市街地スプリントのはなし
この記事はオリエンティア Advent Calendar2023 18日目の記事です。
ほとんどのみなさんはじめまして。京大OLC43期3年目の毛利智紀です。現在伊豆大島大会からの帰りにこの記事を急ピッチで仕上げています。何卒よろしくお願いします。(結局日付を跨いでしまいました。ジェット船欠航のせいにさせてください)
自己紹介
一応去年と今年のインカレスプリントでMEを走りました。昨年は31位(枠獲得まで+0:04)、今年は30位(枠陥落まで-0:02)、と毎年30位ギリギリで戦うことになっている人です。ミドルセレを今年は通過できたのでそこではもっと上で勝負したいですね…
どっちかっていうとスプリントが好きです。11月に台湾旅行に行きましたが台湾でも朝からNavi Tabi スプリントをしていました。楽しかったです。
そして今回の記事の本題になる第28回京大京女立命館大会Day1 で競技責任者を担当しました。
またこの記事と同日にAdvent Calender (裏)でも同じタイトルの記事が公開されていると思います。こちらは同大会で渉外を担当してくれた立命館大学の間正さん目線の記事になっています。ぜひそちらもご覧ください。
今回の記事について
市街地スプリントを練習で使うこと自体最近はわりとどこでも行われているのかなと思っています。実際にコントロールを置かなくてもスプリントはできるし、Navi Tabiなども使えるのでそう難易度は高くないはずです。練習会もたチバなスプリントをはじめとして結構開催されているように感じます。ですが実際に大会を開催するとなるとちょっと面倒だなとみなさん思うと思います。やっぱ渉外が大変ですね。ランキング大会以上のランクで市街地が使用された大会を考えてみると、知る限りではインカレ&CC7前日大会で使われた「時」や2022WOC選考会や新潟大会で使われた「津川」くらいだと思います。学生大会では思い当たる節がありませんでした。(もしあったらごめんなさい)僕たち頑張りました!って言わせてほしいです。
今後市街地スプリントを開催する意欲のある人の参考になればいいなと思っています。プロの方に聞くのが一番だとは思いますが、力になれたらと思います。
一旦開催地となった滋賀県東近江市伊庭町の紹介をしようと思います。
伊庭町は日本遺産として登録されている水路のきれいな町です。いたるところに水路が張り巡らされていて、水路には小魚が泳いでいたり蛍が飛び交う集落です。もうすぐ地図販売を始めると思うので興味のある人は覗いてみてください。
ぼくのお気に入りスポットは金曜日にしか営業してない伊庭のたこ焼き屋さんです。
おいしかった。
ということで本題に入ろうと思います。
安全管理
オリエンの大会は車を通行止めにして開催できる規模ではないですし、地域の方が普通に暮らしている場所を使わせていただいているわけなので、当然衝突や飛び出しに関するリスクは極力減らさないといけません。また使ってはいけない私有地への侵入も防がないといけません。なのでフォレストやパークのオリエンテーリング大会よりも気を使わないといけないと個人的には思っています。
僕たちが今回の大会でやったのは以下のようなことです。
・テレイン内の主要道を渡る場所の限定(渡過点の設定)
・飛び出し防止、私有地侵入防止用の誘導員の設置
・スタート時間の変更、制限
・伊庭町内全ての住宅への開催告知チラシのポスティング
・ポスト設置場所付近の住宅への直接渉外
・前日に地域無線で全域への開催告知
下3つの事項に関しては渉外編で触れていると思うので割愛します。
渡過点の設定
ここでは複数の失格者をだしてしまいました(特にMS がDISQ率25%くらいと多かったです。反省してます)
伊庭町の特徴として中央に主要道+水路で分けられた道があることが挙げられます。ここに多くの車が集中するので、数回の調査に行った時に車の行方を観察しまくり、大体の進行方向を掴みました。
大体画像の通りと掴みました。この道に出る点全てに配置したらとても誘導員の人手が足らないので、CPに回しで道に出る場所を限定してもらったり、特に見通しが悪いところやルートチョイスが割れそうなところにだけ限定して立ち入り禁止区域を設定しました。
地図としては水路の南の安全な歩道のゾーンが見づらいと思って記号チェンジ+道拡大をしました。この結果として車道の立ち禁が狭くなってしまって失格者を出してしまったのかな…と思いました。
誘導員の設置(おまけでポスト設置のはなし)
立ち入り禁止区域が設定できると誘導員の設定になります。水路で道が断続的であるがために渡れるポイントを現地で見つけるのが困難だというところが難しかったのかなと思います。なので特に難しい、間違って入っていきそう点では水路に人を立たせて塞ぐということをしました。それより手前で渡ってくる人は失格にするしかないという感じです。
今回の失格の基準は「立ち入り禁止区域に入って、違う場所から出たことが確認できたら(誤って入ってしまっても同じところからでたらセーフ)失格」です。誘導員で塞ぐ地点とそうでない地点がある以上、立ち禁に入ること自体には場所毎で基準が変わってしまうからです。(声掛けられた、られてないでゴタゴタした場面を直接みたことがあったので…)
