(3年目の記録)2023.7月
害虫駆除
7月初め、6月から降り続いていた雨が止みこの日を逃すまいと薬剤散布をする事にした。
がその前に、まずは直売所へ出品するために収穫。薬剤散布の前に、出来る限り実を収穫しておきたい。
収穫を終え、薬剤の準備に取り掛かる。今回使用したのは”フーモン”という他の薬剤の展着剤としても使用されるが、殺菌・殺虫作用もある薬。
アブラムシ・ハダニ・うどん粉病等の対策や予防にもいいとされる。
「薬剤を使用せずして野菜を作りたい」というのが、自分の根底にあり本音でもあるのだが、いかんせんまだ野菜作りの新人であり素人の域を出れていない。毎年何かしらの困難に遭遇し、考え悩み対処している。
そんな中、なるべく農薬を使用したくないと相談した初代担当者から教えてもらった”フーモン”
薬剤を使用しないに越した事はないが、農家さんも開発者の方々も色んな苦労を抱え、日々奮闘している。そんな様子を、少しでも知ってもらえたらと思うのでした。
通常薬剤を使用する際は、非常に緊張をする。
希釈濃度や取扱いへの注意・散布時の天候や服装等、、、使用頻度が限りなく少ない分不慣れな事もあり、慎重になり過ぎて準備に時間が掛かる。
その点”フーモン”は、自分にとって薬剤というよりも展着剤という要素が強く、気分的にも取扱いしやすかった。
だからと言って適当に準備や使用をしたわけではないが、その位使用しやすい薬剤だった。
効果は?
散布が終了し、後は経過観察。翌日には、また雨。
翌々日に確認した所、アブラムシの発生していた苗は駆除出来ていた様だが、違う苗に発生していた…
少々、散布が甘かったのか?すぐに雨が降ったからか?
そしてこの日、もう1つの薬剤”アーデント水和剤”の入荷の知らせがあった。受取後、今後どんな感じで薬剤を使用していくのが良いのか?相談の為前担当者へ連絡。(現担当者の連絡先を知らないため)
が、出らず。忙しいのかもしれないと思い、再度連絡はせず折返しを待つ事にした。
が、翌日になっても折返しはなかった。
今後の対応として、再度”フーモン”のみの使用が良いのか?アーデントにすべきか?はたまた、2種混合で散布すべきか??悩んだ。
梅雨という事もあり、晴れ間の日も少ない。フーモン1度の散布では駆除しきれておらず、収量も増えない現状。調べ考え悩んだ挙句、2種混合の散布を決断。
翌日の晴れ間を利用し、散布。効果があるといいが…と思ったが、その翌日はまた雨。
7月中旬の中頃まで雨が続いた。その為、薬剤散布の効果も薄く継続して散布をする事もできなかった。
そして、薬剤散布は諦めた。とにかく、害虫被害にあった葉や枝を取り除く対処。
7月下旬になり、ようやく晴れ間が続くようになったものの、湿度が高く害虫のみならず病気も増え始めた。
そこで、害虫被害の酷い苗を思い切ってバッサリ剪定。効果は薄いように感じたが、少しはましになった様子。
助かったのが、全苗被害に遭っているわけではなく発生した苗の周辺が酷い状態なので、これから先被害が拡大しない様に注意が必要という事だ。
本当は、梅雨が明けたこの頃から、再度薬剤散布をすれば良かったのかもしれないと今こそ思うが、この時は、自分の中では『薬剤を使用したくない』という気持ちの理由立てとして『もう使っても遅いだろう、効果も期待出来ないだろう』という勝手な結論に至っていた。
この考えは、甘かったですけどね(^-^;
ようやく出荷
7月中旬になり、害虫被害に悩まされながらもどうにか収量も増えてきたので、JAに出荷をする事にした。
昨年(2022)よりも遅く量も少ないが、栽培仲間や集荷場の方からも出荷がない事を心配されていたので、ようやく久々の出荷と顔合わせとなった。
色んな要因が重なり2023年は7月に入っても収量が増えず、JAへの出荷は出来ていなかった。というか、していなかった。別に少量でも買い取りはしてくれるが、買値が定まっておらず更には諸々の手数料も掛かる。
そう考えると、完売するか否かは置いておいても、買値が決まっている直売所へ出した方が良いと考えた。もちろん、JA同様に手数料は取られるが買値の事を考えると、その点では不安はない。
(※自分で売値を決める事の出来る直売所もあり)
