5歳夏の記録
5歳4ヶ月の長女は今日、生まれて初めて顔を水面につけることができた。
私はその瞬間を一番に、間近に見ることができた。
やるよ!と意気込んでトライしたわけではない。その日お風呂の湯船をため、浴槽の外側からぼやあっとなんとなく見てたら(うちはユニットバス)、「おやおやおや、顔ついてる?」といった程度に顔面全体が水面についているのを目撃した。
たぶん5歳にもなって顔を水につけれないのは、遅い方だと思う。
水が得意な子は2歳代くらいでシャワーの水が顔に当たっても平気だし、上の子がいるのであれば尚更早いうちから水への抵抗はないだろう。
怖がりだけど強がり、繊細でこだわり屋の娘は昔から水が得意でなく、もうずっと3−4歳くらいまでお風呂の時間は格闘だった。
シャワーのしぶきがひと筋でも顔に付くものなら叫び、「入らない!」といっては泣き、文字通り本当に手を焼いた。
そんな娘が、今しがた顔を水につけた。
これは母にとって歴史的1ページなのだ。
顔をつけれるようになったのには実はきっかけがある。
夏休み第二週目、近所でやっているスイミングスクールに行かせた。「顔に水がつけれるようになれば大成功だな」と思っていたが本当にそれが果たされると、プールに行かせてよかったと心から思った。
水への恐怖心がなくなり、水と友達になったよ!と自信がついたようだった。
娘は風呂で顔を水につけることができると(しかも鼻をつままずに)、「できるようになった…」「楽しい!」の連発で自分自身でも驚き、喜びと感動で目がイキイキと輝いていた。
上がってからも、洗面台で顔を洗い出す。
「じつははるちゃん、朝かおちゃんとあらえてなかったんだよ〜」「こうやって目に水をつけれなかったの」
うん、知ってるよ。と笑ってこたえ、ばればれのカミングアウトをしながらできるようになった洗顔を楽しんでいる。
ちょっぴり泣きそうになった。
日々トライアンドエラーをして過ごしている娘の健気さと成長に。
全5日の短期間プール教室では初日からゴーグルをつけているというのに、鼻をつまみながら顔半分だけ水につけた。
3日は鼻をつまむことなく、そして4日目になるとついに目まで(プールの中見えた!と感激していた)、最終日はほぼ同じだったがビートバンを使って少し前に進めるようになっていた。
他の子は頭まですっぽりと水につけていたし、比べるとだいぶビギナーコースの中でも遅れをとっていたが、彼女なりにスモールステップを着々とつみ、彼女自身も変に他と比べることなく「今日はこれできるようになった!」と毎回のワンアップを喜んでおり、単純に水の中を楽しんでいた。
その慎重さと肯定感、ポジティブささえも尊い。(親バカ)
普段学校で先生から学び、友達と過ごす時間はもちろんすごく大事だけれど、私はこうやって長期の休みに一緒に過ごす時間があるのも大切だと思っている。
大きくなるにつれ、過ごす時間はぐっと少なくなるかもしれないけれど、普段とは違うリズムでいつもと違うことを体験できるのは夏休みの醍醐味だ。
特にイギリスではホリデークラブと銘打って、子供の伸ばしたい分野や得意なアクティビティコースに参加させることが多く、ただ単に預かるだけじゃなくて能動的に楽しく動ける環境を提供してくれる場所が多くあると感じる。
日本の夏休みはまだあまり分からないけれど、いつだって子供の得意や好きをみて、楽しめる環境を提供できる親でいたい。
生意気盛りの5歳、だけど想像力が豊かで素直な5歳。やりたいことに率直な彼女は、今とてもかわいい。
夏休みに入る前は「夏休み長いな〜」「どう過ごそうかな〜」と頭を悩ますのだけど、今のところ大変より楽しいが優っている。
夏休みはまだあと半分以上。
たのしいとやりたいを胸にに、残りの日々も過ごしていこうと思う。
※
公開した今日はもう夏休みも終盤。
プールをはじめ、お友達とたくさん遊ぶことができたし、あやとりやなわとび、かるた遊びにおりがみ。去年よりずっと遊びの幅が広がって成長もたくさん感じれた。
イヤイヤ期の次女が出先で発動した日「ママって大変だね」って同情らしき言葉が生まれたことも印象的。
いつも新しい発見と喜びを、ありがとう。
きみのはじめてをいつも1番に見れるのが私で嬉しい。そんな5歳夏の記録。