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麻痺側の参加を日常生活につなげていますか?


「麻痺側の参加を促す」

臨床場面ではよく聞く言葉のように思います。

皆さんはどのような形で「麻痺側の参加」を促していますか?


・立位・歩行時に麻痺側下肢へ荷重をかける
・食事の際に麻痺側上肢をテーブルの上に置く
・下肢装具をつける時に麻痺側の脚を動かす
・上衣を着る時に、麻痺側の腕を動かす
・非麻痺側の手で麻痺側の手を持ち、動かす

など様々な「麻痺側の参加」の方法がありますね。


ではどんな麻痺側の参加が望ましいでしょうか?


「麻痺側の参加」を大きく2つに分けて考えてみましょう。


麻痺側の参加の2つの種類

麻痺側の参加は大きく分けて2つ!!

アクティブ(能動的)パッシブ(受動的)な参加があります。


●アクティブな参加
麻痺側の随意的な運動を利用している状態。
上の例では、
・立位・歩行時に麻痺側下肢へ荷重をかける
・下肢装具をつける時に麻痺側の脚を動かす
・上衣を着る時に、麻痺側の腕を動かす
が当てはまります。(下肢荷重はかけ方によりますが…)

アクティブな参加のメリット:
・筋収縮を促す、筋萎縮の予防と改善
・本人の「麻痺側を使っている」という体験
・使っていく中で、本人がやりやすい方法や新たな問題(やりにくさや、もう少しここが使えたら…)に気づくことができる

アクティブな参加のデメリット:
・使う筋や部位など、使い方が間違ったままだとその方法で定着したり、痛みを出すことがある
・時間がかかりすぎる、かなり注意(意識)の集中を要する、感覚の低下があり本人の体感として分かりにくい、といった状況ではストレスになる

「アクティブ(能動的)」というと、良いことのように聞こえますが、努力性の高い方法や、連合反応や共同運動パターンといったターゲットとなる麻痺側の部位以外の過緊張が出現する方法では、二次的な筋の硬さや、分離運動の獲得を妨げることにつながります。


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