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ぽたじゅうとラーメンのこと

朝ラーメンを食べにいった。出発は6時半。目指すは藤枝市の朝ラー有名店「◯元」だ。到着。駐車場が空いていて拍子抜けだった。外から見える店内に客は一人。扉を開けると、大将が片付け作業をしていた。「すみません、もうスープなくなっちゃったんで…」とのこと。

放り出されて7時。早起き損とはならずにすぐ別の店を探せるのが、朝ラー文化の街・藤枝だ。少し移動して「麺屋花枇」に行った。続けてドライブがてら西部方面へと向かう。掛川市のメガドンキとブックオフを見た。

その後は下道で戻りながら「ぽたじゅう」に寄った。「ぽたじゅう」は静岡のローカルファストフード店。団子を持ったタコのような、天狗のようなキャラクターが目印だ。小さな建物と赤を基調とした三角屋根がポップ。チープな雰囲気が、なぜか夏空によく合う。

マスコットキャラクターと三角屋根が目印

ぽたじゅうにはたこ焼き、ハンバーガー、ホットドッグから、シェイク、かき氷まで、ファストフードで思いつくものはだいたい揃っている。しかも安い。近年の値上げの波にはさすがに逆らえないが、それでも十分に安いと思える値段で営業を続けている。

食品サンプル。わくわくする

肝心の味はというと…オイシイ。が、その美味しさはいたって普通の美味しさだと思う。デパートのフードコート、サービスエリアのお店のような味。だがそれがいい。

昔は自宅からそう遠くない場所にぽたじゅうがあり、たこ焼きやアイスクリームを食べた記憶がある。その店舗はいつの間にか潰れており、自分で車を運転するようになってからぽたじゅうがチェーン店であることを知った。

自分の住む町にしかないと思っていたお店が、実はチェーン店だったことはよくある。気になって調べて発覚することもあれば、出先でたまたま別店舗を見かけてというパターンがほとんどだ。絶滅したと思っていた生物を他の地域で発見した気持ち、といったら大げさだろうか。


むかし近所にあった「ラーメンとん太」は、たびたび家族で訪れた思い出の店だ(現在は別の建物が建ち、当時の面影は残っていない)。味はよく覚えていないが、特別おいしくもまずくもない普通のラーメンだった気がする。

味よりも強く印象に残っているのは、各テーブルに置かれた小さな球体状の星座占いマシーンだ。注文を待つ間、それをいじりはするものの実際に使ったことはなかった。飲食店なのに、醤油やこしょうと並んで占いマシーンがある面白い店だと思っていた。

参照:ルーレット式おみくじ器

後年、星座占いマシーンは昭和の遺物として、喫茶店などによく置かれていたということを知った。正式名称は「ルーレット式おみくじ器」。あの不思議なマシーンは、とん太が独自に置いていたものではなかったのだ。そして「ラーメンとん太」もまた、チェーン店として現在も営業していることを知った。他店舗でもとん太には星座占いマシーンが置いてあるのだろうか。機会があれば食べにいきたいと思う。

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