雑記 ソシオニクスのタイプを他者に判定してもらった話
元々モデルGの話を記事にしようと思ったのですが、自分で落とし込めきれず断念しました(笑)。
その間にモデルAのタイピングをしてもらったので、雑記としてまとめて記事に残すことにしました。
タイプを特定する際、当初From Over the Sea様に用意されていた質問リストへ回答⇒分析を試みました。
その結果は下記記事にまとめています。
上記ではベータNF(恐らくEIE?)と方向性までは絞れましたが、素人故にあまり自信はありませんでした。
その後きっかけがあってモデルGの診断を受けることとなり、続いて質問リストを有識者に分析してもらうことになりました。
●モデルAとモデルGの違い
「モデルA」はソシオニクス創始者のオーシュラ氏が構築した「情報代謝」のモデル。一般的な、よく知られたソシオニクスというとこっち。
From Over the Sea様に用意されている質問は「School of System Socionics」という学派を参考に作られたものです。こちらの学派は「機能の次元」を基にタイピングしていますが、サイトを見る限り使用しているのは「モデルA」のようです。
対してモデルGは、「School of Humanitarian Socionics」という学派の権威であるビクター・グレンコ氏が構築した「エネルギー代謝」のモデル。モデルAとは異なります。
上述の通り、モデルGはモデルAの補完が期待できるという立ち位置らしいです。
モデルAは監督関係(外向機能-内向機能が交互になる循環)を基にしており、エネルギー効率が良くないのではという見解に対し、
モデルGは要求関係(外向機能-内向機能が同じになる循環)を基にしているため効率のよいエネルギー代謝が可能になるとのこと。
別所では、「古典社会学(モデルA)は、情報代謝(IM)、つまり、人がどのように情報を知覚して処理し、決定を下し、処理された情報を提供するかに焦点を当てています。人道主義(モデルG)は、エネルギー代謝(EM)、つまり、人が何をするか、どのような行動に十分なエネルギーを持っているか、その人の行動に焦点を当てており、何を言っているかではありません。」とのこと。
モデルGを活かすためにモデルAに基づいたタイプもわかっていた方が良いじゃんと思ったため、質問リストへの回答を他者に見てもらおうと識者の方に依頼をしたところ、複数の方から回答を頂きました。
結果的に両モデルでのタイプが異なってしまいましたが、相違点も踏まえ自分なりにまとめていきます。
●「School of System Socionics」ベースでの診断結果
モデルAでの話ですが、厳密に言うと「機能の次元」ベースの診断となります。
(同じモデルAを用いていても、何でタイピングを行うかは学派によって異なります)
海外の有識者複数名に診断して頂きました。中には日本語を理解されている方もおり、具体的な評価を頂くことができました。
結果はEIE。
見て頂いた方全員がズバリEIEという判定をしたわけではなく、「EIEかIEI」と回答してくださった方もいらっしゃいました。中にはT(思考)の回答だけを見て「TeよりTiを重視している」といった声も(Tiを重視しているのはアルファとベータ)。
私の質問への回答は全文載せるととんでもないことになるので割愛しますが、機能ごとの次元や強い/弱い等の判定を一部要約して掲載します。
もし質問にこれから答えようとしている方、ある種のネタバレを食らいたくない方はご注意下さい。
Te:仕事の成果を確認する際は外部基準を信頼する⇒弱いTe。面倒さを感じる⇒Teを評価しない。
Ti:特定⇔一般の例を簡単に挙げられるものの、まとめたり分解できていない⇒Neが強い/Tiが弱い。
Se:無理な圧かけは好まないが、正当な試合などは好む⇒Seを評価する。圧かけの際に声色、態度で表現⇒Feを評価。
Si:快適さの創造に関心がなく、無力感があるためSiの問題を他人に委ねる⇒意識の領域、弱いSi。
Fe:時々によって感情を変化させ、内外の感情情報を容易に扱う⇒Feが強い。場合によっては4次元。
Fi:同情を示す際に、関係性ではなく感情に関する情報を重視したがる⇒Fiを無視している。
Ne:Fiより多くを述べ、数多の表現を駆使して簡単に説明が可能⇒FiよりNeが強く、NとFは同じブロック。4次元の回答あり。
Ni:Fe、Fi、Neを使用して饒舌に説明ができ、自身でその強さの認識ができる⇒Niは創造的で意識の領域。
総評としてはFeとNeが特に強かったとのこと。
途中まではIEIの可能性が高かったのに、Neの回答でそれが覆されたという意見もありました(IEIはNeよりFiの方が高次元です)。
またSiへの軽視は、極端な自意識過剰さや不安があるとの指摘も受けました。
結果的にタイプ自体は自己分析と合っていましたが、評価の仕方がやはり違うなと思いました。
指摘されたことに違和感も特になく、妥当な結果だなというのが正直な感想です。
●「School of Humanitarian Socionics」ベースでの診断結果
こちらはモデルGの話です。
School of Humanitarian Socionicsの申し込みページから診断の依頼が可能です。
