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乃木坂46『monopoly』MV考察というか、妄想というか
この前、乃木坂46の34thシングル『monopoly』のMVを恥ずかしながら初めてきちんと見ました。
と、とても良い…!(小学生並みの感想)
鮮やかな色彩の中で踊る女の子たち。童話のような美しい世界の中に見えるほの暗さ。
初めはわーきれーいみんな可愛い〜のテンションで見ていたのですが、何度か再生を繰り返すうちに、あれ、このMVってもしかして、物語が形成されている…?と考え始めてしまいました。
他の皆様の素晴らしい考察を拝見して、なるほど!と思いつつ、自分の考察というか妄想もまとめてみたいなと思い、初note記事を書きました。
このMVのひとつの見方として楽しんでいただけたらと思います。無駄に長いです、すみません。
また、雑で荒い考察でもあるので、他の皆様の意見もぜひ聞きたいところです。感想お待ちしています。
○MVの世界観
ネットでもちらほらと意見がみえますが、このMVの世界は、創世記におけるアダムとイブがモチーフになっていると考えられます。なのでまず、創世記のアダムとイブの簡単なあらすじを説明を。
①神によって生を受けた初めての人間のアダムとイブ。純粋無垢な2人は、苦しみのない楽園「エデンの園」で、神様のいいつけを守って暮らしていました。
②神様が留守にしていたある日、イブは蛇に唆され、神様のいいつけを破って「善悪を知る知恵の実」(=りんご)を食べてしまいます。
③これによって知恵を得たイブは、アダムにもその実を食べるように促し、アダムも実を食べます。
④それを知った神様は怒り、2人をエデンの園から追放します。苦しみのない楽園から追放されたアダムは労働の苦しみ」、イブは「子供を産む苦しみ」を負うことになりました。
これが、おおまかなあらすじです。
このあらすじを『monopoly』のMVに当てはめて見てみると、おもしろく見れるんじゃないかなと思っています。
○冒頭4秒
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冒頭に映るのはWセンターの賀喜と遠藤。
2人の目の前には天秤。微笑む賀喜側の天秤皿にリンゴが置かれています。遠藤は石を持っているけれど、置いていない。置くことを迷っているようにも見えます。
賀喜=アダム、遠藤=イブ と仮定します。
また、天秤は2人の情愛の重さの釣り合いを表し、賀喜のりんごと遠藤の石は、それぞれの想いの強さを表していると仮定します。
すると、賀喜は遠藤が好きで、その想いが強く、ストレートに表現していることがわかります。かっきーめっちゃ笑顔だし。
そんな賀喜に対して、遠藤は石を置きません(愛情表現をしません)。さて、何故なのか?
○(0:04〜)庭園でのお茶会
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にこにこと楽しそうに庭園でお茶をする女の子たち。この庭園は、苦しみのない楽園=エデンの園がモチーフになっていると考えられます。だからみんなにこにこ。かわいい。
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賀喜登場。他のテーブルにちょっかいをかけたり、お菓子に夢中だったりと、天真爛漫な様子です。
遠藤は賀喜をにこにこと見つめたり、お菓子のドミノを倒したりと、ほのかに賀喜にアピールしていますが、賀喜は気にもとめずお菓子に夢中。
ここから、遠藤=すでに「知恵の実」を食べたイブ
、賀喜=まだ「知恵の実」を食べていないアダム と仮定しましょう。このMVの中で、遠藤の怪しげな笑みが何度も光りますが、それは彼女が知恵をつけていているという表現なのではないでしょうか。そういえば、創世記でも、イブが先に知恵の実を食べてましたね。
ここからは妄想です。
「知恵の実」を食べて知恵を得た遠藤は、自分が賀喜に向ける愛情と、賀喜が自分に向ける愛情の違いを感じるようになったのでしょう。
賀喜は自分に愛を伝えてくれるけれど、(冒頭の天秤参照)、その愛情は純粋無垢な子供のようなもの。それに対し、自分が賀喜に向ける愛情は、独占欲を孕んだ濃密なもの。
純粋無垢で知恵の無い賀喜は、遠藤の愛の深さや強さを理解できない。(だから冒頭で遠藤は石を置かない。伝えても意味が無いから)
でも、賀喜に自分の愛を理解して欲しい、受け止めてほしい。そして、賀喜の愛を独占したい。
そんな恋の苦しみを抱える遠藤の存在は、苦しみのないエデンの園では異質のもの。
異質な存在を抱え、均衡が崩れた影響なのか、テーブルに並ぶものが崩れていきます。
そして遠藤は……
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賀喜に「知恵の実」を食べさせることを思いつく!
