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キミはボクのすべて

夜、晩ご飯を済ました後、息子と二人でノートパソコンを見ながら彼の誕生日プレゼントを探す。

今回、息子が欲しいプレゼントは、

デジカメ

だった。

というのも最近、鳥の写真を撮って観るのが密かな趣味らしく、でもスマホだとズームにすると画像が荒くなるのが残念だと思っていたそうだからだ。

しかし、鳥を撮るのにふさわしいズーム倍率のデジカメはどれも高価なものばかりで、横から妻が

「こんな高いの贅沢すぎて買えるわけないでしょ!」

と至極ごもっともなご指摘をしてくれたから、僕も

「残念だけど、デジカメはサンタさんにお願いするしかないかもね」

と息子に伝えて、彼も

「うん、仕方ないね。誕生日プレゼントは色鉛筆にするね」

と全く駄々をこねることなく、素直に引き下がってくれたのだった。

ただ内心では、今まで貯めていたヘソクリを先日ほぼ使い切ってしまったことを僕は密かに悔やんでいた。

それを軍資金にしたら買って上げられたのにってね。

本当に我ながら、さすがに親バカがすぎるよなあ、と呆れてしまう。

だって自分が彼と同じ年頃の誕生日プレゼントなんて、ジャッキーチェンのシングルレコード一枚切りだったというのに。

でも、一所懸命、鳥を探してはそれをカメラに収めて、お家に帰ってからその写真を嬉しそうに眺めている息子の姿を想像すると、

なんだか涙が出そうになるくらい幸せな気持ちになるんだよなあ。

ああ、そうか。

僕が親バカなのは、結局、彼のためというより自分のためだったんだな。

その後、近くのコンビニまで息子と二人で散歩に出かける。

昼のジメジメと蒸し暑かった天気とは一転して、風が涼しくてとても気持ちがよい夜だった。

この数日、体調を崩し気味だった息子も、まるで別人のように元気で、ずっーと遠くの方まで走って行って、そこからこっちに向かって全速力で戻ってくるという無駄に体力を消耗する遊び?を繰り返していた。

残念ながら、コンビニには、僕が欲しかったメローイエロー(限定復刻してたのだ)は売り切れていて、仕方がないから、別に息子におねだりされたわけじゃないのに、代わりに彼が好きそうなチョコバナナのアイスをひとつ買ったのだった。

そして、行きと同じ道を戻りながら、先日、従姉妹のお姉さんから言われた

「子煩悩の子を取ったら単なる煩悩だよ」

という言葉をずっと反芻していた。

確かに僕は筋金入りの煩悩の塊だし、親としても全然ちゃんと出来ていない。

実際、今の僕は途方に暮れまくっているしね。

でも、そんな僕でもひとつだけ自信を持って言えることがある。

それは、僕は息子のことが本当に大好きで、彼が幸せになることをいつだって心の底から願っているということだ。

だから、最近は週末になると家族揃って寺社仏閣巡りばかりしている。

って結局、最後は神頼みか〜い(苦笑)

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