ビジネス実務法務検定 1級 受験検討者向け

1. 執筆の目的

 こんにちは!みんちです。
 私がビジ法2級試験を合格してから約40日。2023年12月10日に、1級試験の受験をしてきました!私が受験を決意してから一番困ったのが、
“どう試験勉強を進めるかわからない“
“持ち込める六法に何をしたらOKで、何をしたらNGなのかわからない”
“CBT(パソコン入力)試験になってからの情報が全然ない“
といったように、とにかく試験についての情報が少なすぎるということでした。
 この記事で、同じ悩みを抱えている皆さんの疑問を少しでも晴らすことができたらと思います。役に立ったらスキボタンを押していってくださいね!

2. 受験ルールについて

(1)試験時間

 試験時間は、午前90分、午後90分です。
2023年の試験は、午前試験が10時30分開始、午後試験が13時30分開始でした!
 CBT形式になる前は試験時間が各120分だったそうなのですが、CBT形式になってから各90分になりました。大問1問に対して解答欄が5〜6個で、各問題ごとにボリュームある記述を要求されるので、かなり時間的にタイトな試験になります。

(2)持ち込み可能なもの、試験当日の配布物 <超重要!>

 試験には、書き込みのない六法全書、シャープペンシル・鉛筆を持ち込むことができます。ただ、条文にラインを引くことは許されています。線引きのやり方は、蛍光ペンでも鉛筆でもなんでもOKみたいです。私は鉛筆でラインを引いたのですが、他の受験生で蛍光ペン引きしている人が普通にいました。
 使用六法ですが、当年度のポケット六法を持ち込んでいる人ばかりでした。午後試験で知財が出題されたら知財を解くと決めている方は、ポケット六法では条文が省略されているため、知的財産権法文集というミニ六法全書を別途仕入れて、ポケット六法とあわせて二冊持ち込むことをお勧めします。
 なお、六法に書き込みのない付箋(民法・会社法といったインデックスシールは可能)をつけることが許されているので、公式テキストや問題集で使った条文は逐一ラインを引いて付箋をつけておくことを強くお勧めします
 試験当日驚愕したのですが、受験要綱にも配布されないと記載されていた答案構成用紙が配布されました(午前午後で各1枚)。一応、試験時間中は画面右上にメモ機能があります(試験強制終了ボタンの横にあります)

(3)試験問題

 1級試験は、論述式の試験となります。
※試験問題は、回答した記憶を遡って書いています。正確性は保証できません💦
<午前試験>
 午前試験は、共通問題として大問2問を回答することになります。
 2023年度は、共通問題1問目で主に民法上の契約不適合責任について聞かれました。共通問題2問目では、主に会社法上の事業譲渡によって事業を譲り受ける方法と株式全部取得によって経営権を支配する方法の異同や、各社で必要な決議事項、取締役の任務懈怠責任について聞かれました。
 来年以降も同様の出題傾向が続くのであれば、共通問題1問目で主に民法の知識を問い、2問目は主に会社法の知識を問う問題が出題されると思います。
 ただし、2問目で、同種事業者の株式を取得する際に、独占禁止法上履践すべき手続について問う問題が出題されたので、共通問題で民法会社法以外の法律が出題されないというわけではないみたいです。それでも、小問1問にとどまっていたので、共通問題のメインは民法と会社法になると思います。
<午後試験>
 午後試験は、選択問題として4題から大問2問を選択して回答することになります。試験開始後にとりあえず問題を全部読んで、解けそうな問題を探します。
 1問目が、①債権保全全般、②取締役の利益相反取引、③合同会社における業務執行方法、④会社債権者の吸収合併への異議申立て
 2問目が情報公開の問題(?)
 3問目がパワハラについてのかなり実務的な問題(?)
 4問目が①労働者に過分に支払われた出張手当や費用を不当利得返還請求権を行使して請求する場合に、労働者の給与から全額相殺できるかという問題(民法・労働基準法)、②債務者が不可抗力によって動産引渡債務、代金支払債務の履行をそれぞれ遅延した場合に債権者は債務不履行に基づく損害賠償請求をできるか、③国際私法取引における不可抗力条項の定めについて
といった問題が出されました。知財どこだよ。
 法務の実務で活躍されている方を除いて、2問目と3問目への回答は無理ゲーだと感じたので、大多数の受験生が1問目と4問目を選択して回答してると思うのですが、
 横断的な法律知識を問われるゲキムズ問題揃いでした・・。
おそらく午後の試験でかなりの人数が始末されることになると思います。

(4)試験当日

 私の受験した試験センターでは、午前・午後の試験30分前から受付を開始し、
顔写真付きの身分証明書の確認、持ち込み六法に書き込みがないかのスタッフチェックが行われました
 10分前くらいに試験室に入室をし、受験者IDを入力しさえすれば、あとは試験を待つことになります。試験待機中に入力テストを行える場所があるので、そこで指を温めるためにも入力テストを行っておくのがお勧めです
 試験に利用されているPCのOSはWindowsで、入力方式はローマ字入力です。かな入力を希望する方は、事前にスタッフに要望しましょう。

3.試験対策について

 直接1級を受験する方は相当法律に自信があると思いますので、2級合格者向けで独学で受験を予定している方向けの対策となります。
 個人的には、公式本の問題集>公式本のテキストで勉強したほうがいいと思います。公式テキストはかなり冗長なのと、記憶を要求してくる記述が多くて学習のメリハリをつけにくいように感じました。
 問題を解く際に、「元請負人が下請負人への支払いをバックれたときに、下請負人は注文者に仕事の目的物を引き渡さないといけないのか」「取引先の資金繰りが怪しくなってきた時に自分の会社はどうやって債権回収していくか」といった感じで、問題のテーマとなっている事項の解像度を高めたうえで、解説のポイントを押さえていくという勉強がオススメです
 本試験でも同じように、なにがテーマになっているかということを把握したうえで回答していくことになります。勉強したテーマと共通する問題が出題された場合、回答時間の大幅な短縮を図ることができます
 このテーマ学習を早くやっとけばよかったーって今では思います。

4.後から思ったこと

・普段、Apple社のmacbookやipadなどiOSでの入力方式に慣れている方は、かな英数変換の入力方式が全然違うので、早いうちからwindowsの入力方式に慣れたほうがいいです。
・なんと、問題文のコピーアンドペーストが使えます。問題文の事実の引用の際はコピペで時短するのがおすすめです。
・テキストや問題集で載っていない論点は条文を探しながら考えることになるので、択一式オンリーだったビジ法2級から1級へのステップアップはなかなかハードルが高いと感じました。
・資格試験サイトでは勉強時間100時間で合格できるとありますが、受験者のバックグラウンドで大きく変わると思います。一般の2級合格者が100時間で合格するのは極めて難しいと思います。
・当たり前ですが、タイピングが早い人が圧倒的に有利です。Xで受験生の投稿を遡っていたのですが、司法試験合格者も受験していたみたいです。司法試験がCBT化するということで受験生の需要も増えるかもしれない的なことを話されていたので、要求される答案の質が今よりも上がるかもしれません。

必要に応じて加筆修正を行っていきますが、参考になれば幸いです!
質問がありましたら遠慮なくコメントしていってください!
                               みんち

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