世界史A No.13 国際連合

戦後構想の形成

なっしT:授業では軽くしかやらないけど、一応国際連合に触れておくよ。
わた:初めは今までやった内容が多くありますね。大西洋憲章とかヤルタ会談とか。
なっしT:そうだね。第二次世界大戦中から戦後構想を協議していた欧米諸国が中心となって、国際平和と安全の維持を目標に結成されました。まずは戦後構想の形成の過程を見ていきたいと思う。

わた:既習内容については自分が説明しますね。まずは大西洋会談。参加国はアメリカとイギリス。首脳はローズヴェルト大統領とチャーチル首相です。内容はなんといっても大西洋憲章ですよね。「民族自決や国際平和機構の再建、領土不拡大」の方針を定めたものです。
なっしT:その通り。この方針に合意した人々が「連合国」と言われ、大西洋憲章は国際連合を作る上での基礎になります。
わた:船上で行われた会議で、場所はニューファンドランド沖でした。
なっしT:次はダンバートン=オークス会議ですね。参加国は米ソ英中。この会議では、国際連合立ち上げの根本となる国際連合憲章の草案がまとまりました。
わた:1945年2月にはソ連の対日参戦が決定するヤルタ会談が開催されます。参加国は米英ソですね。No.12では国際連合の設立準備って書いていましたね。具体的には何をしたんですか?
なっしT:国際連合に加盟する国々での会議開催が提起されたんだ。それに基づいて開催されたのがサンフランシスコ会議だ!参加国は連合国50カ国。1945年6月に国際連合憲章が採択されて、8月に発効となり、10月に国際連合が発足する。
わた:第二次世界大戦中にこんなに話し合いが行われていたなんて驚きました…!
なっしT:ちなみに国際連合は英語でUnited Nationsだけど、これは連合国って意味もあるんだ。どういうことかわかる?
わた:戦後に発足したし、「連合国の集まり」とか「戦争での勝者の集まり」って感じですかね。
なっしT:そうだね!初めは戦勝国のみでの平和の実現を目指したのだろうね。

国際連合の目標と構成

わた:目標はさっき聞きましたね。「国際平和と安全の維持」でした。じゃあどのように実現していくのでしょうか。総会?安全保障理事会?聞いたことはあるけど違いがわかりません!
なっしT:まず本部が置かれたのはニューヨークです。国際連盟ではジュネーヴに置かれていたので違いに注意!
わた:総会ってのは全加盟国が参加なんですね。国際連盟では、全会一致を採っていて、議論が進まないっていう難点があったと思うのですが…
なっしT:国際連合では、一国一票の多数決が採られます。これが国際連合の特徴①。
わた:なるほど…でもそうなると現代においては途上国が多いから先進国にとっては不利じゃないですか?
なっしT:それを回避するために安全保障理事会の常任理事国(米・英・ソ・仏・中)は拒否権をもっている。1国でも承認しないと、決定することができない。大国の意見は一致しないと先に進めないという原則(大国一致の原則)がある。これが安全保障理事会の特徴②。
わた:なるほど。あとは平和への取り組みですね。国際連盟は軍隊をもっていなかったので、ドイツなどの動きを止めることができなかった。同じ歴史を繰り返すなんてことはないですよね?
なっしT:もちろんだよ。安全保障理事会との協定に基づいて加盟国は兵力を出すことができる。集団安全保障の理念に基づいている。これが特徴③。
わた:なるほどです。あとは位置付けが難しいですね。
なっしT:それは下の図を見れば大体わかると思う。よく聞くUNESCOやWHOは経済社会理事会の勧告によって専門機関の活動を調整することができるので、下に置かれていると考えていいと思う!

国際連合の組織図

わた:結局のところ、国際連盟との違いはどこにあるのでしょうか?
なっしT:たくさんあるとは思うけど、主に①米ソの参加、②多数決の議決方法(安全保障理事会の常任理事国は拒否権を持つ)、③経済制裁のみでなく、軍事的制裁を加える権限を持つ、ってところが挙げられるかな。