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【インタビュー】リアム・ギャラガー:虐待癖のある父、マンチェスターと音楽 和訳

“Liam Gallagher: Abusive Dad, Manchester and Music”
「リアムギャラガー:虐待癖のある父、マンチェスターと音楽」

2018/02/14にYouTubeでアップされたオーストラリアの公共放送SBSのインタビューを和訳してみました。
字幕があるから、これならなんとか~!って。
(ざっくりになったところもあるので、気になるところがあったら教えてください。)

ソロ活動としてのファーストアルバム「AS YOU WERE」が出された時のインタビューです。

リアム氏も話していましたが、虐待を実際に受けるのでなく見たり聞いたりするだけでも脳に影響があるということが研究でわかってきています。
虐待的なことを聴くことで脳の聴覚野に、見ることで視覚野に影響が出るのです。

ただ、脳には可塑性があり、回復していきます。
生活やセラピー、カウンセリングの中で、回復されることをお祈りしております。

このインタビューの和訳が、誰かの助けになればと思います。

<動画冒頭>
Liam:ロックンロールは、弱ったハートのためのものじゃないんだ。言っている意味わかるかい?
真剣なビジネスなんだ。

<イントロダクション>
彼は、歌い、ずたずたになり、兄を憎んでいる…
そんなリアム・ギャラガーに、大きな転機が来た。

かつては、オアシスのリードシンガー。
オアシスは、解散し、袋小路に入り、サイドプロジェクトになった。
彼のキャリアは、困難なものになったように見えた。

しかし、彼のニューアルバム「AS YOU WERE」は、プラチナアルバムになり、たくさんの賞にノミネートされた。
そして、新しいファンが世界中で生まれたのだ。

そこで、私たちは、彼に虐待のあった親のこと、マンチェスターのこと、音楽のことについて話してもらいました。


Q:リアム、マーク(MARC FENNELL)です。

Liam:お会いできてうれしいです。

Q:お会いできてうれしいです。時間を割いてくださり、ありがとうございます。

これまであった、ばかばかしい質問は、どんなことでしたか?

Liam:えーと、ばかばかしい質問?
そうだなあ。オアシスのこと、また一緒にやらないの? みたいなことかな。
それに関しちゃ、俺にできることはないんだ。俺に打つ手はない。
それは、ノエルの手の中にある。彼が動かないボールなんだよ。
人は、俺が動かないんだと思っているかもしれないけどね。言っている意味、わかるかい?
ほんと俺が止めてるんじゃないんだよ。

Q:では、決め手がすべて彼(ノエル)のコートにあるとして…

Liam:もう、まったく彼のほうにあるんだ。

Q:どうして、彼は動かないのでしょう。

Liam:それについては、ひとつに、俺は彼が(オアシスの)曲を演奏しようという態勢だと思わないからだ。
俺は、彼が(今)ロックンロールだとは思えないんだ。
彼は違ったタイプのアーティストになりたがっているんだと思う。言ってる意味わかるかい?
これは明確なことなんだ。彼は俺に対してなんの負い目(責任)も持っていない。
俺も彼に対して負い目はない。彼は、ファンについても負い目はない。
そんな風に思わない? そんな風に思わないかい? 言ってる意味わかる?

Q:あなたが彼の理由を本当に理解しているように聞こえていますよ。

Liam:俺はわかっているんだ。わかっている。でも、彼がプレスに言った理由は(別で)

もう俺とはやっていけないって。

なぜなら俺がいかれ頭だからって。もちろん、俺はそうじゃないよ。
彼のほうがいかれ頭だよ。俺の言ってることわかるかい?
「リアムは、これ以上できない。俺が証明してやる。自分だけでできるんだ」ってな。

彼はすべての注目を浴びるのが好きなんだ。でも、彼が俺の隣に立つと彼は壁の花のようになってしまう。

Q:それは、複雑でダイナミックなことだね。

Liam:すごく複雑だよ。
俺は、(注目なんて)だれからも望まないよ。でも注目されるのってうれしいことだよね。

Q:良いロックスターでいるには、少し怒りを持ち続けなければいけないですか?
その要素はありますか?

Liam:そうだね。怒りがどこから来るかわからないけど。
そうだなあ。俺の父親は、ちょっといかれた野郎だった。

Q:彼は、けっこう虐待的であったんじゃないですか?

Liam:ああ、ひどいもんだった。でも、もう乗り越えたよ。

つまり、それは俺が8歳か9歳の時のことであり、俺はもう45歳だということなんだ。

つまり、そのことは、もう乗り越えていることなんだよ。

Q:あなたの兄弟達はあなたよりも少し年上ですね。だから彼らは暴力の矢面に立っていたわけですね?

Liam: ええ、彼らは私よりずっと年上だった。

Q:そうだとしたら、あなたと彼らが受けた影響の違いについて、どう思いますか?

なぜなら、彼らがその暴力を受けていたとき、あなたはそれの最後のほうだったでしょうから…。

Liam: 自分は、ひどい目に合わなかった。
しかし、家族の中で何が恐ろしいことが起こっていたかを聞いていた。
虐待を見るのことは、実際にそれを受けるのと同じくらい悪いことなんだ。
あなたは何を言ってるのかわかるかい?

Q:どういったことでしょうか?

Liam:そうだな。虐待を見ているとしたら、言っている意味わかるかい?
虐待は他の誰かに行われているとしたら、そして明らかにそれはその人にとってひどいことだ。
しかし、それを見るのは同じように狂おしいことであり、精神的にショックを与える。
肉体的に傷を負っていないにもかかわらず、実際に受けたのと同様に悪い影響が起こり得るんだ。

そう。それは、成長過程のいやな出来事だった。
しかし、真実が傷つくことはない。

Q:あなたは、今、親になっていますね。

Liam:子どもたちは、俺の言葉を聞かないんだよ。
俺が言っていることに根拠がなければね!?

