで
救われたはず。

「帰結したがる」んですが、
世の中そう、明快な答えばかりがあるわけで
なくって、答えのない問いを考え続けることと
どこかの誰かが一緒に考えてくれるだけで、
救われる。

自分自身、忘れたい過去、忘れられない記憶、
忘れるたびに苦しくなることもたくさんある。

消しゴムも、修正ペンも、役に立たない。
別の何かで、上書き保存しようと、
別ファイルのデータを集めても、
音楽を聴いたり、遊んだり、本を読んでも、
名前をつけて保存されたままだ。


あ、でも、それってわたし。
わたしを構成しているメモリーなんだから、
わたしが大切に保存しておこう。

記憶を消すことは
自分の生きた証を消すこと。

それはいやだなって思った。

「忘れる」は、亡くす心と書く。
忘れたら、自尊心をも亡くすところだった。

「忙しい」も、心を亡くすと書く。
忙しくなると、
忘れちゃうのは記憶もあるんだけれど、
それでも、ときどきひょっこり顔を出す
忘れられない記憶は、亡くさないでいたい。

事実は消えないだけでなく、
その時の心まで失わなくていいな。

なんだか、帰結しえなくなってきました。


ずっと ずっと この言葉を
ずっと昔の僕の答えを今用意して

「忘れられないの」サカナクション

昔の忘れられない記憶をどうしたらいいか、
答えは、自分で持ってないんだけど、
「今」を更新し続けて、答えたらいい。

忘れなくていいよ。


今日もお読みいただきありがとうございます。

写真は、観覧車。
観覧車って、忘れられないの。



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