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長野県 殿大橋~関西電力木曽発電所につながるトラス橋(長野県大桑村)

 国道19号を木曽川沿いに下っていく際に、GoogleMapで眺めてみるとトラス橋があったので通ってみました。
 橋名板を見ると「木曽発電所 殿大橋」とあります。関西電力のマークも入っていますので、基本的には発電所への連絡橋ということでしょう。昭和41年に殿大橋、翌42年に木曽発電所が完成のようです。国道19号から橋の先にある地区までをつなぐルートでもあり、村道?でありつつも、関西電力が発電所建設で設置した橋が、今も村道して利用されているのでしょう。

橋名板

 さて、形式としては曲弦ワーレントラスで支間長が108.9m、昭和39年の鋼道路橋設計示方書とあります。橋名板は竣工以降に更新されているのかな。同じく関西電力のかかわった黒田橋では、写真のような状態です。

黒田橋の橋名板

 さて、こちらの橋は鉄骨橋梁年鑑 第6巻(1968)で紹介されています。橋格としてはTL-14とされつつも40tトレーラも含まれています。国立国会図書館のIDをお持ちの方は、ご参照ください。コンクリート床版厚もt=15cmと、今となっては心配になる厚さです。
 訪れた時には全体にさび色、実際には塗装が痛みつつある状態のように感じました。

 殿大橋の下流には大桑橋というトラス橋があったようです。2018年9月に流出(下記リンク先PDFの1-51ページ)したとのことで、新しい橋が架けられています。木曽川をまたいで地区つないでいる村道のようで、新しく大桑橋が架けなおされています。

https://committees.jsce.or.jp/eec216/system/files/03_報告書_第1編.pdf

 さて、殿大橋はリベット接合が使われています。φ22mmを7566本の使用とのこと。

下弦材と斜材
下弦材と斜材
橋門構周辺

 古い橋とはいえ、本橋では、各部材のTop-Web-Bottom PLは溶接構造となっています。木曽川をまたぐ他の橋梁では、フランジ~ウェブの接合がリベットとなっているものもありますが、昭和40年代に入ってI型断面や箱断面を溶接で接合する時代になっていたのでしょうね。

添接部のリベット
添接部とハンドホール

 添接部にはハンドホールが開いており、高力ボルト用よりも眺めかな?と思います。
 ハンドホールから入った水を抜くための水抜き孔はどこかにあるのかな?フタはされていません。写真としてはとらえきれていないので、もし再訪することがあれば確認します。

 拝見した資料のリンク先
 掛け替えられた大桑橋のパンフレット

http://www.vill.ookuwa.nagano.jp/data/open/cnt/3/19032/1/ookuwabashi_panfuretto.pdf

 殿大橋を見てすぐに大桑村を離れてしまいましたが、中山道の宿場もあり、また渓谷を楽しめる場所もありそうですね。

https://www.vill.okuwa.lg.jp/kanko/support/documents/support/2112kachiji0304p.pdf

 次に大桑村を訪れた際には、伊奈川橋を見学したいと思います。現在の伊奈川橋(旧中山道のアーチ)をGoogleMapで見ると、橋の途中に伸縮装置があるので、補剛桁が連続していないように見えるんですよ。