3位 Elika Liftee, United States — 2021 World Brewers Cup
2021年10月、イタリアのミラノで開催されたワールドブリュワーズカップ(WBrC)において、3位に入賞したアメリカ代表Elika Lifteeさんのオープンサービスを紹介します。
プレゼン動画
World Coffee ChampionshipsのYoutube で視聴できます。
プレゼン概要
業界の前進のためには、イノベーションが必要だが、持続可能なものにするためには規則を守る必要がある。という内容のプレゼンテーションです。
使用コーヒー
PRODUCER : Rigoberto Hererra
COUNTRY : Colombia
TERROIR : Valle Del Cauca
FARM : Finca Las Margaritas
ALTITUDE : 1.570-1.850m
PROCESS : Natural
VARIETY : Eugenioides
Natural Process
コーヒーは最適な熟度で手摘みされ、まず、蓋の空いたタンクで20時間寝かせます。果実からグルコースやフルクトースなどの濃密な栄養素を種にもたらし、より甘みをカップに引き出します。次に、そのタンクを密閉して温度管理を行います。嫌気環境と低温で発酵させることで、トロピカルフルーツとフローラルなフレーバーの伝統的なゲイシャプロファイルに加え、複雑な赤いフルーツの香りをゆっくりと定着させます。また、ナチュラルの良い点は従来の方法よりも水の使用量が90%少なく、ロベルトのような生産者がその資源を節約し、彼の農場の長期的な健全性のために再分配することを可能にしています。
焙煎
500gずつStrong Hold S7で合計9分37秒かけて焙煎しています。熱風とハロゲンによって、複雑な風味をもたらす甘さとフルーツフレーバーを維持し、抽出の土台を築きます。
抽出方法
レシピ
Coffee:10g
Water : 160g
Water temperature : 99℃
0:00 - 0:06 30g
0:20 - 0:27 60g(+30g)
0:50 - 0:56 110g(+50g)
1:20 - 1:27 160g(+50g)
2:10 抽出完了
抽出理論
160mlの99℃のお湯を1対16の割合で注ぎ、23%の抽出率を目的とします。これによりバランスのとれたカップを得ることができます。
4投のうち、75%の水はMelo Dripを通過させ、残りの水はその淵に注ぎ、コーヒーベッドをお湯で充します。
最初の2投はガスを排出させ、酸と糖の抽出を促します。残りの2投は流量を増やすことで、複雑な酸と糖、そして芳香成分が抽出されます。
抽出器具
Kalita Wave Dripper
均一な抽出のために浅く、平らなコーヒーベッドを形成することができます。
Melo Drip
ケトルによる注ぎの力を弱めてドリップすることが可能です。
従来のケトルは抽出層を直接撹拌するため、微粉はペーパーフィルターを通してしまいます。微粉はフレーバーを曇らせてしまいます。Melo Dripを用いた場合、撹拌をコントロールでき、微粉の排出を抑え、フレーバーをより明確化します。
また、この粒度ではペーパーフィルターが詰まり、抽出時間が6分以上かかることもありましたが、Melo Dripはフレーバーの透明感を向上させ、2分での抽出を可能にしました。
粒度
エスプレッソ挽き 420μ
表面積を増やし、少ない粉量を使用することで水はより簡単に浸透し、コーヒーオイルや糖を抽出します。この粒度変更は甘さとコク、そして均一性を向上させました。
カッププロファイル
Aroma
Stewed strawberries, Vanilla, White flowers
Flavor
Hot : Strawberry, Cherry, Hibiscus tea, Cacao nib
Warm : Strawberry, Cherry, Hibiscus tea, Cacao nib, Guava, Sweet white flower(Honeysuckle)
Cold : Strawberry, Cherry, Hibiscus tea, Watermelon, Guava
Aftertaste
Long, Sweet
Hot : Red apple, Vanilla
Cold : Watermelon, Vanilla
Acidity
Medium high, Malic, Sweet and tart like red apples
Cold : Complex, Tartaric like pomegranate
Body
Medium weight, Silky, Soft, Juicy(Cold)
Balance
Medium high acidity, Medium body, High sweetness
感想
420μで抽出するという発想に驚かされました。
また粉量も10gもかなり少ない量で新しい工夫によって新たな味わいを探求する姿勢に感銘を受けました。気になる点が多々あるレシピでした。特に水も気になります。
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