4/13 日体大記録会 振り返り

昨日(4/13)、日体大記録会が開催され、日大からも多くの選手が記録会に参加しました。お昼過ぎは日差しが強く、記録を狙うには厳しいコンディションに思えましたが、次第に暑さも和らぎ、16時過ぎからは好条件と言えるコンディションに変わっていきました。最終組の衝撃を含め、自己ベスト更新者が多数出た点は収穫だったと思います。その反面、日本人選手で13分台ランナーが誕生しなかった点は今後の課題になっていきそうです。まだチーム全体として足並みが揃っていない感じもしますが、今回復調を見せた主力選手もいましたし、来月の関東インカレや再来月の全日本予選に向けて、チームの総合力を高めてほしいと思います。


1500m
4組
3着 堀川裕生① 3:53.10

日差しが強く、暑さが厳しいコンディションの中、序盤から縦長のレース展開。堀川選手は3.4番手の位置から、途中で抜け出した前2人に追いつき、後方から追いついた選手を含めてのラスト一周勝負となりました。関東インカレA標準はお預けとなったものの、3着という着順を含めて内容はまずまずだったと思います。



5000m
3組
17着 長岡颯太① 15:31.86
29着 小久保温人① 15:54.40

まだ暑い中、風もある程度吹く中でのレース。その状況で最初の1000mは2:53とハイペースのスタートとなりました。長岡選手は2000m付近まで先頭集団で戦いましたが、3000から4000mのラップが3:20程かかってしまい、自己ベスト更新とはならず。小久保選手は1000m過ぎに集団から遅れ、2000m以降は3:15/kmを超えるラップとなってしまいました。気象条件も含め、2選手にとって厳しいレースにはなりましたが、攻めた結果得た課題を今後に繋げていきたいですね。


4組
3着 橋本櫂知① 14:52.36
14着 夏井翔大② 15:14.99
28着 千葉大門② 15:43.19

3組に比べると日差しが弱まり、暑さも少し和らいできた中でのレース。ただ、ペース自体は3組より落ち着いたものになりました。日大勢最上位だったのは全体3着に入った橋本選手。常に好位置をキープして、安定したレース運びでした。ラストのスプリント力も良いものがありましたし、条件次第ではすぐに自己ベストを更新できそうです。夏井選手は序盤集団後方に位置していたことが仇となり、2000m付近で集団が割れた際に前に追いつこうと一気にペースを上げた点が痛かったですね。その分が3000mからの落ち込みに繋がった気がします。これも経験の一つとして次に繋げたいですね。千葉選手は2000m以降がかなり苦しい走りとなってしまいました。身体つきにまだ余裕があるように見られたので、次のレースでは更に良化した姿が見られることを期待したいです。


5組
2着 重森朝陽① 14:37.71 PB
7着 黒川遙人① 14:43.35 PB

徐々に走りやすいコンディションになった中 、1000m2:51とかなりのハイペースでスタートした5組。その1000m付近で抜け出した東京経済の鈴木選手を重森選手が単独で追いかける展開になりました。2000mを5:45で通過後、先頭を走っていた鈴木選手が苦しくなり、重森選手が単独先頭の状態がラスト一周まで続きました。しかし、最後はペースが上がらず、2着に敗れてしまったものの、自己ベストはしっかり更新。PBを更新できた上、攻めた結果として課題が明確になったことも次に繋がると思います。黒川選手は重森選手とは対照的に集団内でじっくり脚を溜める走り。苦しくなってからも集団後方で粘る走りが続き、ラスト1000mは2:55程のタイムでカバーし、見事に自己ベストを更新しました。中盤の粘りを見ると、距離を伸ばしての走りも楽しみです。


6組
5着 山室陽太② 14:31.88 PB
12着 森翔哉① 14:38.49
16着 長谷川豊樹② 14:40.17 PB

この組辺りからはもう好記録を狙えるような気象条件だったと思います。日差しの強弱の差は大きいですね…。1000mは2:53とまずまずのスタートだったものの、そこから中弛みがあり、3000m通過は8:50程とペースがさほど上がらなかった6組。日大勢トップは山室選手でしたが、序盤は日大勢で最も後方に位置していました。しかし、4000m付近で2番手に上がると、自分で一気にペースを上げ、ラスト2周辺りでは先頭を引っ張るシーンもありました。PB更新は勿論ですが、それ以上にレース内容に大きな収穫があったと思います。森選手と長谷川選手は似たような位置を走ることが多く、森選手は2000m過ぎに先頭を引っ張るシーンもありました。長谷川選手も位置取りは終始前方でしたね。森選手は自己ベストに届かなかったものの、ペースも大きく影響したと思うので、内容は悲観するものではなかったと思います。長谷川選手もラストのスプリント力で前とは離されましたが、16着という順位以上に内容は良かったと思いますし、自己ベストを更新できた点も勿論次に繋がると思います。


