見出し画像

「こびとの靴屋」は推し活だったという発見について。

最近、衝撃の発見があった。
それは、『ブレーメンの音楽隊』だ。

きっかけは、「懐かしい記憶を味わう」企画。
仕事で新しい情報をインプットし続けているので、
寝る前くらいは、脳をリセットしたいと思い、
自分の脳内にある、古いデータを掘り起こすことを始めてみたのだ。
寝る前なので、気軽なものがいい。
そこで、思いついたのが、You Tubeで童話を聞くことだった。

すでに知っている話だけに、安心して聞いていられる。
5分かからない、手軽さもいい。
子供に読み聞かせるものだから、心にも優しいだろう。
そんな気持ちで、毎晩、1話ずつ聞くようになった。
実際試してみたら、意外に覚えていないもので、日々発見だらけなのだ。

そういうわけで、『ブレーメンの音楽隊』だ。
ロバやらメンドリやらが一緒になって、ブレーメンの音楽隊になろうと旅に出るなかで、盗賊たちを懲らしめる、というざっくりした内容は覚えていた。
が、主人公は、単なる動物集団ではなかった。
最初に出てくるのは、年老いて重い荷物を運ぶことができなくなり、飼い主に追い出されたロバだった。
次に出てくるのは、鼻が効かなくなって役立たたず扱いされた猟犬だった。
その次が、牙が折れてネズミをとれなくなった猫で、
最後に加わるのが、喉を痛めて、うまく鳴けなくなったメンドリだった。
つまり、全盛期を過ぎて、以前のように活躍できなくなった老動物たち。
マジか! 途端に重い話じゃないか。
幼い子供には、その切なさはわからないよなぁ。

そして、そんな彼らが、協力して盗賊たちを追いやり、新しい住処を手にするのだ。
教訓はどうこうというより、
主人公たちに対する捉え方が変わり、それが衝撃であり、面白かった。

古いデータのアップデートは、
新しい情報のインプットより、なかなかに刺激的だ。

昨晩は、『こびとの靴屋』だった。
詳しくは覚えていないけれど、子供の頃、大好きな話だった記憶はある。
大変なとき、夜寝ているあいだに、こびとの靴屋が来てくれて、
仕事を終わらせていてくれていた。そんな話だったと思う。
それで、仕事が山積みになるたび、こびとの靴屋に来てほしいものだと思っていた。
これが、あらためて見てみたら、ものすご〜く素敵な話だった。

貧しい靴屋のおじいさんは、いい靴を作るが、なかなか売れずにいた。
靴を作る革が買えず、最後の一足分の革を残して床についた。
ところが翌朝起きてみると、素敵な靴ができあがっていた。
その靴はすぐに売れ、おじいさんは2足分の革を買った。
すると、その次の朝起きてみると、素敵な靴が2足できあがっていた。
靴はまたすぐに売れ、おじいさんはまた新たに革を買った。
おばあさんは、今夜はこっそり様子を見てみましょうといい、
その晩、靴屋の夫婦が起きていると、2人のこびとがやってきて、靴を作り始めたのだ。
2人は、こんな話をしていた。
「ダメダメ、おじいさんはもっと丁寧に縫っているよ」
「おじいさんのように作らなきゃ」
つまり、こびとたちは靴屋のおじいさんのファンで、一生懸命真似をしていたわけ。
夫婦はこびとたちにお礼をしようと、おばあさんは彼らの服を、おじいさんは彼らの靴をつくり、そっと置いておいた。

ってなことがあり、こびとはぱたりと来なくなるのだけれど、
「あの靴屋の靴は、見た目も素敵なうえ、履きごこちやよく、丈夫だ」
という評判が広がり、おじいさんが作った靴はどんどん売れるようになった。

そんな話だった。
めちゃくちゃ、感動的な話じゃないか!
ただ単に、大変なときに手伝ってくれるこびとがいたらいいなという安易な話ではなかった。
そもそもおじいさんはいい仕事をしていて、
ファン(こびと)の細やかな手助けが、その魅力を広めることになったのだ。

そんなわけで、童話の再発掘は新しい情報よりワクワクするわぁと、私の毎晩の楽しみになっている。

ちなみに、友人が、「これ癒やされるから」と教えてくれた動画がある。
これを見て、「こびとの靴屋」を思い出した。
とっても可愛かったので、シェアしたい。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?