新時代の扉を見た正直な感想(ネタバレあり)



先日、『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』を見てきました。
個人的には凄く良かったです。好きな作品でした。

ネタバレあり感想

これは既にかなり言われてることなのですが、まず演出や作画の面においての完成度がかなり高かったです。
序盤ではタキオンのレースシーンが何度か描かれるのですが、これが見てて息苦しさを感じるくらいの迫力で、タキオンの絶望的な強さやその中に秘める危うさなどが、説明抜きでも感じ取れる程。
今挙げたのはほんの1シーンなのですが、映画全体を通して色彩や音響の使い方が巧く、文脈抜きに「なんかいいな。」と思わされるような場面が多かったです。

肝心のストーリーの話ですが、これは思っていたのとはかなり違いましたね。

最初はRTTTみたいな
各ウマ娘が各ウマ娘の想い、負けられない理由を背負って戦う中で、ジャングルポケットがオペラオーを倒して最強になるまでの物語
みたいな感じだと思っていたのですが、この映画ではウマ娘の勝ちたいという想いや走ることに懸ける熱意は本能的なものとして前提のように描かれていて、むしろその本能的なものが持つ熱のようなものに焦点が当てられているように感じました。 

フジキセキの持っていた熱がジャングルポケットに伝わり、ジャングルポケットの持っていた熱は一度挫折を味わったフジキセキにまた伝わり、その熱が勝てないライバル(タキオン)の存在に打ちひしがれていたジャングルポケットに、そしてそれはまたタキオンにも伝わって…という風に、勝利の、もしくは走ることそれ自体への執念や渇望が伝播していき、他人さえも動かしていく。

子供がヒーローに憧れたり、テレビでやっているスポーツ中継になぜか感動してしまったり、こういう理屈では無い、何かをみたときの感動や憧れのようなものの良さがこの映画ではよく描かれていたと思います。

競馬観戦が趣味の人が度々使う表現に、「脳を焼かれた」というものがありますが、登場人物たちも同じように何かに「脳を焼かれた」のでしょう。

走り始めた頃の感情を思い出したジャングルポケットが純粋に楽しんでレースを走る。
怪我で走ることを諦め、葛藤も辛さも誰にも見せずに飄々とした態度をとっていたタキオンが、ジャングルポケットの走りを見て全てを曝け出すように走り出す。

凄く爽やかで気持ちの良いラストシーンだったと思います。

人におすすめできるか

個人的にはかなり好きな作品ですが、これが万人受けする作品、ウマ娘や競馬を知らない人にもおすすめしやすい作品かと言われるとちょっと微妙な気はします。

先程少し述べたように、この作品では各ウマ娘の勝ちたい理由などはほとんど「そういうもの」として描かれています。

主人公であるジャングルポケットは憧れの人が出れなかった舞台、自分のトレーナーが掴み取れなかった栄光のためにダービーを勝つ
という風にもできたのでしょうがこの作品ではそうではなく、もっと純粋な勝利への熱望がジャングルポケットを動かす理由になっています。

ダンツやカフェ、ラスボスであるオペラオーの描写、というかレース背景自体の描写がかなりあっさりしているので「GⅠという大舞台で、幾多のレースを勝ち抜いてきた、それぞれの想いを持った強豪たち相手に勝利する」といったことへの感動に重点を置かれていないので、それが「よく分からなかった。」「いまいち感動できなかった。」というような感想に繋がってしまうことは多分あるでしょう。

私はウマ娘、というか競馬をある程度知っていたので、クラシックのレースで勝つ意味、オペラオーに勝つことの凄さなどが予備知識としてあって、自然とその部分の補完になっていたため、そこでひっかからずに楽しめたのでは?という気はします。
まぁこれはウマ娘も競馬も知らない自分と一緒に映画に行かなければ分からないのでなんとも言えません。まじで人によるしなんか刺さりそうな人にはおすすめしときましょう。

フジキセキの勝負服の話(見なくて良い、見るな)

途中でフジキセキが勝負服着てくるシーンあったじゃないですか、あれポッケの走りに感化されたフジキセキが過去と決別してまた走り出すっていう良いシーンなんですけど……、なんか……、勝負服がえっち過ぎるというか……、その後のポッケの「フジさん……、その服」みたいなセリフ(うろ覚え)も露出度に驚いてるように聞こえて気が散りましたよね。
ね!!!!!!!!!!!!!!!!!みんなもそだよね!!!!!!!!そんなことない?集中して観てた?……ならいいんだけどさ。

余談(見なくて良い)

そういえば特典はダンツフレームの色紙でした。私が一番好きなウマ娘はトップロードなのですが、ダンツフレームは雰囲気が似てて好きです。
こういう純粋な善、光属性、めちゃめちゃ良い子みたいなキャラ、良いですよねぇ、へへっ、実装待ってるよォ……。


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