○(1:05〜)崩れ始める世界
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知恵の実を食べることは、神様のいいつけを破る禁忌。遠藤はもうすでに罪を犯しているけれど、遠藤はこれから賀喜にも罪を犯させようとしています。賀喜への独占欲から、罪を重ねる訳です。
この崩れていく世界は、平穏な世界が崩れていく様子を表しているともいえるし、賀喜の愛が得られるならこの世界を全て崩しても構わないという遠藤の気持ちの強さを表しているとも、好きに解釈できそうです。
○(1:17〜)天秤を使う2人
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再び天秤登場です。遠藤が石を置き、天秤が釣り合います。
遠藤が石を置いたということは、遠藤が賀喜に愛を伝えたということ。
ただし、石の色は白色。
きっと、遠藤は賀喜に愛を伝える際に、独占欲などの汚い部分は隠して、綺麗な部分だけを伝えたのだと思います。
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にやりと笑う遠藤。
純粋無垢な賀喜は、釣り合った天秤を見て「自分たちは両思いだ!」ときっと素直に喜んだ事でしょう。でも遠藤はまだ自分の本心を隠しています。「天秤は釣り合っているけれど、私が今あなたに隠している気持ちもこの天秤に載せたら、同じでは無いんだからね…?わたしの方が気持ちが重いのよ?可愛い人。私がこれからあなたに何をしようとしているかもわからずに…」と、重く、ひっそりと笑ったのではないでしょうか。
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(1:30〜)「何?何?」と、ワクワクした表情で、遠藤に顔を近づけていく賀喜。
何か言うのをもったいぶるような表情の遠藤。
遠藤が賀喜の純粋無垢で好奇心旺盛な性格につけこんで、「知恵の実」について吹き込み、食べさせようと目論んでいるように見えます。
○(1:32〜)果樹園での賀喜と久保
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果実をもぎる賀喜に、久保が軽やかに近づき、何かを囁きます。
この久保は、遠藤の持つ情熱や欲、本能のメタファーだと仮定します。
久保の衣装は、赤と黒が基調です。
愛する人を独占したいという薄暗さをもった、遠藤の強い愛情。賀喜にりんごを食べるよう囁いて誘惑します。
○(1:44〜)シーソーがたくさんある部屋での山下
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たくさんのシーソーがある部屋の中を、通り過ぎていく山下。
この部屋はいったい何!?という感じですが、シーソー=「知恵の実」を賀喜に食べさせても良いのか?賀喜に罪を犯させてもよいのか?と揺れ動き、苦悩する遠藤の心理状態を表していると解釈してみました。
その部屋に現れる山下。
山下は、遠藤の持つ純真さや冷静さ、理性のメタファーだと仮定しましょう。
山下の衣装は、青と黄色が基調です。
愛する人をただ強く想うという光のような純粋さを帯びた、遠藤の心の理性的な部分。
これだけのシーソーが傾いているということは、遠藤は自分の理性が大きく揺らいでいると解釈できます。
情熱や欲のメタファーである久保は賀喜に近づいていき(賀喜に知恵の実を食べさせたいと思うから)、理性のメタファーである山下は遠藤に近づいていきます(賀喜に知恵の実を食べさせてはいけないと思うから)。
○(1:55〜)久保、山下、賀喜の顔が激しく入れ替わる
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久保→山下→久保→遠藤→山下→久保の順で、映像が激しく入れ替わります。
欲(久保)と理性(山下)の間で激しく揺れる遠藤ですが、最後に映るのは久保なので、欲の勝利。
そして…
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賀喜は、「知恵の実」を食べました。
○(2:22〜)賀喜と遠藤のダンス
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賀喜と遠藤が2人で踊ります。天真爛漫な賀喜と落ち着いたミステリアスな雰囲気の遠藤と、テンションや目線が異なっていた2人が、ここでは息ぴったりの様子。
知恵の実を食べたことで知恵をつけた賀喜は、遠藤の想いを理解し、そして受け入れることができたのでしょう。本当の意味で2人の思いが通じあったように見えます。
○(2:40〜)お茶会の終焉
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でも、めでたしめでたしとはいきません。2人は神様の言いつけを破るという禁忌を犯しているのです。
