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ブライダル業界人材の市況感(2024年7月11日配信)

※本記事は毎週配信しているメルマガ「ブライダル業界の"裏"知恵袋」の過去ログです。登録のこちらから(無料)。

おはようございます。ウェディングの民主化を実現したいアナロジーの市川です。

第244回目はテーマは「ブライダル業界人材の市況感」です。業界特化の人材領域がメイン事業なので最近の様子をつらつらと書いてみます。

(4751文字 / 約9分半で読めます)


人材の全体感

全体で見ると深刻な人材不足状態は脱してきていて、人員計画上の頭数は揃いつつある企業が増えてきているように思います。

この要因は以下の3点。

  • 新卒の大量採用(特に大手、2023年卒から)と戦力化

  • 退職スピードの低下

  • 結婚式需要減や業務効率化による業務絶対量の低下

このメルマガでもたびたび書いていますが、2022年の人がとにかくいねぇ…の時期と比較して、供給量が増え、生産性が上がり、需要が減ったので人材の需給バランスが整いました、と捉えるのが大枠ではよさそうです。

ただこれ、あくまで全体感の話であって世代別やエリア&会社別によって状況は様々でして、そこの解像度はもう少し高めたいところ。

●世代別の全体感

①新卒、若手:新卒~3年目くらい
直近2-3年の新卒採用数を大幅に増やしたのでこの層の人材はかなり充足。就活でのブライダル業界人気はまだ維持されている(増えてはいない)。

②中堅:3年目~7年目くらいの層
今後について悩む人が一番増える時期。コロナ期間を経ても残った人材なので今いる人はマインド的にも安定していることが多いものの、層としては薄い。

③ベテラン_7年目以降の管理職
話を聞いている限り、ここの人材不足は深刻。中途採用しようにも転職市場に人材がいない、社内から候補者を挙げようにも管理職になりたい人がいない、という状態。採用できるときはほぼリファラルの印象。

④フリーランス
フリープランナー/副業・複業をするプランナー経験者はかなり増えてきていて、個人プロデュースブランドの集客難易度はより高くなり、式場からの委託業務も"優秀な人材であれば"の注釈付きで検討されることが増えてきている。一番飽和していると思う。

⑤ベテラン_フリーランス
個人またはチームのプロデュースブランドで一定成功した人は、次のステージへと進もうとしていることが多い印象。そのパターンは大きく分けると(1)法人化&プロデュース規模拡大(2)教育(3)企業向けコンサル、この3つ。ただ絶対数としてはかなり少ない。

●エリア&会社別の全体感

①エリア別
都市部は新卒人気&フリープランナーへのアクセス手段の充実に伴い人材確保は満たされつつあるが、地方は安定確保まだ難しい印象。もちろん、人材の質を問わなければ採用できないこともないが(営業未経験&業界未経験者からの応募とかはある)、そうすると育成コストもかかり判断は慎重になりがちで結局埋まらない。

ただ、エリア内のマーケットの落ち込みが相当厳しいこともあり(ゼクシィレポートでコロナ前比で約50%とか)、計画上人員は不足しているが実態としては間に合ってしまう、ということも起こる。

②会社別
大手は新卒採用でリソース確保ができる中小企業は苦しそう。あと、傾向としては採用重視回帰の流れを感じていて

  • コロナ前はほぼ採用(=雇用契約)のみ

  • ~2022年くらいまでは人材不足が深刻過ぎて、とにかく経験者なら誰でもいいから手伝って状態

  • いろんなフリープランナーに来てもらったものの、当たりはずれが激しく成果もでなかった(ので印象悪い)

  • やっぱり社員がいいね!

こんな思考プロセスでそうなったんだろうなって気がしてます。

フリープランナーって誰でも名乗れるので、皆さんが思っている以上にいろんな人がいますからね。。この話はオフレコで飲みに行った時にでもしましょう。

***

ここまでがざっと全体感となりますが、これを踏まえてどう考えたらいいのかを従事者側/企業側からそれぞれ書いてみます。


従事者側のキャリア観点

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