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全日本選手権に向けてやってみたこと

初めての全日本選手権は選手も監督も同じ気持ちで臨んだ
なにしろ、優勝を狙える選手に帯同するのは初めてのようなもので、與那嶺選手はヨーロッパで戦う経験も力も上の選手であり、緊張しないわけがない。

木下友梨菜は、昨年からチームに在籍して実業団を中心に活動をしている。
そんな木下はトレーニングも自分の好きな事を好きなだけ!楽しく!をモットーにこれまで走ってきた。

今年の目標には、富士ヒルクライムのゴールド(1'05を切ること)と、全日本選手権での優勝も入っていた。
流石にロードレースを走る上では、上り要素以外に下りや駆け引きや走りながら回復するなど、いろいろなことを学ばなければならない。

トレーニング前・シナテツハウス


僕は自分から言うことはほとんどなく、木下選手がやりたい時にやればいいと思い、放任主義を貫いている。が….
今回ばかりは「ロード練習やった方がいいんじゃない?」と話した。
時間はあまりなく、富士ヒルから心身ともに回復がしっかりと見込めている、全日本選手権2週間前だ。
6月10日から16日まで行った合宿では、まずどうしたら勝てるか?
から考え始めた。

男子と一緒にトレーニング

これから強くなる!は不可能なので、今持っている武器をどう使うか、テクニカルな面をどう磨けるかを考えることにした。
先ず與那嶺選手から遅れてしまっては元もこもなく、遅れないという条件はクリアできているか?
ここは、短いのぼりのアップダウンが続く日本CSCという条件下では、多分ついていけるのではないか?と希望的観測も含め守備範囲内とした。
あとは、回復力やアタックについていく瞬発力が必要だ。3練1休とし、先ずは踏み続ける体力があるかの走り込みから始まった。

平坦に近いアップダウンをひたすら走り続ける。
普段は交通量の多い場所でトレーニングをしているので、足を止めずに踏み続けること。これは体調を安定させ、踏みどころを狙うトレーニングには最適である。
次にダンシングの練習だ。
自分がどのような動きをしているかをまず動画で確認、1つ1つの動きを丁寧に直していく。
ダンシングを自分のものにするためには、兎に角ダンシングをする癖をつけることが第一に挙げられる。どうしてもシッティングの方が合わせやすいからしてしまいがちだが、しっかりとトルクをかけられるダンシングができるようになるまで丁寧にまとめていく。

なんでもないところでもダンシングを入れる

次は上りの山頂付近でのアタックへの反応練習。
どの上りでペースが上がるかはランダムで、段々と集中してなくても反応できるようになってくる。スプリントをするのではなく、アタックをするようにダンシングをする。
パワーがかかってくるので、この辺りから教えることよりも、慣れること・何度も踏み直せるように進めていく。

と、1週間という時間があっても
一朝一夕に上手くなっていくわけはなく、何度も何度も繰り返し癖付けていきながらひたすらに繰り返されるアップダウンを走る。
夕食はしっかりとエネルギーもそうだが、回復につながる食材を自分たちで作る。
お風呂に入ってマッサージ・しっかり寝て、朝起きたらまた走りにいく。
とてもシンプルな、選手としては当たり前な日々の中で自転車と向き合う時間を長く作り、考え走り続ける。

そして当日を迎える

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