【短編】ちょっぴりドジだけど、心優しい吸血鬼少女の恋物語
かくしごと
私はいま、人生最大のピンチを迎えている。
彼に私の正体
〈吸血鬼であること〉
がバレそうなのだ。
天体観測が趣味の彼とは、
夜、一人で〈食料〉を探し歩いていたときに出会った。
彼の何かに惹かれたのか……
幾度かの逢瀬の末、付き合うことになった。
ヒトと付き合うのは別に珍しいことじゃない。
私だって吸血鬼のお母さんとヒトとの間に産まれた。
吸血鬼は世間で言われているような、
血を吸った相手が吸血鬼になったり、死んだりすることはない。
吸血鬼は遺伝だ。
子