「イチブトゼンブ」

 B’zの名曲です。
 なぜかこの曲、今日は朝から頭の中をグルグルと回っている。
 今は歌詞だけを見つめている。伝わってくる真理は奥深い。
 楽曲を聞いていると、圧倒的な歌声と、心切なくなるメロディーに酔って、歌詞をかみしめるスキがないままに楽曲が終わる。
 この楽曲、ありがちな心の落とし穴を鋭く表していると感じる。
 すべてを理解しているつもりでも、理解しようと努力しても、すべてを知りえることなんてあり得ない。
 知りえないのが本当の姿であり、それで十分だし、それでいいんじゃないか。改めて感じ入る。
 一生懸命に生きるとき、知らぬ間に心は迷路に入り、なすべきことの迷子になる。迷い彷徨うことが、当たり前と思えたなら、すべてを愛するなどという壮大な大きな荷物を背負わずに、愛せるところを見つけて、大切にすればいい。この歌は、こんな風にも自分に聞こえてくる。

 生き急ぐことに自ら立ち止まり、ゆっくり、自分に大切なものは何かなと気づいたり見つけたりするのは、とても大切だ。例えば、向かい合う人のさり気ない笑顔とか。
 謙虚な心で愛に触れる事が出来たなら、深い絆へと導き導かれていくだろう。
 もし、この歌を自分で歌う時があるならば、格好をつけて上手に歌うなどと陳腐なことは考えずに、心の奥底から感じるままに、心の言葉たちを世に放つようにソウルを吐き出すように、でも丁寧に。そんなふうに歌いたい。

 もしかしたら、この歌は、愛を育てながら生きていく、という術を教えてくれるのかも知れない。
 自分のこれまでを振り返ってばかりじゃいけない。過去の自分に引きずられていくだけだ。過去も大切だけれど、今の自分の周りを360度見回してみると、新たな発見の芽が見えるかもしれない。
 イチブを愛することは、つまり、そのゼンブを愛していると言えるのだろう。


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