不妊治療と仕事の両立が難しいと感じた理由②(不妊治療をしていることを周囲に言えなかった)

 前回の続きです。
 今回は、退職を選択した理由の一つとして下記の理由について詳しくお話していきます。
 前提として、私は周囲の目を気にしすぎて考えすぎる性格です。この性格が影響しての理由だという点をご理解ください。

2.上司以外のスタッフに自分が不妊治療をしていることを公言する勇気が無かった

 この背景には、もともと自分自身が不妊治療をしている現状を受け止められずにいたことがあります。
 不妊治療を始めた頃は20代だったこともあり、
「若いのに不妊治療しなきゃ授かれないのか・・・」
「早く治療すればすぐ授かると思ったのに思うように進まない・・・」
と悩んでいました。
 自分でもこの事実を完全には受け入れられないのに、それを周囲に知られるなんて耐えられません。
 初めは不妊治療をしていることを上司にも隠しており、最後まで誰にも言うつもりはありませんでした。(その後、不妊治療が長引いたことで隠し通せなくなり上司には不妊治療をしていることを伝えました)

上司以外のスタッフに不妊治療していることを公言出来なかった理由

 一番は「周りの人からどう思われるのかが恐かった」からです。
 不妊治療に対して、ほとんどの人は詳しい知識を持っていないと思います。そして、不妊治療については様々な考えを持つ方がいます。マイナスなイメージを持っている方もいます。そんな人が職場にいるかもしれないと考えると、「自分はどう思われるのだろう」と不安な気持ちが強くなりました。
 
また、職場は女性が多く、妊娠・出産するスタッフも多い環境でした。
 お子さんのいる女性スタッフから何の気なく「子どもはどうするの?」と聞かれた時は、何と言えばいいのか分からなくなり、笑ってごまかすことしか出来ませんでした。
「女性はみんな結婚したら妊娠・出産するのは当たり前」というような雰囲気があり、そんな環境にいるとなんだか惨めな気持ちになってしまいました。
 不妊治療について公表した後に、他のスタッフが自分より先に妊娠した時のことを想像すると、さらに自分を惨めに思う気持ちが増しました。きっとこう思うだろうな。「こんなに頑張っている自分が妊娠できないのに、どうして?」
 妊娠された方も自分に対して気を遣ってしまうかもしれない、周囲は気まずい思いをするかもしれない、自分は素直な気持ちでお祝いできないかもしれないという不安が重なり辛かったです。

最後に

 今思い返すと、起こってもないことを一人で想像して一人で落ち込んでいる状況だったと思います。しかし、当時は後のことをよく考えずに公表してしまうと、更に自分を傷つけることになると考えていました。
 今回はかなり偏った考え方のお話になってしまいましたが、こんな風に考える人もいるんだなという経験談として読んでいただけると幸いです。
 不妊治療で仕事を休むこと(遅刻・早退含む)は避けられないことです。両立されている方は本当に大変な思いをされていると思います。余計な心配をせずに、仕事と不妊治療が両立できる社会になることを望んでいます。


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