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22位 Michael "Kaffebruder" Manhart, Austria — 2021 World Brewers Cup

2021年10月、イタリアのミラノで開催されたワールドブリュワーズカップ(WBrC)において、22位に入賞したオーストリア代表Michael "Kaffebruder" Manhartさんのオープンサービスを紹介します。

プレゼン動画

World Coffee ChampionshipsのYoutube で視聴できます。

プレゼン概要

Finca DeborahのNirvanaをオリジナルの抽出器具とカップで最大限に引き出し、共に楽しむといった内容のプレゼンテーションです。

使用コーヒー

  • PRODUCER : Jamison Savage

  • COUNTRY : Panama

  • TERROIR : Volcán, Chiriquí

  • FARM : Finca Deborah

  • ALTITUDE : 1900m

  • PROCESS : Natural Nitrogen Anaerobic

  • VARIETY : Geisha

Nirvana

熟したゲイシャ種のチェリーのみを収穫し、100時間タンクに入れ、嫌気性環境を維持するために窒素を繰り返し注入します。その後、ハウス内のアフリカンベッドに載せ、20日間かけてゆっくりと乾燥させます。乾燥を経て、コーヒーチェリーは温度が安定した倉庫に保管され、熟成されます。そして、サイズ、色、比重ごとに選別されたチェリーは、ロースターに出荷されます。甘みを帯びた酸味、フローラルな香り、そしてフルーティーなフレーバーを持つこのコーヒーは「ニルヴァーナ」と呼ばれています。これらの風味は、この繊細なプロセスに支えられて存在しています。

焙煎

焙煎時間は8分13秒、そのうち15%がディベロップタイムです。

抽出方法

レシピ

  • Coffee:16g

  • Water temperature : 94℃

  1. 0:00 - 0:05 50g

  2. 0:20 - 0:30 120g(+70g)

  3. 0:55 - 1:10 250g(+130g)

  4. - 2:00 抽出完了

抽出理論

1投目は円を描くように注ぎ、コーヒー全体を濡らして焙煎時に発生したCO2を放出させます。
2投目はコーヒーベッドのすぐ近くから円を描くように優しく注ぎ、表面を攪拌することでニルヴァーナの甘みと酸味を引き出します。
3投目は上からの注湯で撹拌し循環させ、最後はセンターに注いでミディアムからライトボディのコーヒーに仕上げます。

TDSは150ミリグラム。マグネシウム、カルシウム、ナトリウムがニルヴァーナの素晴らしい味を引き出し、低アルカリ性の水はこのコーヒーの酸をサポートします。

抽出器具

セラミックを使用します。理由は、その熱安定性にあります。抽出開始からわずか5秒で、フィルターベッドの底で測定した温度は最終的な抽出温度に達し、抽出の間も下がりません。これによりスイートなカッププロファイルになります。
また、ドリッパーも自作しています。底面の開口部を少し広くすることで、同じグラインドプロファイルを使用しても抽出時間が早くなり、クリアなカッププロファイルを可能にします。

粒度

抽出時間を短くするために挽き目は粗めです。

カッププロファイル

Aroma

Brown sugar, Stone fruit, Peach, Vanilla

Flavor

Hot : Brown sugar, Stone fruit, Peach, Spicy, Vanilla
Warm
: Brown sugar, Stone fruit, Peach, Ripe pink grapefruit, Floral, Jasmine
Cold : Brown sugar, Stone fruit, Peach, Ripe pink grapefruit, 80% chocolate

Aftertaste

Long lasting, Ripe pink grapefruit, Brown sugar

Acidity

Clear round citric acidity, Medium high intensity, High quality

Body

Medium smooth, Light juicy

Overall

Balanced cup

感想

Nirvanaは2020年と2021年のものを飲んだことがありますが、発酵系のフレーバーが強い印象のロットでパイナップルのような明るい酸があるコーヒーでした。発酵フレーバーのコーヒーを使用した今回の抽出も粗めかつ高い抽出効率で短時間で仕上げるというトレンドに沿った抽出だと感じました。

オリジナルの器具やカップで出場する競技者は3Dプリンターの登場で今後はさらに増えそうですね。

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