ラグビーリーグONEに対するひとつの疑問
日本ラグビーリーグONEが開催された。
各チームの素晴らしいゲームを観ることができた。世界トッププレーヤーの活躍、日本人選手の活躍も目まぐるしかった。
ラグビーファンとしては来年もさらなる発展を願うばかりだ。
しかし、僕の中でひとつだけどうしても疑問に感じたことがあった。
それは「ノットストレートのジャッジの厳しさ」だ。
ノットストレートとは、ラインアウトのスローイングで真っ直ぐボールが入らないと取られる反則のことだ。
全ての試合でこの反則を非常に厳しくジャッジしていたのだ。
また、このことについて解説者も「リーグONEではノットストレートを厳しくジャッジしていく」と語っていた。
ノットストレートは軽度の反則のため、相手ボールのスクラムから始まる。
(僕がラグビーをしていた頃はノットストレートの反則だと、スクラムか再度ラインアウトと選択できたが今はどうか「知らんけど...」)
ラグビーは1995年にプロ化されて以来、ひとつのコンセプトのもとにルール改正がおこなわれてきた。
それは「攻撃側が有利になるように」である。
例えば、プロ化されて1番に大きくおこなわれたのがリフティングである。
リフティングとはラインアウトのジャンパー(ボールをキャッチするプレーヤー)を持ち上げるプレーだ。
その後、ペナルティキックでタッチに蹴りだした側からのラインアウトでの再開などなど、攻撃側が有利になるようにラグビーは進化してきたのだ。
最近では、まだテスト段階だそうだが50:22というルール改正もおこなわれている。
僕はこの50:22を考えた人は天才だと思っている。
またラグビーを心から愛している人でないと思い浮かばないルールだと思う。ラグビーをおもしろくする画期的なルール改正だ。
そんな中で、リーグONEではノットストレートを厳しくジャッジしていた。これは今までのラグビーの進化とは真逆の行為である。
攻撃側が有利になるようにルール改正がおこなわれるのは、観客が観ていておもしろくなるようにすることが最大の理由である。
ノットストレートを取られるとラインアウトからのモールの攻防や、ダイナミックなバックスの展開、多彩なキックなどが観れない。
そして、流れというものがスムーズにいかなくなるので、観ている観客にもストレスを感じさせるようになってしまう。
リーグONE終了後、ウルグアイやフランスとのテストマッチがおこなわれた。
僕は、疑問に思いながらもノットストレートを厳しくジャッジするのは国際的なルールだと思っていた。
しかし、ウルグアイ戦もフランス戦も全く厳しいジャッジをしていなかった。
ということは、ノットストレートを厳しくジャッジするのはリーグONEの中だけということになる。
ウルグアイとのテストマッチでは、HO坂手淳史選手が開始直後のラインアウトでスローイングミスを起こした。
坂手選手はスローイングに対してナーバスになっていたように感じる。
だが、その後リーグONEでは反則を取られるであろうウルグアイのスローイングが取られないとわかって、坂手選手の気楽にスローイングができているように感じた。
このルールがリーグONEだけのものなのか、僕は「知らんけど」リーグONEだけのものならば、どのような趣旨なのかが知りたい。
いや、趣旨を知りたいというよりも無くしてもらいたい。
日本のラグビーの発展、日本代表が強くなるために必要なものと思えないからだ。
このルールのもと、ひとつわかったこともあった。
それは世界1器用なフッカー堀江翔太選手のスローイング技術だ。
彼だけはそんなことお構いなしに反則を取られることなくボールを投げ込んでいたのが印象的だった。
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