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ビニールハウス イ・ソルヒ:監督

とにかくよくできていた。脚本がかなり秀逸だった。思えば息子と一緒に暮らしたいという、極ありふれた願いが発端だったのに、次から次へと不運が重なり、皆が不幸になる結末は救いのない悲劇そのものだった。しかし、その悲劇そのものでしかない物語が見方を変えるとコメディのようにも見えてしまうのが辛い。一つ一つの選択が絶妙に間違えており、ほんの少し違った選択をするだけで結果は全く別のものになっていただろうにと思うが、貧困、障害、老いなど様々な生きにくさの渦中にある彼ら彼女らには結局のところ、他の選択肢はそもそも存在していなかったのかもしれない。

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