番組ナレーション


地球にはまだまだ不思議がいっぱい詰まっています。
『地球!不思議大自然』今日の主人公は、アフリカのサバンナに住む世界最大の鳥、ダチョウです。
なぜ鳥でありながら飛ぶのをやめ、地上で暮らす道を選んだのでしょうか。
なぜ肉食動物の多いサバンナで、飛ばない鳥が生き延びることができたのでしょうか。

その謎を紐解いてみましょう。
もともとダチョウは飛ぶ鳥から進化してきたと考えられています。今は求愛などにしか使っていない翼も、構造は基本的に飛ぶ鳥と同じです。

太古の昔、森に住んでいたダチョウの祖先は、稲科の植物が生える草原に進出したと考えられています。
繊維が多く固い稲科の植物を消化するため、長い消化管を持つようになりました。
それにつれて、体もどんどん大きくなっていきました。

やがてダチョウが進出した草原に肉食動物が現れるようになります。
しかし、体が大きなダチョウは、もはや飛んで逃げることはできませんでした。
そこで、敵から走って逃げるため、長い脚を獲得します。それと同時に地面の草を食べるよう、長い首を持つようになったと考えられています。

こうしてダチョウは飛ぶことをやめ、地上で生活するようになったのです。
巨大な体をもつダチョウは、敵から走って逃げるためには、並外れた瞬発力を生み出す、強力な脚が必要でした。
1mもの長い脚。蹴る力を一点に集中させるための、大きなかぎ爪。
いづれもより速く走るためのものです。
最高速度は時速70キロ。サバンナでは、チーターに次ぐ速さです。
ダチョウは速く走ることで、天敵から逃れ、地上で生き延びてきたのです。

(『地球!不思議大自然』より引用)

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