歩行分析が苦手な人のための歩行分析
若手セラピスト(特に理学療法士)さんのうち、99.5%の人が悩む(小松調べ)歩行分析。
学校ではもちろん習ったはずだけど、いざ目の前の患者さんの歩行分析をしようとすると…
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何見るの?
どこ見るの?
正常歩行のパターンから逸脱してるのは分かるけど、そこからどう介入につなげたら良いの?
などなど
歩行分析に関して悩みはつきません。
僕も今でも悩みます。
ただ沢山悩んだ中で、僕自身が歩行を見るために大切だと思うこと。限られた時間の中で歩行を観察するためのポイント、が見えてきました。
トピックになる部分を先出ししますと、
ICから始まる歩行周期の順番通りに歩行訓練を行うと、下肢機能の低下した患者さんの多くは失敗させてしまう可能性が高い
ということです。
お尻が引ける、膝の伸展ロック(反張膝)などが残存した立脚期での歩行パターンの獲得につながりやすいことにも原因があります。
今回は、過去にBRIDGEのセミナーでお伝えしている歩行に対する自分の考え方のスライド(+この記事用に新たなに作成したスライド)を大量に使いながら、
歩行分析が苦手な人が、少し歩行分析に自信をつけるきっかけになったら良いな、と思って書いていきます。
記事は今後もアップデートしていきます。
ちなみに、スライドで使用している骨や筋のモデルはnoteで購入できます!!ダウンロードしたデータは「使用条件の制限は基本なし、クレジット不要」にてご自由に使用可能です!!
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内容
ざっくりとした内容はこんな感じになります。
1.「歩行とは?」では、歩行って何だろう?基本的な歩行周期の各相って何だったっけ?的な復習的内容を。
2.「歩行の各相」では、各相における必要な要素や、その要素に問題があった場合に臨床的に観察される現象を。
3.「歩行観察のポイント」では、実際に歩行を見ていく際にどこを見ていくのか?何が大切なのか?と、実際の症例の画像を提示した歩行の解釈を。
それぞれ書いていこうと思います!!
基礎的なことを深く掘り下げたい時にはそうゆう時には元文献や本にあたってください!
本や文献コピペしても面白くないですし、あくまで小松の見解や経験をもとに書いていきます。
1.歩行とは?
歩行の定義(wikipedia先生による)
「歩行(ほこう)とは、足(脚)を持つ動物が行う、足による移動のうち、比較的低速のものを言う。急いで移動する場合は走ると言う。厳密に区別する場合は、すべての足が同時に地面から離れる瞬間を持たない動作」
とあります。
歩行:どちらかの脚が必ず着いている
走行:両脚が浮いている瞬間がある
というのが歩行と走行の違いとなります。
ADL(日常生活動作)の視点から考えると、
「両脚を使って目的とする所まで移動すること」
だと言えますね。
1−1 歩行周期の各相と相に分けて見る意義
歩行周期は、
「一側の脚が地面に着いて、振り出し、再び同じ脚が地面に着くまで」
のことを言います。上の図が1歩行周期を表しています。
歩行分析のまず第一歩は、
「歩行を各相に分けられること」
です!
相の分類は色々ありますが、僕は上記のランチョロスアミーゴのものを使っています。
なぜ各相に分けることが大事かというと、
各相にはそれぞれ意味がある
からです。
各相にはそれぞれ、果たすべき役割があります。
つまり、いずれかの相で正常から逸脱したパターンがある場合、
その相で必要な要素に問題がある
ことを示している、と言えます。
◾️歩行の問題の推察
ある相で逸脱したパターンがある場合、
以下の可能性も考慮する必要があります。
①その相で必要な要素に問題がある(前述)
②前の相に問題があり、二次的な影響が出ている
③次の相に問題や不安があり、次の相に備えた準備(例えば逃避的反応)をしている
④その相の対側下肢に問題があり、その影響が出ている
歩行は両脚での相の連続なので、上記のように前後の相や対側下肢の影響を受けることになります。
1-2 歩行周期の各相
●立脚期
IC:Initial Contact(初期接地)
足が着いた瞬間
LR:Loading Response(荷重応答期)
足が着いた瞬間〜対側下肢が床から離れる
MSt:Mid Stance(立脚中期)
対側下肢が床から離れる〜踵が床から離れる(前足部のみ接地している)
TSt:Terminal Stance(立脚終期)
踵が床から離れる〜対側下肢接地(対側のIC)
PSw:Pre-Swing(前遊脚期)
対側下肢接地〜つま先が床から離れる
●遊脚期
ISw:Initial Swing(遊脚初期)
つま先が床から離れる〜両下腿交差
MSw:Mid Swing(遊脚中期)
両下腿交差〜下腿が垂直になる
TSw:Terminal Swing(遊脚終期)
下腿が垂直になる〜足が接地(IC)
となります。
相は「ある瞬間からある瞬間までの間」となりますが、1つだけ例外がありますね。
ICです。
ICは足が地面に着いた瞬間のことです。
イメージとしてはLRのスタートがICってことになります。
まずは自分で歩いて、相の区切りを覚えましょう。
あとはテレビや広告などで歩く写真などを見て、
「これはMStだ!!」
と九九なみに自然に出るようになると良いですね!
ではクーーーイズ!!!
下のダンディーなおじさまの左右の脚はどの相でしょうか?
(目標時間:2秒)
どうですか?
分かりますか?
右脚:IC〜LR
左脚:PSw
ですね★
ではもう1問!!!左右の脚の相は何でしょうか?
答えすぐ見たらつまんないですよー
自分で考えることが大事です。
右脚:ISw
左脚:MSt
ですね★
慣れないと、すぐに相に分けられないよー、という方へ。
歩行の相をパパッと分ける裏技を教えてますね★
さらにこれらの相を見分けるだけではダメですよね。そこで逸脱があった場合に、どのような要素に問題が生じているのか?
そしてそれらの問題をどのような介入によって解決していくのか?
を考え、実践していくことが大切ですよね。
そのために考えないといけないこと、僕が大切だと思うことを基礎的な知識と自身の経験を交えて書いていきます。
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