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【歌詞語り】はっぴいえんど「夏なんです」

はっぴいえんど「夏なんです」
発売年:1971
作詞:松本隆
作曲:細野晴臣

松本隆さんがこの歌詞を手書きしたというものを、ネット上で発見したときは、度肝を抜かれました。

この「歌詞カード」、「詞」であり「詩」であり「絵画」でもあります。当時松本さんは22歳。奇才にもほどがあります。

日傘くるくる ぼくはたいくつ
日傘くるくる ぼくはたいくつ

「夏なんです」作詞:松本隆

若干気だるい感じの細野晴臣さんのボーカルで歌われるフレーズ。聴いているうちにたちまちに、くるくるとノスタルジックな雰囲気に誘われます。ここに歌われている景色は、自分が体験した「夏」の風景と同じではないのですが、容易に追体験でき、また、実体験にも重なりあってきます。。

「鎮守の森」ではなかったけれど、家の近くの雑木林では、クマゼミの大音声ではなく、ツクツクボウシが歌うがごとく鳴いていた。入道雲は変わらないけれど、降らせるのはゲリラ豪雨ではなく、確かに通り雨だった。

「たいくつ」ではあったけれど、せからしくはなかった。
「夏」が来ても「夏なんです」と寄り添える夏だった。
今は「夏」が来たら、「夏が来やがった」と身を守らないといけない。

#夏の定番曲


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