それでも下の画像の渡過点で10人/200人 くらいは失格してしまったようです。立ち禁失格の基準を事前に明確にしといてよかったなとは思いましたが、これでよかったのかなとちょっと終わった後に思いました。難しいですね。
オレンジで囲んだとこより渡過点寄りの場所は誘導員を橋の上に置いて通行させないようにしていました。囲んだところに侵入した人が多かったようです。
その他誘導員は調査の時や試走の段階でコース上危険だと思ったポイントに配置しました。どの地点も予想してないことも含めそれなりに仕事があったようなので配置してよかったです。誘導員だけでおよそ20人を動員しました。人力で押し切りました。同期がたくさんいてよかった…
おまけ
渉外編でも触れている可能性がありますが、道路上にポストや設置員を配置するには警察の許可が必要でした。とりあえず可能性のあるところを申請してそこから削っていくという感じでやりました。特にポストは道路交通法違反になってしまうので公道の交点付近に置くためにはその近くの私有地内にポストを置くしかないことに注意が必要だと思います。
スタート時間の変更、制限
近くの小学校で午前中運動会+夕方から伊庭町の中でお祭りというスケジュールでした。安全上、帰ってくる子供と被らない時間に収めるように人数を調整したので、SIACが後から追加調達できても人数制限が撤廃できませんでした。そのせいでMLは追加申し込みが数枠になってしまい、ものの数分で受付締め切りになってしまいました。MLに申し込みたかったみなさんすみません。
地図表記、反映
伊庭町は周りが水田に囲まれているので必然的に耕作地表記が増えて黄色がギラギラしてしまいます。今回僕がとった策は地図の色調整を少しいじって
耕作地の黄色の色を薄くする+レッグ線の色を濃くするということで対策をしようとしました。多分競技規則範囲内のはずです。今回は地図が外注だったのですが無知だったのでそんなことは一切考慮しておらず、こっちで印刷してるやつとまあ似たようなものが上がってくるだろうと踏んだ結果こうなりました
ん…なんか色違くね?私有地の色濃くね??耕作地うすくなってなくない??
となったわけです。これについては多くの参加者の方も思ったようで大会後アンケートにも書いてくれている方が多かった気がします。
ここでデフォルトのカラーテーブルと今回いじった色調整を比較してみます。
いやまって、私有地の色いじってなくない??
となりました。業者さんにも確認しましたが当然カラーテーブルは発注した時のままだし、京大で印刷した時もプリンター別に今年買ったやつだしインクちゃんとあったしマット紙にマット紙印刷してるし…どっちもプリンターcanonだし…となって原因は良くわからずじまいでした。地図を外注するときは特に大事な大会では業者の方と色調整の打ち合わせをするべきでした…と反省しています。
とにかく地図の色が濃くなったことは完全に想定外でした。申し訳ないです。
最後に
一つだけ悲しかったことがありました。
僕は当日ゴール後失格になった競技者の方たちにどこの立入禁止を通行したか誘導員からの連絡とすり合わせ、事実確認を行い、誘導員のミスが発覚しない限り失格ですと告げる役割をしていました。
多くの方は納得していただいたり、地図の判読性についてご意見をくださることがありそれは至極当然で真っ当なご指摘をしてくださったと思うので真摯に受け止めていたのですが、お一方だけそれだけでなく地図作成者ならびに運営者の個人を攻撃するような発言(一般的に誹謗中傷の類に相当するもの)をされた方がいらっしゃいました。僕は翌日のDAY2で会場誘導をしており、参加者の方に挨拶をして会場案内をしていたのですがその方には挨拶したところ睨み返し(多分舌打ちもされた)を受けてとても悲しい気持ちになりました。
その発言内容や発言された方について具体的な言及はしませんが、面識のない社会人の方にいきなり個人を攻撃するような発言を受けることはとても恐怖ですし、心に傷が残ります。今後参加する大会で失格ならびに納得できない扱いを受けたとしても大会運営者個人を攻撃するような発言はやめていただきたいと強く思いました。
最後に突然重い話してすみません!
みなさん気をつけましょう、僕も気をつけます!!
多くの方は直接だったりアンケートで細い道走るの楽しかったとか渉外よく通したねとか住民の人が応援してくれてよかったと言ってもらえたのがとても嬉しかったです。OKアウォードに投票してくださった方もコメント読んでいます。こういう声をもらえるととても嬉しいですね…!
そしてなにより大会に参加してくださった方々、ありがとうございました!
来年の京京立大会、ではなく京京立龍大会も2daysを予定しています。まだテレインは非公表ですが楽しい大会になること間違いなしです!10/5,6の予定は今から空けておいてください!!
裏も是非読んでくださいね、ではまたどこかで!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?