春のやる気と冬のやる気
冬眠から目覚めて、一生懸命働いていました
毎週1投稿を目標にしたのに、気が付いたらもう前回の投稿から2週間経っていました…。サボっていたわけではないんですよ。むしろ、他事に一生懸命になりすぎてしました。
一昨年前に立ち上げた、『香艸茶(こうそうちゃ)』と名付けた東洋医学の思想をベースに製作したお茶のブランドを立ち上げました。それからというもの、美容鍼灸サロンとの二足草鞋が始まったのですが…これが意外と大変で(笑) 自分がやりたくて始めたことなのですが、本当に日々時間と労力との戦い。湧いてくるイメージのスピードと実践が伴っておらず、歯がゆい毎日を送っています。その歯痒さにさらに減速の歯車をかけるのが、冬という季節。毎年そのような調子なので、最近は冬に張り切って何かをするのは避けるようにしています。それに対して、春になると途端に加速の歯車がかかってきます。そういうわけで、最近は冬の間に溜め込んでいた(というか、やりたかったけど億劫で行動まで結び付かなかった)ことを……ぶち込んでやりすぎている最近です。
実は、これも東洋医学では筋の通ったお話なので、今回はそんなお話にしてみようと思います。
陰極まれば陽となる 陽極まれば陰となる
東洋医学には、陰陽転化(いんようてんか)という言葉があります。陰と陽は、どちらの性質も一方ばかりが青天井に強くなっていくわけではありません。一定のところまでボリュームが大きくなったら、そこから少しずつ反対の性質が強くなっていきます。この事象の代表的なものが、季節です。陰陽の分類では、陰は秋冬、陽は春夏に属します。陰から陽に転化する日は、春分の日。陽が極まる日は、夏至。陽から陰に転化する日は、秋分の日。陰が極まる日が、冬至です。何を基準に陰と陽を分類しているのかというと、いろいろと答えはあると思うのですが、かんたんにイメージしやすいのは日照時間でしょう。太陽の日照時間が陰陽分類に関与しており、ご想像の通りに太陽が出ているお昼の間は陽の時間、太陽が沈み月が出ている時間は陰の時間です。陽(ひ)のでている時間が夜の時間より長い時期を陽(よう)の季節、反対に夜の時間が長い時期を陰の季節と分類します。ちなみに、太陽は陽に分類され、月は陰に分類されます。
そういったわけで3月末の春分を迎え陰の季節が終わり、季節はようやく陽の季節に入りました。今年は3月に入ってからも寒い日が続いたので、ようやく待ちに待った春が来た!という感じですね。春分を過ぎたら、急に草木も若葉を芽吹きだし、気温だけでなく視覚的にも春を感じられるようになりました。太陽からも生物からも、エネルギーを感じられる季節です。
そんな春、あなたはお好きですか?
春は陽気が盛んになる季節
春といえば…で思いつくイメージといえば、日本では年度初めが4月に設定されているので、卒業や入学式、入社式など、新しい生活がスタートする時期でもあります。ワクワクや緊張が入り混じったこのドキドキ感は、陽の気の典型的な特徴です。季節や草木と同じく、人間も春分を境目に陽気が増します。私はようやく自分の気と季節が合った感じがして、気持ちが良い季節の到来を感じます。運動やお風呂に入らなくても血行が良い状態、服装も身軽になり、暖かい日差しや草木が元気に芽吹いているのを見ると、それだけで元気になれます。これは皆さんに共通な事だと思っていたのですが、サロンにいらっしゃるお客様に伺ってみると『冬のが好き』という方も少なくないのです。そして、その返答は体質によって異なるのだということに気付き、非常に面白いなと思いました。
(陰陽の体質については、下記記事をご参照のほど)
体質の陰陽と季節の陰陽のマッチング
例えば、私の場合は元々陰気よりも陽気の方が強い体質です。なので、陰陽のバランスを考えると陰の季節の冬の方がバランスがとりやすいイメージですが、意外とそうではないのです。冬は本当に嫌いです。自分の分析では、陽気の強い自分が陰気の強い冬に放り込まれると、そのギャップがあり過ぎて辛いのです。なので、自分の陽気が主張され過ぎない時期の方が、心地よく感じます。
