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麻痺側を動かすためのスイッチを見つけるアイデア その1【非麻痺側との比較】

「(麻痺した)手や足が動くようになって欲しい」

多くの脳卒中後の当事者の方から聞く言葉です。

弛緩性麻痺で随意的な運動が困難な方はもちろん、見かけ上は比較的随意性のある方でも、目的の運動には不要な動きが出現したり、筋緊張が必要以上に高まることで病前のようなスムーズな動きは困難になります。


脳卒中後の運動麻痺や運動麻痺に対するアプローチに関しては様々な文献やブログなどで色々な人が分かりやすく書いてますので、そちらをご覧頂けたほうが勉強になります。


東京のSTROKE LABの金子さんも、たくさんの論文をまとめていますので、ご興味のある方はご覧くださいませー!


また僕のNOTEでも、脳卒中後の運動麻痺や麻痺の改善についての記事を書いていますので、ご興味のある方は読んでくださいませ!

世の中には様々なアプローチ方法がありますね。僕は特別何かの手技や理論に精通しているわけでもありません。自分なりに色んなセラピストさんや本、文献を読み漁り、そして目の前の患者・利用者さんとのやり取りやそこでの反応、発言やその後の経過などを見ながら、試行錯誤を続けています。


これを読んでいるセラピストさんも興味があったり好きな手技や理論もあるかもしれません。
どんな方法であれ、患者・利用者さんの抱える問題の解決につながり、患者・利用者さんの今後の生活がより良くなる方向へとつながるのであれば良いと思っています。


このマガジンのシリーズでは、
麻痺側を動かすためのスイッチを見つける

と題して、僕が脳卒中の方の運動麻痺に対して介入する場合に、意識していることや注意していることを書いていこうと思っています!


運動麻痺とは?臨床で見る現象から考える

過去記事↓

脳卒中リハを考える:運動麻痺・麻痺の改善・動作の自動化の視点から

にも書きましたが、


運動の発現には、

①運動の意図
②状況の認識(自己内外の情報収集〜知覚・認知)
③運動プログラムの生成
④筋への運動指令

の4つのプロセスを経て、筋収縮(筋緊張の変化)が起こり、関節を動かしたり、支持面に働きかけることで運動が起こります。


筋緊張の変化や感覚の低下があると、そもそも状況の認識(②)、この場合はまず
・自分の身体がどこにあるのか
・どこが支持面に接地しているのか
・どんな姿勢を取っているのか
・その姿勢を取るのにどこを使っているのか

が分からなくなってしまうことがあります。麻痺による筋緊張の変化や感覚・知覚情報の変化により、次の運動プログラムの生成のための情報も、病前とは異なる情報(手がかり)を活用せざるを得なくなります。
手や足がどこにあるのか分からなければ、それを使おうとは思えないですよね。


そこで今回のアイデアは、
非麻痺側との比較を使って、姿勢・運動のためのポイントを見つけよう!

です!


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