お茶会は終わり、にこやかだった女の子たちから笑顔が消え、穏やかだった空も曇ってゆきます。
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上手く切り取れませんでしたが、この場面の右上で雷が鳴ります。賀喜と遠藤の罪を知った神の怒りです。
○(2:50〜)賀喜と遠藤の背景が崩れる
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2人の罪により、楽園が崩壊していきます。
賀喜は無邪気な笑顔を浮かべています。賀喜はまだ自分の罪の重大さと受ける罰、これから待ち受ける困難に想像が及ばないのでしょう。知恵の実を食べたのも、遠藤に唆されたという経緯があります。
一方遠藤は、罪の重大さを理解しつつも、自分の欲のために禁忌を犯しました。自分の罪も、これから待ち受ける罰もわかっているので、満面の笑みにはなれません。それに、遠藤に知恵の実を食べさせられ、楽園を追放された、と賀喜に嫌われる恐れもあります。愛する人に嫌われること、遠藤にとっては楽園追放よりもそれがいちばん怖いでしょう。
○(3:02〜)全員のダンス
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全員のダンスの場所が、明るく美しかった庭園から、暗い廃墟に変わります。
これは、賀喜と遠藤が楽園を追放されたことを表現していると解釈できます。
苦しみのない楽園を追放された2人には、今まで経験したことの無い、様々な苦しみが待ち受けています。創世記でも、アダムとイブはそれぞれ神から苦しみを与えられます。
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でも最後に、賀喜が遠藤の手を握ります。「大丈夫。貴方のことは、私が守る」というように。その表情はきりっとしていて、頼もしい。
知恵をつけた賀喜は、遠藤を責めませんでした。遠藤の愛を受け入れ、愛し、彼女を「守る人」になったのでした。
そして、力強く2人で前を向いて、曲が終わります。きっと、これからの困難を2人で乗り越えていくのでしょう。
○ラストカットの天秤
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り、りんごの方が重くなってる…!?
なんて憎い演出!最後の最後でこんなのもってくるなんて…!
MVは遠藤の独占欲に寄り添って進んでいたので、視聴者はもちろん遠藤の愛>賀喜の愛 だと思っていたはず。なのになのに、最後は賀喜の方が重い愛情を抱いていたことが発覚するなんて…。
この意味を考察するのもまた楽しいですね。
・遠藤が自分の独占欲を初めに隠していたように、賀喜も実は遠藤への独占欲を隠していた
・賀喜が知恵をつけたことで、遠藤へ強い独占欲を抱くようになった
どう転んでも美味しいです…ありがとうございます。
勘違いかもしれませんが、遠藤が置いた白い石が少し濁った色になっているようにも思えます。(照明で濁ったように見えるだけかもしれませんが…)
遠藤は、賀喜に独占欲を含む自分の強い気持ちを全てさらけ出せたということでしょうか?
さらけ出してもなお、賀喜の方が強い愛情で包み込んでくれた…?
これもまた美味しいです…ありがとうございます。
○終わりに
さて、長々と読んでいただきありがとうございました。考察と妄想、楽しかった〜!!
この曲が発売されてから時間が経っているので、私のような考察は今さら感があるかもしれません。
ただ、こんな事考えてる奴いるんだなー、おもろ笑、といった具合で楽しんでいただけたらと思います。
☆蛇足
今回のMVでは4名のメンバーにしか触れませんでした。賀喜はアダム、遠藤はイブ、久保と山下は遠藤の本能と理性のメタファーと考察しましたが…
じゃあ、他の子は??
ここで、気になるのが創世記。
創世記では、何もない世界に、神は7日間かけて様々なものを創ったと言われています。いわゆる天地創造です。
光と闇(1日目)
空(2日目)
海と大地と植物(3日目)
太陽と月と星(4日目)
魚と鳥(5日目)
獣と家畜、人(6日目) ※ここでいう「人」が、アダムとイブです
例えばですが、メンバーが上記のメタファーになっていたらおもしろそうだなと思っています。
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岩本は光、富里は闇(1日目に創造)
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梅澤が太陽、筒井が月と星(4日目に創造)
なーんて!
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