逆に陰の気が強めの方は、真夏は苦手のようです。陰の気が強めということは冷え体質の方が多いので気温の高い夏を好みそうなイメージですが、最近の夏は猛暑どころか酷暑。陰の気が強い人は比較的体力がない人が多く、体に水は溜め込んでいるけど汗をかきずらく、もしくはかきすぎてしまい、いわゆる熱中症になりやすかったりします。
さらには、この陽が旺盛になってくる春先の時期も、苦手な人も多いのではないでしょうか。陰体質の人は、穏やかで落ち着いた環境を好みます。ですので、春先のワクワクドキドキを心地よく感じられないようです。逆に陽体質の人は、真冬のドキドキワクワク感が苦手だったりします。例を挙げると、クリスマスやお正月などのイベント。極陰の中の陽気に違和感を感じるからのでしょうか。
そういったわけで自分の本来の体質によって、活発になれる季節が異なります。私が冬のやる気よりも春先のやる気のが比にならないくらい満ち溢れているのは、こういった理由があるんです。この調子は知っているので、その中でも毎年、冬の効率を少しでも上げようと思ってはいるのですが…やはり体質には敵いませんね…。
春先は精神が不安定になりやすい時期
10人いれば10つの顔つきがあるように、10人いれば10種類の体質があります。ですので緑の美しいこの春でさえも、苦手な人もいるでしょう。花粉症の時期で苦手な方も多いでしょうが、この春先の典型的な不調の傾向として、精神的に不安定になる人も少なくないです。具体的な例としては、五月病。あまりよくない例ですが、春先に変質者が増えるのも挙げられます。実は、それは東洋医学的にもきちんと説明ができることなんです。
春は、五行では木、五臓六腑のうち肝に属す季節です。草木がぐんぐんと伸び上がっていく季節であり、私たち人間も同様に気がどんどん増していく季節です。東洋医学では、五臓の肝は精神活動を司る臓器とされています。春先はこの肝気が旺盛になる時期ですので、それがコントロールできなくなると躁鬱状態などの不調になってしまうのです。
春を乗り越える処方箋は、『土』と『肺』
そのような鬱々としやすいこの季節、うまく乗り切るキーワードは土と肺です。
土は、土いじり。ガーデニングが好きな方は、この時期に土いじりをする方が多いのではと思いますが、実は土を触ることは昇った気(肝気)を抑えてくれます。伸びあがる草木は土からエネルギーを得ています。上へのエネルギーを下(地面)へ戻してあげることで、循環させるイメージでしょうか。
土いじりが難しい人は、ピクニックなどで土の上に座ったり、寝転んだりしてみてください。都会はコンクリートジャングルなので、なかなか土に触れる機会が少ないです。さらには高層ビルやマンションなどで、そもそもの生活範囲が地面から離れていることがほとんど。以前、イライラしやすいと訴えていたお客様が、近所の公園にお子さんとピクニックに行って、レジャーシートの上に寝転んだら『ものすごく心が落ち着いた!』とおっしゃっていました。思いの外、すっきりするので試してみてください!
また、肺を使うこともおすすめです。ヨガなどの呼吸法を試してみたり、ジョギングなどがよいでしょう。五臓で肺は、肝のはたらきが暴走しないように抑制するはたらきがあります。有酸素運動などで肺を鍛えることで、肝の気が昇り過ぎないように抑えてくれます。また、運動そのものが気血の巡りをよくしてくれるので、さらに相乗効果ですね!
さいごに
さて、今回は私のやる気は季節に左右されている…というお題で執筆してみました。季節とやる気、東洋医学に当てはめてみると納得できる部分があるので、おもしろいです。そして、動けない時は怠けているのではなくて、『そういう体質だから』と理由があると、心も少し軽くなりますね。
みなさんは、どの季節が一番お好きですか?
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