4/27 日体大記録会 振り返り

一昨日の27日、日体大記録会男子10000mが行われ、日大からは19選手が出場しました。全9組+NCG1組が行われましたが、日大選手3名が組1着を勝ち取ったのは収穫であり、中には日大ファンのみならず、他チームのファンにも大きな衝撃を与えるレースもあったと思います。その一方で、主力候補として期待されている上級生のタイムが総じて伸びなかった点は心配ですが、殆どが関東インカレにエントリーしている選手達なので、その関東インカレで本来の走りが見れることを期待したいですね。


日体大記録会
男子10000m


2組
1着 森翔哉① 30:27.21 PB
2着 橋本櫂知① 30:29.08 初
3着 黒川遙人① 30:35:52 PB
13着 堀川裕生① 31:23.46 初
15着 杉本一太① 31:37.34 PB
20着 石川悠斗① 31:49.67 初
23着 細谷流音① 32:01.12 初
30着 齋藤健人① 32:56.77 初

蒸し暑さを感じる時間帯でしたが、3kmまでは3:00/km程のある程度速いペースとなりました。最後まで先頭を争ったのは森、橋本、黒川選手の日大勢3人。その中で、表情に一番余裕が見えた森選手が組トップを勝ち取りました。ラスト一周で森選手と激しい争いを繰り広げた橋本選手が続き、黒川選手も3着に食い込みました。前半がハイペースだっただけに、各選手ペースの落ち込みが大きかったレースとなりましたが、4着を15秒以上離した3選手の力は抜けていましたね。3選手ともタイム以上に内容が良く、上級生の復調状況次第では全日本予選のメンバー入りの可能性もありそうです。チーム4番手の堀川選手は距離への不安が拭えていなかったかなというレーススタイルでしたが、終盤には一度前に行かれた杉本、石川選手を抜き返す粘りを見せました。今後はどの距離を主戦場にするのか注目。杉本、石川選手は共に前半は集団後方で待機。集団のペースが上がった時に先頭から大きく離されたものの、粘りの走りで少しずつ前を拾う走りを見せました。今後は、スピードと終盤のもうひと粘りという課題を解消して、更に上のレベルで戦いたいところ。細谷選手は現状は力負けというレースでしたが、最後まで諦めず、後半は前を行く石川選手を懸命に追いかける走りを見せました。この粘りを今後の飛躍の糧にしたい。齋藤選手は4000mで集団が割れた際には先頭集団を追いかけ、チーム4番手を走る時間帯もありました。しかし、そこからのペースダウンが厳しかったですね。力は確かなだけに、少しずつでも本来の状態を取り戻してほしいです。


4組
1着 重森朝陽① 29:37.46 初
7着 長澤辰朗① 30:13.65 初
10着 小路翔琉③ 30:19.50 PB
24着 岡田祐太④ 31:21.54

まだ蒸し暑さが僅かに残る中、先頭は29分台ペースが刻まれ、そこに終始重森選手が食らいつきました。ラスト一周は3人での争いになりましたが、重森選手が爆発的なスパートで見事に組1着を勝ち取りました。2週前の5000mでは脚が溜まっておらず、ラスト一周で先頭を明け渡す悔しい走りになりましたが、今回は見事に課題を修正、それどころか驚きしかない走りを見せてくれました。ここまで走れるなら、全日本予選メンバー入りの可能性も十分あり得そうです。長澤選手は苦しくなるタイミングが早かったものの、そこからの粘りは大きな収穫。現状はスピード面で若干課題はあるものの、今後の成長次第では全日本予選メンバー入りも狙っていけると思います。小路選手は中盤まで長澤選手より余力が感じられる表情をしていましたが、思ったより集団から遅れるのが早かった印象。現状はまだ身体が仕上がっていなかったのでしょうか。ハマった時のスピードは素晴らしいものがありますし、今後の復調に期待です。岡田選手は序盤から苦しく、今回も本来の走りができませんでした。得意種目でエントリーしている関東インカレで本来の走りを見せてくれたらと思います。


6組
35着 山口彰太② 31:31.77

前半2000mは28分台を狙えるハイペース。その流れに乗ってレースを進めていた山口彰太選手でしたが、集団のペースが落ち着き始めた4000m過ぎに突如ペースダウン。そこからは粘りも効かず、完走が精一杯という走り。今回は良い点を挙げるのが難しいレースになってしまいましたが、関カレ1500mに照準を合わせていることを期待したいですね。


7組
12着 高田眞朋② 29:39.75 PB

3000mまでは全体で良いペースが刻まれましたが、3000〜7000m間は3:00/km前後と記録を狙うのが難しいレースになってしまいました。その中で、スタートから集団中程でレースを進めていた高田選手ですが、7000m付近で集団から遅れてしまいます。粘りを見せたいところでしたが、遅れてからは表情が一気に苦しくなり、ペースダウン。タイムを見ても、地力がついていることは確かなので、中弛みの課題を少しでも解消して、次戦である関東インカレを戦い抜きたいですね。


8組
19着 滝澤愛弥③ 29:46.37 PB
25着 大仲竜平③ 29:57.39
27着 山口月暉③ 30:00.98
28着 鈴木孔士③ 30:01.46

終始國學院の青木選手がレースを引っ張り、28分台を狙うには絶好のペースメークを見せました。日大勢も流れに乗りたいところでしたが、山口月暉選手以外は4000m過ぎに先頭集団から脱落、山口月暉選手も6000m付近で集団から脱落する厳しいレースになりました。結果的にチーム1番手となったのは滝澤選手。集団から脱落するタイミングは早かったですが、チームメイトの大仲選手、鈴木選手と並走でき、終盤もう一度盛り返す走りができました。大仲選手は序盤から集団後方の位置取りでしたが、勝負所で集団から離されてしまいました。粘って29分台をマークできた点とラスト一周の切り替えができた点は収穫だったと思います。チーム4番手となってしまった鈴木選手は前半はいつも通り積極的な走りを見せましたが、3000m付近で既に一杯一杯という表情でした。ただ、直近の5000mの記録で差のあった滝澤選手や大仲選手と長い時間並走できたことを考えると、底は抜けた感じもします。今回並走の時間が長かった滝澤、大仲、鈴木選手は奇しくも関カレハーフにエントリーしている3選手。各々まだ本調子ではないかもしれませんが、中盤以降に並走で見せた粘りをハーフマラソンに繋げたいところ。日大勢で最後まで先頭に食らいついた山口月暉選手も結果的にはチーム3番手に終わる悔しい走りでした。ただ、中盤まで先頭に食らいついたスピード、ラストのキレには磨きがかかっていたので、関東インカレが楽しみになる走りではあったと思います。


NCG1組
1着 シャドラックキップケメイ② 27:20.05 PB

27:20〜27:30のペースでレースは進み、シャドラック選手もしっかり先頭集団に食らいつきます。ただ、常に集団後方の位置取りで、見た目では表情に余裕も感じられなかったので、今日は厳しいのかなと思う瞬間もありましたが、最終的には1着を勝ち取る強さを見せてくれました。また、27:20.05のタイムは学生歴代3位・日大記録ということで、学生長距離界に歴史を刻むランナーとなりました。ただ、負かしたメンバーや今回の条件を考えると、まだまだタイムを伸ばせる気がするのが恐ろしいところ。シャドラック伝説はまだ序章に過ぎないのかもしれません。

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