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一目惚れ後の悩み、婚活に似たもの

ひとめ惚れして、運命だ!と思い、婚姻届を出すところまで行くも、「あれ、ここ思ったのと違う気がする…」と迷いが生じる。いまの気持ちを例えて言えば、そんな感じだ。両家の挨拶を前に、「いいのか、これ、結構高い買い物だぞ?」となっている感じ。

そんなわけで、ここのところずっと転居先探しをしていた。
いまの部屋の更新が迫っていること、
杉並区民歴20数年、そろそろ環境を変えてみたいと思ったこと、
運気的に「今年は引っ越しにベスト」と書いてあったこと(byゲッターズ飯田ほか)などなど、いろいろな理由が重なって、引っ越すことは決めていたのだけれど、問題は引っ越し先だ。

どのエリアに引っ越すか、間取りや予算など条件をどう設定するか、候補エリアを回り、いくつかの不動産に相談し、あれこれ言われて少しずつ妥協し、経験はないが、婚活で結婚相談所めぐりをしている気分だ。

そんななか、何件目かの不動産屋で見せられた間取りのなかに「ちょっと気になる」ものがあった。
いいかもしれない…。実際、会ってみたい。結婚相談所なら、そう言っただろう。
そんなわけで内見に至ったのだが、中に入った瞬間の印象がよかった。
窓が大きくて、明るい、のだ。
建物自体は古いが、リフォームがきちんとされているので気にならない。
トイレやお風呂、キッチンも見たけれど、とにかく、その明るさにやられた。好きな感じだ、と思った。
まだ20代のときに、部屋探しをしていて一目惚れした物件と明るい雰囲気が似ていた。そこは予算と合わず諦めたのだけれど、契約しなかったことをずっと後悔していて、いまだ部屋の光景を思い出すほどだ。
恋か? 恋なのか?
年齢はいってるけれど、ぱっと見た感じの清潔感がよい!みたいな。昔好きだった人の面影を思わせる、そこに運命を感じる、みたいな。
さらに、駅からマンションまでの道の雰囲気もよかった。なにせ緑が多い。
そこで気づいた。これは私が惚れるパターンだ。
過去に住んできた物件たち(例えるなら元カレたち)、ことごとく「部屋が明るい」「周辺に緑多め」なのだ。

不動産屋さんの説明があったと思うが、もはや何を言われたか覚えていない。「ここにするかもしれませんが、少し考えさせてください」と一旦持ち帰るも、気がつくとその姿ばかり思い出す。あげく、「住んだらどうだろう」と妄想が膨らむ。
経験はないけれど、婚活もこんな感じなんだろうか。

その後、もう一件気になっていた物件を見たが、明るさは叶わなかった。
そこで、まだ空いていたなら、あの人にしよう。そう心を決めたわけだ。
が、恋愛と結婚は違う。
1週間後、申込みのため不動産屋に再び足を運び、現実的なことを考え始めてから、あれこれマイナス要素に気づき出した。
収納スペース、足りなくないか?
間取り的に、使いにくくないか?
いまの彼氏(部屋)と比べて、不安な要素がぽろぽろと出てくる。
この結婚(住居契約)大丈夫だよね?

この感覚、ほかにもあった気がする。
携帯やパソコン、時計やバックを買うとき。最初は見た目や印象が気になるも、よくよく考えていくうちに、メーカーは? 機能性は? 長持ちする? と、いろいろ細かい部分が気になっていく。
経験はないが、車もそうだろうか。
そして、専攻や仕事、学校や職場を選ぶとき。最初の印象と実際かかわってからの現実はえらく違うものだ。いろいろと不満も出てきたりする。自分に合わないのでは、と思い始めたりする。

そんなとき、どうするか。
新しい部屋を前に、こう考えた。
ここから作ればいい。足りない部分は自分が合わせるなり、工夫をほどこすなり、歩み寄ればいい。
そういえば、いまの部屋も、その前の部屋も、入ってからいろいろ問題は出てきた。住みながらアレンジし、結果心地よく暮らしてきた。
収納スペースが少なければ、収納上手になれるかもしれない。無駄な買い物が減るかもしれない。
部屋に合わせて、生活スタイルが変わっていくのも面白い。
いまの部屋の生活スタイルとまるで変わるかも知れないけれど、それも面白い。
経験はないが、結婚もそうなのだろう。
完璧はない。ものすごくお気に入りのところが1ヵ所あればいいじゃないか。

というわけで、おそらく私は引っ越すのだ。
なんだかんだ言って、気に入っているのだから。
細かいところはどうにかなるだろう(楽観的)。
まだ、オーナーの審査中だけど。無事契約できますように。
引っ越しの各種手続きと荷造りを考えると、多少面倒にはなるけれど。
「大事なことは、だいたいめんどくさい」というから!(by宮崎駿)

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