フロントローというポジション
ラグビーを観る時に、1番~3番フロントローを常に目で追いかけることもしてみてほしい。
まず、スクラムでは当然100%の力で血管がブチ切れるほど押しこむ。
ラインアウトではリフティング(飛んでキャッチする選手を持ち上げる)してモールならばスクラムと同様、当然血管がブチ切れるほど押しこむ。
スクラム、ラインアウトでは鼻血が出るほど押し込んだ後、ボールが出ると直ちに走り出すのだ。
それが10や20フェーズまで継続することもある。
20年前のラグビーでは考えられない継続率である。
その間もフロントローはラックやモールでボールを確保するために身体を張って突っ込み、ボールを持って相手選手に突っ込んでいく。
ディフェンスの時も同様でタックルしても直ちに起き上がり、走り、タックル、ラックに突っ込む、また起きて走る。これを続けるのだ。
目立つことはないが常に1番厳しいところでプレーをしているのだ。
相撲の取り組みは約30秒から1分だ。力士はその取り組みで終わる。取り組みをスクラム、モールと考えてもらっていい。それぐらいハードだ。
フロントローはそこから更に走り出し、タックル、起きて走る。そしてまた、取り組み(スクラム)を組んでまた、走り出すのだ。
どれだけ過酷なことかがわかってもらえると思う。
フロントの3人が後半のどこかで交代するのはそのためだ。
後半の60分の時点でスタミナもからっきしになるくらいの運動量だ。
たが彼らがもしそのまま試合を最後まで続行したとしてもパフォーマンスを落とすことはないだろう。
スタミナが無くなってても、身体の中の何かを削り落としてでも走るだろう。100%パワーを使ってしまっても、寿命を縮めてでも120%の力を作り出すだろう。
目立つことがなくてもだ。
フロントローとはそんな人達だ。
1度、稲垣啓太選手を試合中に、彼だけを観てみてほしい。
どれだけ寝ている時間が少ないか、いかに歩いていないかがわかるはずだ。
稲垣啓太選手はバケモノだ。←いい意味で
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?