1位 Matt Winton, Switzerland — 2021 World Brewers Cup
2021年10月、イタリアのミラノで開催されたワールドブリュワーズカップ(WBrC)において、1位に入賞したスイス代表Matt Wintonさんのオープンサービスを紹介します。
プレゼン動画
World Coffee ChampionshipsのYoutube で視聴できます。
プレゼン概要
コーヒーに対するアプローチの再考は農園から始まります。そしてEugenioidesと出会い、そのポテンシャルを活かし、バランスを取るためブレンドに辿り着きました。そして、人それぞれ味や香りの感じ方は違うが、体験を共有するためには実験や学習が必要不可欠であるといった内容のプレゼンテーションです。
使用コーヒー(60%)
PRODUCER : Julian Holguin
COUNTRY : Colombia
TERROIR : Valle Del Cauca
FARM : Finca Inmaculada
ALTITUDE : 2,000m
PROCESS : Natural
VARIETY : Eugenioides
使用コーヒー(40%)
PRODUCER : Fabricoi Coronel
COUNTRY : Ecuador
TERROIR : Loja
FARM : Hacienda La Florida
ALTITUDE : 1,500m
PROCESS : Washed
VARIETY : Catucai
焙煎
2つのコーヒーは別々に4日前、熱風式焙煎機で同じプロファイルで焙煎しました。これにより、均一で調和のとれたコーヒーにすることができます。
抽出方法
レシピ
Coffee:20g
Water : 300g
Water temperature : 93℃, 88℃
0:00 - 0:06 50g
0:35 - 0:41 120g(+70g)
1:05 - 1:11 180g(+60g)
1:35 - 1:41 240g(+60g)
2:05 - 2:11 300g(+60g)
2:40 抽出完了
抽出理論
5投に分けて注湯を行います。それぞれの注湯はベッドが空になってきたタイミングです。そうすることで、より粗く挽くことができ、ブレンドのコーヒーをより均一に抽出することができます。
抽出器具
Hario V60 Metal Dripper
この形状と素材がローズのようなフレーバーを明確にしてくれています。
水
このコーヒーは水においてかなりユニークなアプローチを必要とします。そして、最も鮮やかなカップにするためには、均等にマグネシウムとカルシウムのバランスをとる必要があることを発見しました。
1つ目のケトルは93度(1,2,3投目)、2つ目のケトルは88度(4,5投目)に設定しています。そうすることで、ホットの段階でよりジューシーなボディをもたらすことができます。
飲み方
冷めるまで3回ほど、液体を口に含み、数秒口の中で動かしてください。そして、そのたびに3つの異なることを考えてください。1回目は、Catucaiのことを考えてください。鮮やかな酸味、柔らかい花や植物、特にジャスミンの香りについて。2回目は、Eugenioidesを思い浮かべてください。重厚でリッチなシロップのような風味と、グァバ、特にピンクグァバのシロップ、ネクターのような風味を。最後に、2つのコーヒーがホットからコールドに至るまで境界なくに統合され、調和しているこのブレンドについて考えてください。
カッププロファイル
Aroma
Rose, Strawberry
Flavor
Hot : Rose, Fresh and candied strawberry
Warm : Soft raspberry candy, Tinned pineapple
Cold : Pink guava nectar, Jasmine
Aftertaste
Hot : Sparkling, Rose champagne,
Warm, Cold : Mandarin
Acidity
Vibrant, Lively, Tartaric, Hint of citric
Body
Juicy
Hot : Lactic quarity
Warm : Rich, Syrupy
感想
Eugenioidesを使用したブレンドのコーヒーです。EcuadorのHacienda La FloridaはEcuadorの品評会でも入賞常連の農園で初開催された去年のCOEでも入賞していました。
使用した豆はもちろんですが、カップやテイスティングの仕方が印象的でした。視覚やイメージによる味わいへの影響を活かした方法だと感じました。
抽出理論的には一投一投、均一な抽出を行いその液体の集合体としてのカップといったイメージでしょうか。ブレンドによるブレも抑えることができるのかと思いました。
プレゼンでは述べられていない工夫が数多くありそうな抽出でした。とにかくEugenioidesが飲みたい。
自分も日々、検証と学習を行い、より良いカップを追求していきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?