高血圧(第6回)血圧測定

 時々耳にすることがあります。患者さんの測る血圧は、信用できないと。
 しかし、家庭血圧と診察室血圧とでは、大きな差があることは、よくあります。診察室血圧が高い場合、白衣高血圧と呼ばれる事もあります。勿論、血圧のコントロールには、家庭血圧を知る事が大切です。
 その為には、患者さんに正しい血圧測定法を指導する必要があります。まず椅子に腰掛けます。上腕動脈で肘のところで、拍動を触って貰います。次にマンシェット(血圧を測る時に腕に巻くもの)を装着します。拍動を触知させながら、自動血圧計を作動させます。腕が締まると共に拍動が触れなくなり、血圧計の数値が下がるにつれて、再び拍動が触れ始めることを体験して貰うのです。そしてこれは心臓が血液を身体に送り出す時に収縮してるのだと説明します。その時の血圧計の数値が、収縮期血圧、最高血圧、上の血圧とか呼ばれるものなんです。
 圧力が下がるにつれて、脈拍が触れていても、自動血圧計では、その音が拾えなくなります。その時の数値が拡張期血圧、最低血圧、下の血圧と呼ばれています。それは心臓が拡張して血液が充填される時の圧力なんです。
 そして座った状態で上腕で血圧を測定する場合、ちょうど心臓と同じ高さになり、正確に測れるのです。
 手首で測るタイプの血圧計は、手首を下げた場合、実際より高くなるし、手首を上げた場合、低くなります。そう言う訳で、手首の血圧計をお持ちの方には、手首を心臓の高さにする様に指導しています。
 しかし、動脈は肘の所で2本に分かれて細くなり、心臓より遠くなるので、誤差が出やすいので、なるべく上腕で測るタイプの血圧計を勧めています。

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