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SAS CPAP療法(第20回)

 SASは、睡眠中に特に仰臥位で休むと舌根沈下が起こり気道閉塞を起こす事が原因と説明しました。その結果、睡眠中に酸欠状態になり、様々な症状を引き起こすのです。
 SASに対する治療は、重力を味方につけるうつ伏せ寝ですが、どうしてもそれが出来ない人には、その他の治療が必要になります。       
 下顎を前突させるマウスピース療法や最近では身体に電極を埋め込んで治療する方法もあります。前者は、顎を前突させる方法で必ずしも舌根沈下が防げない欠点があり、後者の電極を埋め込む方法は、そもそも埋め込み手術を受ける必要があり、ハードルが高いと思われます。
 そういう訳で、現時点での最善の方法として、治療の確実性と安全性、保険適応が可能な点から、CPAP療法が推奨されるのです。
 CPAP(Continuous Positive Airway Pressue)持続陽圧呼吸療法とは、仰臥位で起こる舌根沈下に対して、鼻から空気の定常流を送る事で舌を押し上げて、気道確保を図る方法です。

(注釈)鳥籠の所でお話しした様に、胸腔内圧が大気圧より下がることを陰圧と言います。逆に胸腔内圧が大気圧より上がることを陽圧の言います。胸腔内圧が陰圧になったり陽圧になったりして、空気が胸腔内に出たり入ったりします。これが正常の呼吸です。
 これに対して、空気を送り続けた状態での呼吸では、息を吐く時も吸う時も、胸腔内圧はずっと陽圧になります。これが持続陽圧呼吸なのです。

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