7組
4着 冨田悠晟③ 14:19.56 PB
12着 大仲竜平③ 14:27.63
18着 長澤辰朗① 14:31.66 PB
23着 鈴木孔士③ 14:40.83
26着 齋藤健人① 14:51.32
27着 岡田祐太④ 14:54.68

日大勢では3年生の主力が多くエントリーされたこの組。絶好に近いコンディションになった中、安定したペースでレースは進んでいきました。日大勢トップは冨田選手。序盤は集団中程で慎重にレースを進めながら、勝負所の3000m過ぎから集団の前方へと徐々に進出。ラスト200mで脚が止まり、惜しくも4着となったものの、ラスト1000mのタイムは2:45に上げて、14:20を切る好走。3月末に練習に復帰ということでしたが、実力をしっかり示してきました。チーム2番手の大仲選手も比較的安定したレース運びでした。惜しくも自己ベスト更新とはならなかったものの、14:55だった1週前の東海大対校から大きくタイムを上げてきたのは嬉しいニュース。冨田選手共々、順調なら全日本予選までに本来の力を取り戻してくれそうです。差がなく続いた長澤選手は積極的な走りが目立ちましたね。3000m手前までは全体2〜4番手の位置をキープしていました。ラストは苦しくなりましたが、それでも自己ベストを更新。収穫も課題も見つかった良いレースになったと思います。先述した3選手とは対照的に心配が勝ってしまう結果になったのは鈴木選手。序盤に攻めるのはいつものスタイルなのですが、箱根以降、後半が全く伸びないレースが続いているのは心配です。少し休んで、身体の状態やフォームを確かめる時間を作れると良いですね。齋藤選手は2000m付近まで集団に食らいついたものの、東海大対校の1500mでも4分を超えるタイムになっていたので、現状は本調子とはまだ程遠い状態でしょうか。少しずつ環境に慣れて、本来の力を発揮できる状態に持っていきたいですね。岡田選手は序盤から苦しい走りで、東海大対校3000mSCで1着を勝ち取った力を示すことはできませんでした。おそらく関東インカレは3000m SCで出場することになると思うので、国立の大舞台で本来の実力を発揮してくれることに期待したいです。


11組
15着 山口月暉③ 14:01.50 PB
19着 高田眞朋② 14:08.25 PB
23着 山口聡太② 14:12.13
26着 山口彰太② 14:27.10
31着 小路翔琉③ 14:34.70

9組から13分台が続出し、多くの13分台ランナー誕生を予感させた11組。実力者であるSGHの近藤選手が1000m2:44、2000m5:29と素晴らしいペースを刻みました。日大勢最上位は山口月選手。3000mは8:19程の集団で通過。13分台が狙えるペースでしたが、ラスト3周辺りからやや伸びを欠き、惜しくも14:01でのフィニッシュとなりました。ただ、自己ベストは大きく更新しましたし、1週前の東海大対校がやや心配な結果に終わっただけに、ここでの好走は一安心でした。2番手に入った高田選手は2000mではチームで最も後ろを走っていましたが、冷静に少しずつ前を追い上げる走りを見せてくれました。ラストは素晴らしい切れ味を見せ、関東インカレのA標準を突破。何もなければ関カレ出場も堅いと思うので、国立で更に進化した走りが見られることを期待したいです。惜しいレースになったのは次にフィニッシュした山口聡選手。2000m付近で大きく位置を上げて勝負を出ましたが、3000m以降に大きくペースダウン。タイムは悪くありませんが、中盤以降の粘りは昨年からの課題となっており、その課題が克服できれば、今後主力としての活躍が期待できます。聡太選手の兄の山口彰太選手も今回は後半の粘りが効かなかった印象。4000mまで高田選手のすぐ後ろにいただけに、ラスト1000mで15秒以上差を開けられたことは悔しかったと思います。ハイペースに挑戦した経験を今後に繋げたいところ。小路選手は序盤は日大勢では一番先頭、全体でも5番手付近を走っていました。結果的に苦しくなるのも一番早く、タイムも伸びませんでしたが、久々に小路選手らしいスピード感溢れる走りは見られたので、次走での良化が楽しみになるレースだったと思います。


12着
1着 シャドラックキップケメイ② 13:20.86 PB

全てを持っていったこの選手の走り、まさに衝撃でしたね。ヤクルトのワイザカ選手や東京国際のベット選手がレースを作っていたものの、3000mは8:08、4000mは10:52。「シャドラック選手が出場するレースはいつもペースが上がらないなぁ…」と心の中で不運を嘆いていましたが、その後に他選手を置き去りにし、ホームストレートで時計を見た時は驚きしかなかったです。ラスト1000mのタイムは推定2:28。この走りができれば、学生最強と謳われる東京国際のエティーリ選手に真っ向勝負で勝てるのでは?と大きな夢を抱かせてくれるような凄まじい走りでした。

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