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技術士第二次試験の受験記 2/n 合格した年の受験申請~筆記試験
合格した年の受験申請~筆記試験
前年度の体調不良は仕方がないとして、翌年度には再度受験となりました。
受験の申請については、業務経歴にしても他の項目にしても前年度と同じでしたので、申請時の3~4月のドタバタ感はなく、穏やかに過ぎました。
キーワード学習などは振り返ればよいので焦りはないのですが、むしろモチベーションというか、危機感というか、試験に向けての緊張感が下がってきたのは事実です。
このあたりの解決は、無理に気持ちを変えるというよりは、実際に回答論文を書いてみるアウトプット型の時間をとることでOKでした。
試験会場は東京大学でした。
ここで受かりたいな、と思いながら、試験はそつなくこなせたように思います。
結果は、必須科目は20/30、選択科目はAAで合格できました。
選択科目Ⅲ の回答
選択科目の回答をご参考として。なお、以前の試験制度での回答ですので、現行制度での回答としては過不足があると思います。
受験時の問題は下記を選びました。
回答演習もしていましたが、実際の技術的な問題解決を行っていたことをそのまま書けました。
問題文
失敗学とは,起こってしまった失敗に対し,物理的・個人的な直接原因と背景的・組織的な根幹原因を究明する学問のことをいう。具体的には,客観的に失敗を分析し理解した上で,同じ誤りを繰り返さないようにするにはどうすれば良いかを考えることである。
あなたが製品開発における強度設計の責任者であったとして,次の設問に答えよ。
(1) 製品開発における失敗経験をもとに再発防止のためにとるべき対策について,多面的に述べよ。
(2) (1) で述べた対策のうち,製品を設定してあなたが最も重要と考えるものを1つ選び,製品開発における実務に生かすために有効な技術的提案を示せ。
(3) (2) の提案により生じ得る技術上と経営上のリスクについて説明し,その対処方法を述べよ。
回答の骨格としては、下記を設定しました。
対象技術をマスクする必要があるので、技術に関する名称は伏字的に表現しています。
(1) 失敗経験をもとに再発防止のためにとるべき対策
○〇製品開発例として取り上げる。
a)失敗経験
・大型化により構成要素が増加した。次に輸送のための軽量化が必要であったが、重量が過剰となり、分解輸送となった。
・地震時に(開発機器の精度の話)の許容量に対して大きくなった。
・それぞれの構成要素の影響により、○○○○の制御が複雑化した。
b)再発防止策
・専門分野横断のチームを編成する。
複数の技術を組み合わせた場合の相互の影響や相乗効果を設計および検証するための専門分野横断チームを編成する。
・構造系全体としての解析とレビュー実施
個々の要素技術を組み合わせた構造系全体としての解析とレビューを横断チームにより実施する。
・実験での挙動把握と設計値とのすり合わせ
実験によって挙動を把握し、数値解析などによって得られる設計値との比較を行い、必要な補正を行う。
・製作時に発生する公差(誤差)のすり合わせ
製作時に発生する誤差の累積による影響を構造全体として評価する。(2) 製品開発における実務に生かすための技術的提案
○〇製品の大型化開発を複数の企業で行った。
(1)で述べた対策のうち、構造系全体としての解析とレビューについて提案する。
・地震時の損傷非許容に向けた設計条件の改訂と、その条件下での個別構成要素の検証を実施する。
○〇が地震直後に稼働できることは、緊急時の○〇として機能できる。これを実現するために損傷を許容しない設計条件を設定し標準化する。また、全体系としての結果をもとに個別要素の評価も行う。
・通常時では○〇は○〇として設計する。実際には○〇を10倍程度としていることから、大型化にともない影響が実際の数値として顕著になる。全体解析によって相対的な影響をレビューし、個別の要素の設計に反映させるようにする。
以上のような提案によって、標準化された方法で影響評価を行うことができると考える。
(3) 提案による技術上と経営上のリスクと対処方法
(a) 技術的リスクと対処方法
・個別要素の開発のやり直し
全体設計からのフィードバックにより、個別要素の開発をやり直すリスクが発生する。これを避けるために挙動に対する○〇部材を配置したり、地震時の○〇機構を機能させたりして、影響度合いを緩和調整するようにすり合わせる。
・提示された仕様書に現れていない知見が必要となる
責任企業が情報開示を求め、FMEAによりリスクを抽出する。また、責任企業が利害を調整し、チーム編成や運営を行う。
(b) 経営的リスク
・品質保証の範囲、事故発生時の責任の所在、コストの負担が不明確になるリスク
対策としては、協議の方法を設定し、FMEAを行い、対処方法をあらかじめ定めておく。
また、事業化などの計画で品質保証やフィールドサービスについて明確にしておく。また、定期的な協議の場を設けるといった運営を行う。
・コスト負担の考え方が相違するリスク
FS(実現可能性調査)や事業化の計画段階で、コスト負担について明確にしておく。また、責任企業によって定期的な協議の場を設けるといった対処を行う。以上