チュムポーンは変な名前のとおり不思議な片田舎の町でした。
タイツーリングの本格デビューの初日は、いきなり430キロを走破するロングツーリングとなりました。
レンタルバイク屋でバイクを借りたところまでは良かったのですが、当日の朝行ってみたらメカニックのセッティングがまるで出来ていませんでした。
日本から、荷物を載せるバゲッジを持って行ったのでレンタルする前日に、それを持って行ってバイクに付けといてね、と言ったにも関わらず付けいないし、そんなバゲッジはあったっけ?
という感じで、聞いてもバゲッジ無いよ、と言って、ドロンしそうな対応なので、おもわずビックリ!
昨日渡したじゃん!
と言うと、ああ、あれねと言って奥の棚から持ってきて、やっとこ付ける始末でした。
バゲッジは棚の上に無造作に置いてあり、隠すような感じでもないので、なんだか嘘つきというよりは、仕事したくない面倒臭がりの男という態度に、しばし唖然としました。
まー、タイ人というのは、マイペンライ(あまり気にしない)という意味の言葉もあり、そんな性格の人が多いんだなーと思いなおして、その後、街を出発したのです。
当日のバイクで走る、道路のルートの方は、概ね間違わずにうまく行きましたが、、
最後の町につき一安心したのも束の間で、なんと本日のタッチダウンするホテルが見当たりません、
今どきググっても出てこないと言う超ローカルなホテルをウェブからブッキングしたのです。
やっとこ見つけてホテルに入ってゆくと、案の定、ノーブッキングとのことです。
なんだか中国人の親子がフロントの中で、こっちのことをそっちのけで親子そろって喧嘩腰です。
携帯電話でブッキングのサイトを見せると、太った娘のほうが、ホテルの写真をよく見たらホテルが違うと言うのです、
ホテル名が合ってるのに違う?
なんだそれ、結局3件先にある同じ名前のホテルということが判明したのでしたとさ?
そんなことがあるのか?なんだか不思議な町だ!
そしてやっとこ、夕暮れせまる初めての町に出ると、そこはナイトマーケットの露店が広がる町の夜でした、
本日も色々ありましたが、なんだか名前が面白いと言うだけで「チュムポーン」という片田舎の町の中を一通り散策した後に、裏さびれたレストランに入り、やっとこ良く冷やしてあるシンハービールを飲む夕暮れを迎えたのでした。
初めての町にたどり着いて、バイクを降りて静かにホテルに入る。
そして、ゆっくりシャワーを浴びて、見たこともないすすけた町にふらふらと出てゆく。
ここはどこ?わたしは誰?
と言う、日本では決して味わうことのできない瞬間。
なんとも言えない町の喫えたニオイや、道路をトボトボ歩く人の姿をぼんやり眺めながら歩く夕暮れ。
脳内活性化する不思議ワールドにどっぷり浸かるのも、長い人生の中においては、たまにはそんな映画のようなシーンの中に浸ることがあっても良いかもなぁー?
夕暮れに向かって走る未知のくに。
走行距離、470キロ
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