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「でも」から始まる素敵な出会い

「でも」という言葉はあまり使わないほうがいい、と、よく言われる。
「でも」はネガティブな思考を生むので、良くない言葉だという。
なので、「でも」を極力使わないようと、意識するようにしていたら、なんだか言葉がうまくつなげない。
そうこうするうちに、「でも」禁止令を忘れ、うっかり「でも」を口にして、あぁ言ってしまった……と、ちょっと反省したりする。
でも……「でも」って本当に悪い言葉なんだろうか。ネガティブな言葉なんだろうか。

先日、新しい仕事の件で打ち合わせをしていたときのことだ。
相手は、最近知り合ったばかりのデザイン事務所の社長さんだ。
詳しい話や状況を聞きながら、これは面倒な案件になりそうだなぁと思い、そのとおり伝えた。すると、彼はおおらかに笑い、こう口にした。

「でも、面倒なぶん面白くなるかもしれませんよ!はっはっはっ」

思わずこちらまで笑ってしまった。
「でも」なのに、めちゃくちゃポジティブじゃないか!

そんななか、コーチングの先生の話を聞く機会があった。
「今はタイミングじゃないと言って、やらない人も多いですね。
でも、タイミングはいつ来ますか?」

思わず考え込んでしまった。
「でも」のおかげで、根本的な問題に気付かされたじゃないか!

もちろん、相手がやりたいことや喜んでいることに、「でも」と否定するような使い方は、あまりよろしくないことはわかる。
「でも、それって無理じゃない?」とか、「でも、よく考えてみたほうがいいんじゃない?」とか。「でも」で相手の意見をジャッジする場合もある。
でも、だからといって、「でも」のすべてがネガなわけじゃない。
明るい発展型の「でも」もあるのだと、「でも」に敏感になって気づく。

そういえば、ある人が後輩の善行について、「自分がそうしてもらった経験があるから、自然とそれができるようになったんだろう」と語っていたが、確かにそうかもしれない。
自分が誰かに言われた言葉でいいなと思った言葉は、同じように誰かに贈ってみる。
誰かにやってもらっていいなと思ったことは、同じように誰かにしてみる。
私の友人で、なにかあるたびに花をプレゼントしてくれる子がいるけれど、両親なのか、周りの人なのか、彼女はそうしてもらった経験や思い出があるから、それが自然とできるんだろうなと思う。

「でも」がよくないと言われて、「でも」に気を使っていたけれど、「でも」の素敵な使い方をする方と出会い、私のなかの「でも」が変わった。
そもそも「でも」って、切り替えの言葉だもの。

「でも」に限らず、言葉自体に良い悪いもなく、使い方次第、なのかもしれないなぁ!


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