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子育ての隣に本⑥ 片付け下手&激狭な家に住む私に刺さった、本多さおりさんの本

今回は、実用書の話です。
過去に生活情報紙の編集部で10数年仕事していたこともあって、私は実用書が大好きです(特集のネタ収集にも自分の生活にも、お世話になってきました)。
気になった本は買って読み込み、自分には合いそうもないと思ったら躊躇なく手放し(家が狭いので余分な本を置く場所がないのです)、気に入った本だけ手元に置いて、何回も読み返す感じです(すぐ忘れちゃうので)。
その中で、何度となく読み込んでお世話になったのが、各メディアで大活躍中の整理収納コンサルタント・本多さおりさんの「片付け本」です。


『赤ちゃんと暮らす』で、本多さおりさんのことを知る

私が本多さんを知るきっかけとなったのは『赤ちゃんと暮らす 収納・家事・スペースづくり・モノ選び』(大和書房)という本でした。

私は昔から片付けと掃除が苦手なのですが、息子の出産直前(産休中)に、人生で初めて家の片付けを頑張りました。激狭な自宅に、赤ちゃんが暮らせるスペースを確保しなければならなかったからです。
そんな頃、書店で新刊として平積みされていたこの本と出会って即買い! まさに当時の自分にジャストフィットなテーマでした。

本書の目次は「妊娠編」「出産編」「0~3カ月」「4~5カ月」……「1歳」といった感じで、妊娠から始まって、赤ちゃんの成長に沿った構成になっていて、その時期に役に立ったモノ、部屋のレイアウト、家事の段取りで工夫したことなどの情報が紹介されています。当時の私も、息子の成長と合わせて、繰り返し読み込んでいました(この本を読んで買った「トッポンチーノ」という新生児向けの寝具は、本当に役に立った!)。

もしかすると、この本に書かれている内容は、すごく目新しいわけではないのかもしれません。おすすめの育児グッズの情報なんかも、育児雑誌で得られるものかもしれないし。
でも、それらの情報が、本多さんという1人の女性のフィルターを通って、選別されて書かれているところがこの本の意義で、強い魅力となっている気がします。

私は、同世代の友人から1サイクルくらい遅れて40過ぎで出産をしたので、当時「ママ友」と呼べる人は身近にいませんでした。でも、出産と育児って、驚きと不安と感動の連続なので、「同じ境遇にある誰かとそういう気持ちを共有したい!」と思っていました(でも、日々の家事育児に追われて、新しい友達をつくりに行くパワーはないという……)。そんなとき、この本がママ友代わりになってくれていた気がします。

あと、「片付け本」としても、片付け偏差値の低い私にとっては、この本の情報量は入門書としてちょうど良かったです。
それまでにも、片付けの苦手意識を克服したくて、いろんな片付け本や、片付け特集をしている雑誌を買ったことはありましたが、私には情報が多すぎて処理しきれず、おまけに写真に出ている家が広くてオシャレすぎて、狭いわが家にどう取り入れていいのかがわからない……。そんなわけで、スキルが身につかないまま挫折していました。

この本に出てくる、本多さんのおうちの広すぎないサイズ感と、親しみが感じられるオシャレさも、自分にとって絶妙だったんだと思います。この本に出会い、これまでの人生で避け続けてきた片付けに真面目に取り組んでから、苦手意識がほんの少し軽減されました。そのことが嬉しくて、もう1冊、本多さんの最初の著書『片付けたくなる部屋づくり』を買いました。

気取らないオシャレさの神であり、突っ張り棒の神の本領発揮! 『片付けたくなる部屋づくり』

つい先ほど、「本多さんのおうちの広すぎないサイズ感」などと書いてしまいましたが、それは『赤ちゃんと暮らす』を執筆された2017年時点の話。現在本多さんは、ゆとりある広さの超ステキなお住まいで暮らしておられるのが、オフィシャルサイトインスタグラムを見てもわかります(2019年にマンションを購入され、フルリノベーションされたようです)。着実にキャリアを重ねながら、住み替えていく姿にシビれます。

で、その本多さんの原点と言って差し支えないであろう最初の著書が『片付けたくなる部屋づくり』(ワニブックス)です。
整理収納のノウハウもさることながら、生活センスの良さ(オシャレさと合理性のバランス感覚、地に足が着いた感じ)がバチッと感じられて、本多さんのエッセンスがすでに詰まっています。

この本に出てくる、新婚時代に住んでらしたという昭和レトロなマンションのサイズ感が、ほぼほぼわが家そのもので(うちのリビングは洋室だけど)、無駄のない空間活用術が参考になるので、この本は手放さず、ずっとそばに置いています。

特に共感したのは、冷蔵庫の上にも収納ケースが乗せてある所(うちもやってる!)。そう、狭い家で無駄なくスペースを作るには、「上の空間」を空いたままにしてはいけないんですよね……。私がこの本から学んだことです。

「冷蔵庫の上」の話は、ほんの一例で、本書には「空き空間をいかに活用するか」に関する知恵が、かなりぎっしり詰まっています。
わが家のキッチンのコレ(吊り下げラックというらしいですね)も、この本で見てseriaで買いました。


オシャレ感ゼロですみません!(汗) このラック、向かって左側にも1つ吊り下げてて、そこには使い捨てのビニール手袋とか、三角コーナーの代わりに置いてる水切り袋なんかを置いてます

この吊り下げラック、存在は何となく知っていたのですが、本書を見るまでは「これ、いる?」くらいの認識で、完全にスルーしていました。
でも、取り入れてみたら、利便性が格段に上がった! 空間の有効活用という面以外に、目に入りやすい位置にくるのがイイ! 「料理中や食器洗い中にぱっと取れる動線の良さが優れているんだ!」ということを、実際に使って実感しました。

あと、この本に幾度となく登場する、本多さんの突っ張り棒の活用っぷりもすごいです。
押し入れに、トイレに、玄関に……。ことあるごとに突っ張りまくる本多さんに影響を受け、私も挑戦しましたが、突っ張り棒を突っ張らせるのって、不器用な人間には意外と難しい……。
突っ張り方が足りないのか、上にモノを乗せすぎなのか、大抵設置して1~2カ月後に崩落します。
ある日突然ガシャン!(ビクッ!←自分)を2度、3度経験したのち、私にはレベルが高すぎるということで、突っ張り棒チャレンジは諦めました。

今後もことあるごとに読み返し、この本とともにトライ&エラーを重ねるんだろうなと思います。
片付けって、奥が深いですね。
特に、発達っ子の親にとっては永遠のテーマではないでしょうか。
そうした子育てをしながら、片付く家づくりを実践している人の本があったら、併せて読みたいものです。


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