エントリーグレード ガンダム(´・ω・`)

ガンプラでお馴染みのバンダイスピリッツ、そのプラモデルシリーズに「エントリーグレード」というものがある。

わりと最近始まったシリーズなのだけど、仮面ライダーやドラゴンボールのキャラクターが既に発売されていて、対象年齢は3歳〜6歳以上、お子様向けでパーツ数が少ない固定モデル。
「これでプラモデルに親しんで、おっきくなったらもっとスゴイのあるから作ってね」という裾野を拡げる為のシリーズ。のはずだった。

↑そのエントリーグレード最新作として先日発表されたのが、RX-78-2 ガンダム。
ガンプラには既にHG MG PG RGが基幹シリーズとしてラインナップされていて新作が安定供給されているわけだけど、過去にはエントリーグレードと同じく、間口を拡げる目的でFG、SG、AGなどのシリーズが展開されていた。しかし、FGのガンダムとザク以外はあえなく姿を消してしまった。

さてこのエントリーグレード ガンダム、発表と同時にバンダイの変態技術と騒がれているが、その実態や如何に。

特設ページではまず「組み立てがとても簡単」「工夫されたランナーの配置」が挙げられている。
ニッパー不要のタッチゲートは、SDガンダムをはじめ食玩まで10年以上使われていて、もはや成熟の域に達している。
腕は腕、脚は脚とある程度まとまって部品が配置されているのだけど、これ自体は以前発売されたHGACリーオーで同様の配置が実現されており、その後オリジナルプラモデルシリーズの30MMでさらに洗練されている。
つまり、既にある技術。

2番目に「可動箇所がよく動き、よく曲がる」
ガンプラの呪いとも言える可動の良し悪し。
新製品を紹介するサイトでは正座させたりマタサキにしたり曲げた角度を測ったり、どこまで広がるか、曲がるかでガンプラの価値は決まる。という界隈もあるくらいに注目される可動。
ピックアップされている胴体の関節構造自体はガンダムAGEの頃から採用されていて、そこまで目新しい構造ではない。
これもアピールするのもおこがましいくらい当たり前となってしまっている。
つまり、既にある技術。

3つ目は「塗装はもちろん、シールも不要」
昨今のMGクラスだと色分けの為のシールはほぼ無くて、マーキングデザインや注意書き以外は、目やセンサー部に使うメタリックシールくらい。
まあガンダムの目の周りの黒いとこはシールの場合が多いけど。
つまり、既にある技術。が少し進化してる。

さて、どこが変態技術なのだろう(´・ω・`)

↑この状態で飾りたくなるカッコいい胴体部分、今までのガンプラとはパーツ構成の基本から大きく外れている。

HGUCガンダム、REVIVE版と比べて見ると、HGは細かな部品の前後挟み込みであったのに対して、エントリーグレードでは大きめの部品を縦に積み上げるような構造になっている。
可動に関しては胴体の関節が増えた一方、HG初期からあった肩の前後スイング機構はバッサリ切り捨てている。胴体の可動でカバーできるという判断だろうか。
腰部分も相当部品が絞り込まれていて、Vマークを構成する赤と黄色の2パーツで、腰と股間のジョイント、更にはおしりの黄色ブロックまでカバーしているようだ。

エントリーグレードはパーツ数を明記していて、これまでの最大は無可動モデルの孫悟空で38個。
このガンダムが74個。
可動モデルとはいえ、この2倍以内にパーツ数を抑えるというのが企画の絶対条件だったのではないだろうか。
そしてその制約が奇天烈とも言える斬新なパーツ分割を生み出したのではないだろうか(ここ妄想です)

実は今回一番ヤバイと思ったのが、このシェーディングモールドなる技法。
ググってみるとスターウォーズのBB-8のキットが初出で、深く鋭くモールドを彫る事でスミ入れしなくてもはっきりモールドが見えますよ、という「はぁ、さよか」としか言えない代物だったのだけど……

↑おわかりいただけたであろうか?
ガンダムの目と赤いクマドリの間は黒い。
これまでこの黒いところは、シール貼ったり面相筆で息止めて黒く塗ったりしていたのだけど、この部品図には、シールを貼ったり塗ったりするようなパーツはない。虚空に黄色いパーツを浮かせてるだけ。
シールにしろ塗装にしろ、目はほんの僅かなズレや歪みで仕上がりへ大きく影響してしまう。
そこが部品の組み合わせだけで再現出来てしまう。
ヤバイですね(´・ω・`)
反射防止に内側黒く塗っときたくはなりますが、それすら野暮な気がしてくるよね。

あとはもみあげの5段スリットが黒々しているけれど、これはCGだからなのかホントにこう見えちゃうのか気になるところ。
唯一スライド金型使ってそうな部分なので、何か仕掛けがあるのかな?気になります。

変態技術、とキャッキャして消費されがちなバンダイだけど、積み重ねた技術をどこにどう使うかにものすごいカロリー使ってるはず。

ふつーのガンプラとして、頭と胴体が小さくてファーストっぽくない、バズーカが無い、サーベルの刃がない、スネとふくらはぎに合わせ目がー、みたいな間違い探しで評価するようなキットじゃあ無いよね、と思いました(´・ω・`)

※画像はバンダイホビーサイト、及びホビーサーチからの転載です。

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