収益事業の判定 その1


今回から、「収益事業に該当するかどうかの具体的判定」を見ていきます。  その1
参照するのは、国税庁「宗教法人の税務」令和6年版 です。
以前、テキストとして「宗教と税(宗教法人と課税)」を発行したが、その際は、同書(令和4年版)を参照したわけであるが、令和6年版を見て、あれ!  以下の節が、加えられていた。

「(注) 喜捨金や対価の収受が、現金で行われる場合と現金以外(キャッシュレス決済)で行われる場合とによって、収益事業の該当性が変わるものではありません。」

そういえば、ある「道の駅」近くの寺院には、「お賽銭は、電子マネーで!」と、張り紙がしてあった。

「1 お守り、おみくじ等の販売
 お守り、お札、おみくじ等の販売のように、その売価と仕入原価との関係からみてその
差額が通常の物品販売業における売買利潤ではなく、実質的な喜捨金と認められるよう
な場合のその物品の頒布は、収益事業には該当しません。
 しかし、一般の物品販売業者においても販売されているような性質の物品(例えば、絵
はがき、写真帳、暦、線香、ろうそく、供花、数珠、集印帳、硯墨、文鎮、メダル、楯、ペナント、キーホルダー、杯、杓子、箸、陶器等)を通常の販売価格で販売する場合には、その物品の販売は収益事業(物品販売業)に該当します。なお、線香やろうそく、供花等の領布であっても、専ら参詣に当たって神前、仏前等にささげるために下賜するものは、収益事業には該当しません」とあります。

由来は?

「法人税法基本通達」にあります。

「15-1-10 宗教法人、学校法人等が行う物品の販売が令第5条第1項第1号《物品販売業》の物品販売業に該当するかどうかについては、次に掲げる場合には、それぞれ次による。(昭56年直法2-16「七」により改正)

(1) 宗教法人におけるお守り、お札、おみくじ等の販売のように、その売価と仕入原価との関係からみてその差額が通常の物品販売業における売買利潤ではなく実質は喜捨金と認められる場合のその販売は、物品販売業に該当しないものとする。ただし、宗教法人以外の者が、一般の物品販売業として販売できる性質を有するもの(例えば、絵葉書、写真帳、暦、線香、ろうそく、供花等)をこれらの一般の物品販売業者とおおむね同様の価格で参詣人等に販売している場合のその販売は、物品販売業に該当する。

(2) 学校法人等が行う教科書その他これに類する教材以外の出版物の販売は、物品販売業に該当する。

(注) ここでいう「教科書その他これに類する教材」とは、教科書、参考書、問題集等であって、学校の指定に基づいて授業において教材として用いるために当該学校の学生、生徒等を対象として販売されるものをいう。

(3) 学校法人等が行うノート、筆記具等の文房具、布地、糸、編糸、食料品等の材料又はミシン、編物機械、ちゅう房用品等の用具の販売は、たとえこれらの物品が学校の指定に基づいて授業において用いられるものである場合であっても、物品販売業に該当する。

(4) 学校法人等が行う制服、制帽等の販売は、物品販売業に該当する。

(5) 学校法人等が行うバザーで年1、2回開催される程度のもの(15-1-6の(2)に該当するものを除く。)は、物品販売業に該当しないものとする。」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?