行政機関のDX人材は内製化すべきだ

データから見る都道府県別自治体DXの進展状況

 市区町村といった基礎自治体のデジタル化が遅れているようである。役所や警察署等の手続きは、地域によって相当なばらつきがあり、デジタル化の時代とは程遠い状況だ。

 導入が遅れている理由はただ一つ、緊縮財政だからだろう。当たり前だが、デジタル化するにはアイデアだけでは不可能で、電子機器の導入や人材育成などの予算をつける必要がある。だが、中央政府はまともに予算をつけないどころか、地方交付税交付金は平成22年をピークに毎年減らされている。予算がない以上、デジタル化どころではない。

 また、DX人材の外部登用が全国で9.4%しか進んでいないという指摘も大いにつっこみどころだろう。個人情報の塊である行政機関のデータを取り扱うのは内部の人間でなければならないはずだ。行政の個人情報の取り扱いを民間企業に委託する時点で、日本はどうかしている。

 民間企業からシステムや器材を導入するのは理解できるが、人材を外部登用するという発想は、緊縮財政だからこそ正当化されるのだろう。内部の人間ではない民間業者が、行政の個人情報を扱うというのは、常識で考えて正気の沙汰ではない。デジタル社会の塔らなぞ、素人でも20年以上前から分かっていただろう。中央政府が設備や人材にしっかり予算をかけていれば、内製化も十分可能であったはずだった。我々は緊縮財政国家の没落をリアルタイムで見ているの。


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