Q:聞かせてください。

Liam: そんなふうにしちゃいけない。女の子をそんないかれ頭がやるみたいに扱ってはいけないよ。

(子どもたち)“Well you can’t talk.(えー。あなたはそんなこと言えないでしょ?)“

ドラッグをやってはいけません。

(子どもたち)“そんなこと言えないでしょ?“

そんなやつと喧嘩してはいけません。
(子どもたち)“そんなこと言えないでしょ?“

(子どもたち)“そんなこと言えないでしょ!
僕は(お父さんと)同じようにうまくやってるんだから“

Q:では、そんなとき、どうするの?
あなたが自分自身でも行ってきた、それらのことを伝えるには。

Liam:やっていたけど、もうやってないよって。

Q:それで解決するの?

Liam:いや、いや、どうだろうね。俺はかなり多くのことをやってきたから。
俺はカラフルな人生を送ってきたからね。それは良いものだと思っているよ。
だから、君は俺のことを振り返っていうけど、くだらないことをするようなときは、来なさい、一言あるって。

Q:それでなんて言ったんですか?

Liam:なんて言っていいかわからないね。もう見ろというしかない。
「それを常識的な態度と思うか?」

Q:過去のことから何を受け取り、なにを清算したと思いますか?
いろんな暴行事件のことなんですが、たしか、あなたが航空会社た利用を禁止されましたね。ほか二つとか。

Liam:そのときは、その暴行が正しいと思ったんだ。でも、法律的にはそうではない。
やつらは俺の顔にカメラを向けた。それで、俺は彼にそうしないように言ったんだ。
あなたも知っているように、それはプライベートな場だった。

そして俺は彼に言った。「カメラをこちらに向けるな」
そう言ったが、彼は続けた。

彼は酒を飲んでした。そして、自分も飲んでいた。
それで、そういうふうになったんだ。

あなたも俺も知っているように、それは法で許されていない。イギリスでもオーストラリアでも。
しかし俺は自分の権利だと思った。それで、また繰り返した。

Q:あなたは、2017年のマンチェスターでの「the One Love concert」、すばらしいコンサートを行いましたね。
なぜそれが、あなたにとって重要なことだったのでしょう?

Liam:それは、自分のホームタウンで起こったことだったし、俺は明らかに、傷ついた人たちが、自分たちがケアされているということがわかるようにしたかった。
お金のためではなく、(CDを)ヒットさせるためでもなく、大きな家やキラキラした車やドラッグのためでなく。
あなたは、それ(売上)が(被害者家族に)還元されることも知っているだろう。

ステージの上では、100%コントロールできる。
歌のもつ正しさをとらえるただ一度のチャンスなんだ。そして誰もがその瞬間にいる。

Q:オーディエンスが誤解していると思われる歌は何ですか?

Liam:公平に見て、そんなことはわからないな。
それが音楽の美しさだ。
俺はすべてのこと、たくさんの人が、振り返るけどそのまま去って行くのが嫌いなんだ。
これはこういう意味だ。これはああいう意味だ。
すべてが意味を持っているわけではない。

Q:はい。

Liam: あなたがそれについて誰かに話すと、彼らはすぐに探求を止めると思う。

Q:それは興味深いお話ですね。

Liam:それはちょっと残念なことだと思っているんだ。
俺は、彼らがどう受け取っているかは知らない。俺はワンダーウォールが何について歌っているのかも知らない。
俺は、それが何についての歌なのか何も知らないし、彼らがどういうふうに受け取っているのかを知りたいと思わない。

Q:このアルバムは、そう呼ぶのはちょっと変てこな感じもしますが、あなたのソロバルバムですね。
というのは、あなたはすでに四半世紀の間パフォーマンスされているからです。
このCDが出たときは、ナーバスになりましたか?
というのは、このアルバムは、新しいものであり、すべてあなたが負っているものだからです。

Liam:実際のところ、ナーバスになったね。最後に振ったサイコロみたいなもんだから。
人がこれを聞いてくれるかどうかもわからないし。
人がちょうどよいタイミングでそこにいて、聴いてくれるかどうかにかかっている。
たくさんの良いアルバムがすごい人たちによって出されているからね。聞いてもらえないということだってある。

Q:そんなことが起こるかもしれないって準備はしていましたか?

Liam:用意していたかって?
そんなことしていたら頭にそれがぶつかって、できなかったよ。
あなたは死んだ馬にムチ打たないでしょう。俺は、確かにそういうふうには考えなかったし、ほかのことをしようとも思わなかった。

ただ、静かに、もしくは静かじゃなかったかもしれないけど、コーナーから零れ落ちるものを救い上げていたんだ。
それで、ただ物事をはじめ、進めた。
あなたも知るように、俺は次のむちを打つようなチャンスを手にした。
そう。あなたが虐待を望もうと望むまいと…この意味わかるかい?

俺たちが最初に始めたときのオアシスでは、本当にそうではなかった。
楽しい時間を過ごしたかっただけなんだけど、その前に、俺たちは非常に速く大きくなった。
あなたも知っているように、たくさんの馬鹿なことをしでかした。
でも、狂騒が去ってしまうと、「なんてことだ。俺はただ楽しみたかっただけなのに」ってなるんだ。

一番大切なことは、その瞬間、瞬間に生き、「そこにいる」ことだ。

わかるだろ? ただ生きることだ。

セカンドアルバムやサードアルバムのことを考えるんじゃなくて、今、自分が楽しんでいることを楽しむんだ。
それで、それを生かすこと、感じること、そして次の橋がやってきたら渡ることなんだ。

Q:私たちに話してくれてありがとう。

Liam:どういたしまして。

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