自分が出し始めた所は、JAよりも買値は高い。栽培当初の2021年のJA買取額は、本当に悲惨だった。2022年も大して上がる事もなく、生産を辞めた方や辞めるという方が多いのも事実。真夏の厳しい中での作業と長時間労働に対する対価が全く見合っていない、そう思った。ただ、コロナ前はまだ良かったと聞いた。
それを期待し出し続けていたが、一瞬上がったかと思ったらすぐに下降。継続して高値で買い取られる事はなく、そんな2年間を過ごした。
期待は薄まり希望はあまり持てないものの、出してみないと買値は判明しないので2023年も出してみる事にした。
そして、収量が少ない時や余分が出た時は直売所へも併せて出品し、自分が栽培した野菜の売れ行きの反応も知る機会となった。
例年よりも出す回数はまだスローペースだが、何だか2023年が色んな意味で節目となりそうな気がしてならない。
今後
7月下旬に入り、知らない番号から着信。新担当者だった。
来週出荷説明会が開催されるとのこと。
前年も前々年も、出荷最盛期になる7月前の6月末までには開催されていたが、今年(2023)は1ヶ月遅い。昨年からの対応を鑑みると、忙しいというよりも何だか【ししとう生産者】は後回しないし力を入れる対象ではない、という様な感じに受け取れる。
確かに、他の部門と比べると生産者の多くが高齢だ。自分が初参加した2021年の時に同じく初参加だった同年代位(おそらく)の人は、翌年見掛けなかった気がする。そう、現在では同年代位の人はいない。まさに、高齢化だ。
何とも先行き不安な様子。
そして、当日。
生産者の参加人数は、自分を入れて4名。昨年は多かったが、今回はどうやら地域を分けて開催している様で人数が少ないみたいだ。にしても、間違いなく今年(2023)から辞めた人がいたのは事実。
新担当の紹介や部会長退任のあいさつ、例年通りの出荷に関する説明とその他質疑応答。資材費の高騰や買値の話、現販路以外の開拓等色んな意見・要望が出て話された。コロナ以降中止をしていた、他の生産者や他所の圃場見学についても今後実施予定と言っていたが、現在に至るまで、何の連絡もない。
ただ、実際は夏期の最盛期や年々暑さの増す中での見学は、現実的ではない。自分もそう意見した記憶があるし、見学はしたいが中々実行できないのも事実。皆、日々の作業でいっぱいいっぱいであり、個々で出荷日や作業日・時間帯もバラバラなので、難しいのかもしれない。
お話
そんなこんなで、7月末。
スタート時点から何かと問題を抱え、7月は害虫や病気に悩まされながらもどうにか出荷にこぎつけた。
どうも上手い具合に事が運ばずテンションがいまいちの日々を過ごしながら、時折集荷場の担当者さんと会話を交わす。
7月末、出荷した時にシシトウ栽培の今後について少し話した。
現状での生産者増加は難しいという内容に対して、二人で考えた。
作業の効率化や集約を図り、作業時間を短縮するためにはどうするか?どうしたらいいか?といった様な内容。
■種類の削減、サイズ・袋等の変更
・現3種の選別を2種にする(現M・L サイズを統一)
・現200g袋をシール化し、もう1種(ML統一分)作製
・現ML使用の入れ物廃止(どちらも高く、200g袋が安価)
種類を減らせば、選別の手間も作業時間も短縮できる。
袋のシール化で、新生産者がわざわざ高額な器械を購入しなくて済む。
(ただ、多少袋の単価は上がると思われる)
2種を統一し袋にする事で、これまでの資材費もおそらく半分程で済む。
似たような意見は説明会でも出たが、自分的にはこの時の二人での会話の方が何だか有意義に感じられた。
おそらく内容や思っていた事が具体化された事で、少し、ほんの少し、先に光が見えたのかもしれない。(この時は…)
そんな、不安だらけの月となった7月。
3年目ともなれば、少しは順調にいくかと思っていたが甘過ぎた。
毎年同じなんて事はないし、毎年違う。
土も、苗も、天気も、自分も。
理解している様で、出来ていなかった3年目。
少しは成長しろよ~、と自分に思いながら8月へ。
怖い、怖いよ。
酷暑と台風。
耐えれるだろうか? 苗も自分も。
そして、8月へ…
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