本来は対面で診断を受けられるそうですが、非英語話者のためのサービスとしてメニューが用意されています。
サービスを受けるにあたっては、10分未満のスピーチ動画2本、動画の文字起こし、海外送金(ドル)が必要です。
サイト内から申し込みをすれば担当の方から詳細を送ってもらえます。
最終的に、診断結果と共に分析レポートを頂けます。
結果はILI。DCNHサブタイプはN(ノーマライザー)、H(ハーモナイザー)のどちらかあるいは両方。
(有料なのでどこまで言及して良いか分かりませんが)診断基準は口述(何を言っているか)と振る舞い、視線や表情などの非言語面(人が何をするか、どのような行動に十分なエネルギーを持っているか、その人の行動)のようです。
モデルAにおけるILIは、Ni-Teが「自我ブロック(その人の最も自然で一般的な心の状態と行動スタイル)」とされます。
対してモデルGのILIは、Ni-Tiが「社会使命ブロック(人が自信を持って社会で自己実現をするための最強のブロック)」となります。
何が言いたいかというと、モデルAのILIとモデルGのILIは違う、ということです。
モデルGの概要については下記をご参照下さい。説明が難しい。
感想としては「???」でした。
診断されるタイプに異論があるというよりは、判定理由に異論があるという感じ。
違和感を覚えて色々調べてみると、例えば「人事をやっている」と回答した人は「(希望したわけではないが)人事をやっている」のに対し「人事をやっているということは、人に興味があるのでF型」というような判定のされ方が多いようです(その判定を食らった人は納得いかないと言っていました)。
要は計約20分のスピーチでは得られる情報が限られてしまうので、お互いに誤解を招きやすいということ。
それ以外にも、下記のような意見や不満は散見されました。
・根拠が乏しい、或いは誤って受け取られている(追加質問をすると、簡単な回答とセミナーへの勧誘がある)
・判定されるタイプに偏りがある(EIE(F優位)かLSI(T優位)が最も多く、SEE(S優位)やILI(N優位)も多い。SLIが最もレア。これには社会での役割が関係しているため偏るのは仕方がないとの事)
・国や地方ごとの文化や表現に対応できていない(例えば日本人の場合は「愛想笑い、ジャパニーズスマイル」が誤解を招く可能性がある)
・同じ学派の人間によるタイピングでも結果が異なる(これは仕方ない。人間だもの)
また、DCNHは本来モデルGのみに適用されるサブタイプであり、ソシオタイプとは切り離して考えられるものです。
From Over the Sea様のソシオニクス診断でお馴染かもしれませんが、モデルAとは基本的にセットにならないようです。
モデルGの構造上、DCNHは自分で認識できる範囲とのこと。
DCNHは(主に8人以上の)集団の中での役割とされていますが、会社(部署)の人数がちょうどそのくらいなんですよね。
社内ではノーマライザーの役割をすることもあればハーモナイザーの役割をすることもあります。しかし、その面子であればクリエイターの役割をすることが最も多いのが現実なので、結局は「その場の人間」に左右されそうな感じはします。
●二つの結果を踏まえて
「モデルGを使用することで、モデルAの補完が期待できます」って紹介されてたけど…どうすりゃいいんだ(笑)。
モデルA(EIE)に対してモデルG(ILI)を適用するとしたら、モデルG(ILI)のエネルギー代謝を考慮するってことでしょうか。すべてがモデル通りに行く訳ではありませんが、機能の働き的には以下のような感じ?
・Ni、TiはモデルG(ILI)の「社会使命ブロック」でエネルギー消費が少なく、これを用いた自己実現が可能かもしれない。モデルA(EIE)ではどちらも尊重され、質問への回答も楽しかった機能でした。「School of System Socionics」ではサブタイプの概念がないそうですが、あえて考えるならNi、Tiが強く見えそうなので「活性サブタイプ(EIE-Ni)になりそう。
・Si、FiはモデルG(ILI)の「定期的にしなければならないものの、創造的な努力を必要としないタスクを解決するために訓練されている社会適応ブロック」。モデルA(EIE)ではどちらも控えめな機能となりますが、何となく親を見て「訓練」された感はあります(親に対してSi優位のイメージがあるので)。でも取り組みたくない。
・Se、TeはモデルG(ILI)の「創造的な自己実現ブロック」。SeはモデルA(EIE)にとって尊重する機能とされます。近距離で影響力を働かせれば自己実現が図れるってこと?
・Fe、NeはモデルG(ILI)の「インフレーションブロック」。時限爆弾のような、限度のある、多大な労力を割くブロックらしいのですがモデルA(EIE)ではどちらも4次元の機能。情報代謝力は高いけど、やりすぎるとめっちゃ疲れるから気を付けなはれや~ってこと?
両学派では機能の定義や符号の意味が異なるので、あくまでも想像です。
全ての類型論に言えることですが、タイプがどうのこうのよりもどう活用するかがカギになると思います。
とりあえず、自分のソシオタイプに関しては一旦落ち着きそうです。