日本史003 弥生時代の文化と生活

わた:縄文時代の頃、世界はどんな動きをしていたんですかね。世界史にも少し興味があります。
なっしT:この頃の世界はいわゆる四大文明の時代と考えていいと思う。
わた:ピラミッド!モヘンジョ・ダロ!
なっしT:そうそう!その辺り。でも、今日からやる「弥生時代」は秦の始皇帝やローマなど、かなり馴染みのある世界史と同じ時代に突入する。
わた:焚書坑儒!三頭政治!
なっしT:詳しいなあ…!じゃあ日本史も頑張っていこう!


弥生文化の成立

わた:縄文時代から弥生時代の変化はどのようにして起きるんですか。
なっしT:それは外から新たな情報が入ってくるからだ。
わた:むむ!中国ですか?
なっしT:左様。弥生時代には「」や「」といった国家が成立したんだ。これらの国家の文化が日本列島にも影響を及ぼしたんだ。
わた:殷・周・秦・漢〜の「秦」と「漢」ですね!
なっしT:簡単にいうと、朝鮮半島南部から稲作・金属器の文化が九州に伝わった結果、弥生文化が成立したんだよね。

弥生文化の特徴

わた:だから弥生時代には稲作が行われたり、鉄器や青銅器などの金属器が使用されたりするんですね。
なっしT:そうだね。青銅器の銅剣・銅矛・銅戈の違いはわかる?
わた:知ってますよ!銅剣は突き刺して使うもの銅矛は槍のように使うもの銅戈は鎌のように使うものです!
なっしT:よく知ってるな〜。ちなみに武器として使われたほか、祭祀にも使われるようになります。


稲と鉄器

わた:九州で成立した弥生文化はどうなるんですか?
なっしT:もちろん西日本から東日本まで広まるよ。遺跡に注目すると、青森まで拡大していたことがわかる。
わた:なるほど。稲作は青森まで伝わっているんですね。ぶっちゃけ当時の稲作って、今と比べてどうなんですか?
なっしT:いい質問だね。当時の稲作は前期と中期末以降に分かれる。まず前期は低い湿地に水田を設けた。なんでだろうか?
わた:うーん。湿地ってぬかるんでるところですよね。ってことは農具がまだ発達していなかったからだ!
なっしT:ご名答。前期は木製の鋤や鍬で田を耕していたんだ。もちろん 脱穀用の臼や杵も木製だよ。
わた:収穫も木ですか?切れ味悪そう〜。

これは鉄製の鍬と鋤

なっしT:流石に稲刈りは石で作られたの石包丁だよ。ただ稲穂のみを刈り取る穂首刈りを行っていた。考えかたは色々あるけど、湿地で水が深く根元を刈るのが難しかったことや切れ味的に難しかったことが考えられるね。
わた:前期は結構いまと違いますね。栽培方法も水田に直接種をまいていく「直播」をしていたってのも前に見ました。
なっしT:中期以降は結構変わるよ。まず地面が乾いた状態になる「乾田」が開発されるよ。
わた:あれ乾いたところも耕せるようになったんですね。
なっしT:そう。鋤や鍬が鉄製になったんだ!
わた:それは素晴らしい。文化も発展しそうですね。
なっしT:建築物はもちろん竪穴住居高床倉庫。あとは弥生土器!土器にも種類が色々あるの知ってる?
わた:そうなんですか?確かにいろんな形のものを見たことがあります。
なっしT:それぞれ用途が違うわけよ。口が小さくなっているものが「」、用途は貯蔵用だよ。口が広いのが「」、用途は煮炊き用。底が広がって器状になっているのが「高坏」、用途は食物を盛るものだ。

弥生土器(甕もしくは壺)

わた:高坏は形が特殊なのでわかりやすいですね。
なっしT:入試でも頻出なので覚えておこう。
わた:結局、弥生土器ってどんな特徴があるんですか?
なっしT:まず縄文土器と比べると高温で焼くんだ。その結果、薄手でも壊れない強い!あとは火焔型土器とかより実用的だね。流石にあの形の土器よりは調理しやすいよね。
わた:じゃあ食べるものもだいぶ変化したんですか?ラーメンとかポテチとか…
なっしT:そんなわけ。結局、狩猟・採集・漁労の生活は変わってないよ。


戦争と国のはじまり

なっしT:じゃあ稲作は始まると困ることってなんだろう。
わた:うーん、田んぼは耕す必要がありますよね。正直大変ですよね。でも米が食べられれば生活は豊かになりますよね。正直に言います。自分で耕さずに田んぼが欲しいです。
なっしT:正直でよろしい。そう考えている人は当時少なくなかったんだ。そこで起きるのが、戦い戦争だ。

農家間の交渉や争いの原因

わた:ついに戦いが起こってしまうんですね…。負けた方はかなり生活が…。
なっしT:苦しいだろうね。捕虜にされてしまうかもしれないしね。戦争に加えて、貧富の差身分の区別も生じてしまうんだ。
わた:支配者が現れたり、食べ物がなくなって飢えてしまう人々も出てくる気がする…
なっしT:このようなことを防ぐために濠や土塁で固められた環濠集落が造られたり、剣や矛などの武器が造られたりする。
わた:それはあれですか。「副葬品からわかる」って言うんですよね。
なっしT:先に言わないでよ。このときは甕棺墓に埋葬され、中に多くの副葬品が残されたんだ。
わた:結局、副葬品って何なのですか。
なっしT:その人が埋葬されるときに一緒におさめられるものだよ。その人を象徴するものが多くおさめられるんだ。例えば、武人的性格が強いと剣や矛司祭者的な性格が強いと銅鐸や銅鏡などがおさめられた。
わた:馬に乗っていたら、馬蹄とか?

左から銅剣・銅鏡・馬蹄

なっしT:そうだね。またさまざまな国や大陸と関係をもった国のトップも出現する。要するに「」と「」の誕生だ!
わた:なんか昂りますね!!

「王」と「国」の成立